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石のパワーには全く鈍いKURO@管理人が、
写真を撮ったり、調べてみたり、日々、石を相手に奮闘しながら、
知れば知るほど、見れば見るほど深みにハマる石の世界へとご案内します。
石好きさんも、これから石好きさんになる方も、どうぞ覗いてみて下さい。

楽天ブログは更新を停止しています。 掲示板や記事へのコメント欄は開いておりますが、見落とす可能性が高いので、こちらにコメントいただくか、画像掲示板web拍手の一言メッセージ等をご利用ください。

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 使用される場合は、画像を改変せず、出典を明記、当ブログへリンクして下さい。

そう来たか、ファントム!

ファントム・カテドラル1

ブラジル産水晶です。透明ピカピカです。
……で、この形をどう呼ぼうか。
買ったお店は「カテドラル」表示でした。
これが、「カテドラルで仕入れたから自動的に全部カテドラル」のような店なら、店のつけた名前は脇に置いておいて自分判断で名前を付け直すんですが、この石を買ったお店はひと味違う。
いつも、いろいろ教えていただき、大変お世話になっている石屋さんです。

そのお店が「カテドラル」と呼ぶ。
仕入れの名前ではなくて、名前なしで仕入れてひとつひとつちゃんと判断して名前を付けている。
その上で「カテドラル」。

「たくさんの尖塔が群れているみたいに見えるでしょう?」
とお店の人。
そういわれれば一つ一つの結晶もちょっとごつごつカテドラル風味だし、尖塔と言えばそんな感じでもあるけれど、私にはクラスターにも見えるなあ……。
カテドラルは、カテドラルか? エレスチャルか? と迷うことは良くありますが、クラスターと迷うことはちょっと少ないかも?

でもこれ全体をカテドラルと言うには、ちょーっと一本一本の結晶がばらけ気味かなあ。
迷いがあるので、両方の名前を入れておきます。

こんなにぼやいているのに、なぜこの石を選んだかというと。
名前を別にすれば、透明で形も美しく、純粋にきれいだから。
そしてもう一つ。

技ありファントムだから。

さて、ここで、この形でファントム入りと言ったならば、結晶の一本一本にファントムが入っている、こんな感じのファントムだと思いますよね?

ファントム・カテドラル3

普通そのはずです。
だけどこの石は違うのです。だから技あり。
実はお店の人も気づいていなかったファントム、見つけて思わずにんまり。

こんなファントムです。

ファントム・カテドラル2

尖塔の群れか、クラスターかと迷うほどの形なのに、その基部に一つの大きなファントム!
実はこの石、元は大きな一つの結晶だったのですね。
大きな結晶の上に、何本もの結晶が成長して、クラスター?という形になってしまった……というわけで。

ん?
すると、中央にドームを備え、周りに尖塔が並び立つ……やっぱりカテドラルでもいいのかも?


明日よりゴールデンウィーク帰省します。
石好きさんリンクの登録や、別館サイトの「Kuro's Handmade」のSold Out表示が滞る可能性があります。ごめんなさい……。

翼あるもの

別館サイトにアップしましたワイヤーもの、うっすらピンクの「ピンク・コーティング水晶」が早くも旅立っていきました。
ありがとうございます!
白いワイヤーにうっすらピンクは、我ながらかわいい取り合わせでした。

春先の新作は春らしい淡い色で行こう! と思っていたので、白ワイヤー×メタモが中心でしたが、やはり私はごつい原石好き。
第2弾とすべく、原石も巻き巻きしています。

自分用も、「Kuro's Handmade」用も、石の見せ方(どこを正面にするか)や、ちょっとやそっとでははずれない丈夫さなど、同じようにつくっているんですが、違うとすれば自分用は、ちょっとくらい大きくても、変な形でも、「どうせつけるのは自分だ、かまうまい」と冒険できてしまうところでしょうか。

ワイヤー巻き用の石を探していたときのことです。
一応、身につけるものなので、ある程度の大きさ(小ささ)、なるべく厚みの薄いもの、ある程度きれいなもの……原石ならば土だらけでも魅力ですが、アクセサリーに土付きは不可……を探します。
とあるお店でファーデンがたくさん入った籠をがさごそさがしていたときのこと。

一つの石を手に取りました。
でも。
「ちょっと大きいかな」
……と戻しました。

さらに、しばらくがさごそ。
「ん?」と思った石があったので手に取りました。
……同じ石でした。
「大きいし。形もちょっとまとまりがない感じだし」
……と戻しました。

さらにがさごそ。
ある石を手に取りました。

以下略。

なぜか同じ石を手に取ること実に3、4回。
すでに述べたように、ワイヤーで巻いてペンダントヘッドにするには大きめ。
形はお世辞にも整っているとは言いがたい。結晶があっちこっち変な方向を向いている妙な形。
いや、私、妙な形は好きですが、ペンダントヘッドにできる石を捜しているのに、なぜこの石を何回も手に取ってしまうのだろう。

しばし考え、自分用にすればいいか、ワイヤー巻きにできなかったら、そのままコレクションにしよう、とお買いあげ。
ワイヤー用の石とともに、家に持ち帰ったのでした。

そしてワイヤー巻き。
巻く前に石をじっくり見て、方向や正面や巻く場合の固定ポイントを探るのですが、この石は個性的な形であるため、さっくりと方向決定。結晶があっち向きこっち向きの変な形なので、固定ポイントにも事欠きません。
「こうして、ああして、ここに引っかけて巻いちゃえ」
ごく素直にくるりくるり。

あっけないほど順調にできあがってみると……。

wing

意外にいいかも?

画面左側につきだした部分が翼のようにも見え、全体の形もこの「翼」をぱたぱた羽ばたいて逃げていこうとするのを、くるりとワイヤーで絡め取った感じに見えてきます。
石だけの時はまとまりなく感じた形も、ワイヤーが楕円形に近いフレームを作っているために、ワイヤーとのバランスで整って見えます。

一つ難があるとすれば、大きさ。石だけでも写真の状態で縦5センチ、横4センチ、ワイヤ部分を足すと縦が7センチに達するビッグ・サイズ。
でも、9センチクラスのクラスターをペンダントにしてしまった私に、怖いものはない!
このサイズなら大丈夫!(私には)

ところで、写真を撮りながらじっくり見てみたら、ファーデンの籠の中から探したのだから当たり前というか、この石も立派にファーデンでした。
「翼」の部分にファーデン・ラインが見えますし、石の中心部分に、きれいには見えないけれどラインがあるようです。

ファーデン・クォーツをワイヤーラップ。
ちょっと贅沢です。



心で見る色・2

デジカメの苦手な色。
それは青や紫。黄色がかったり青みが強く出過ぎたり、赤みを帯びたり、完全に実物と同じ色にはできないジレンマがある。
赤は光に透かすと、派手やかに燃え上がり、化ける。
実物と同じ……と言ったって、その実物の色も、光によっては肉眼ですら異なった色に見えるのだけれど。

逆に言えば、光の色に気をつけ、ホワイトバランス(デジカメにこれが真っ白!と覚えさせる作業)を調整すれば、実物の色に迫ることはできます。

でも、さらに難しい色があります。
それは、肉眼ですら見えにくい色。

……透明な、淡い淡い色。

以前ガネーシュ・ヒマール産の淡いアメジストを撮影したとき、どうしても写せなくて「どうか、気合いで見てください」と、白旗を振ったのですが、今回はそのパート2。

ラベンダー2

ブラジル産の「ラベンダー・クォーツ」です。
ただし、この名称は仮のもの。
最近見つかったばかりで、なんと呼ぶか統一見解はできていないもようです。

ものは、塊状の石英。
透明感のある淡い淡い淡いラベンダー色。
淡すぎて、アメジストと言っていいかどうかもかなり怪しいです。
なんたって、見る時々で、肉眼でも色が見えないときがあります。
近くで見ると色が見えないのに、遠目で見るとラベンダー色が見えたりもします。
今回の写真は、私のパソコンでは予想以上に色が写せたように見えているんですが、たぶんモニターの差によって消えてしまうような色の淡さです。

アメジストにも色の淡いのはあるし、塊状で産出したりもするだろう。
それなのにことさらに「最近見つかった」というのには訳があります。
なぜならば、このラベンダー・クォーツは、メタモ……メタモルフォーゼス・クォーツと一緒に見つかったから。
もうちょっと詳しく言うと、メタモの鉱脈の一部が淡い淡いラベンダー色になっていたそうです。
産出量は多くはなかったようで、そのために詳しく研究されてもいないらしいです。

メタモの鉱脈から出たラベンダー色なら、「ラベンダー・メタモ」では?
どうも違うようなのです。

この石を買った石屋さんにおききしたところでは、どうやらメタモと鉱脈続きではあるようですが、メタモのように放射線照射と加熱でグリーン・ゴールドに変化はしないとか。
変化してこそのメタモですから、変化しないのならばメタモではない。

でも、おなじときにうっすら淡い淡い緑のものもあったので、グリーンゴールドにはならないけれど、グリーン・アメジストのように緑になるのかもしれません。

もうひとつ、メタモとは違うようだと思っている理由があります。
それを説明するために、写真をもう一枚。

ラベンダー1

黒い背景で撮った写真です。画像上端付近にミスト……細かな泡のような、霧のような水晶の内包物が写っています。
水晶には特に珍しくなく見られるものです。
ところが……個人的意見ですが、この水晶にはちょくちょく見られるミストが、メタモには見られないような気がするのです。
少なくとも、私はありません。

 
↑ピンク・メタモ                    ↑ローズ・クォーツ

ピンクメタモと言いながら、普通のローズ・クォーツの場合があるんだそうだよ……という話を聞いたとき、たまたまその場(店頭)にその「怪しいピンク・メタモ」があり、「こんなの」と言われて「なるほど」と納得したのですが、思えばその「怪しいピンク・メタモ」はミストやクラックだらけでしたっけ。

メタモはたいていきれいな半透明で、そのためにゼリーや寒天を連想させます。
でもそれは、ただ半透明というだけではなくて、クラックやミストがない状態も関係していると思いませんか?
そのために、メタモは普通の石英と、ちょっと違う結晶の仕方をしたんじゃないか……と考えたことがあります。

メタモにも不透明度がやや高いものがあり、ほとんど透明なものもある。そして今回のように一部がラベンダーになっているものもある。
メタモの鉱脈は、その部分部分で色合いが異なるだけでなく、結晶の具合もどこか違っているのかもしれません。


まっすぐ?

ファーデン?

石好きさんにとっては超メジャーな石、それは水晶。
色、形、内包物も多種多様。
ただし、鉱物としては「Quartz」でまとめられてしまいます。
かといって、あれもこれもそれもどれも、ぜ~んぶ「Quartz」ではかえって不便。そのため色・形などでいろいろ名前を付けて区別するわけですが、このとき使われる名前というのは、たいてい「通称」です。
日本式双晶などのようにくっついている面や角度が決められている「用語」もありますが、たとえばどこまでが「煙水晶(スモーキー)」で、どこからが「黒水晶(モリオン)」なのかという公式な決まりは実はなくて、けっこうアバウト。

黒水晶といった場合はスモーキーの濃いバージョンだけでなく内包物による黒も含まれていたり、英語と日本語で若干ズレがある場合もあったりします。

また、水晶はバリエーション豊かなので、それが逆にあだになり、かっちり分けられない中間種もたくさんあるのです。

これももしかしたら中間種かもしれない……それが今回の石。
何の中間種かといえば、画像に入れてしまいましたが、ファーデンの。

ファーデンといえば、特徴は水晶内部の糸状の筋。(ファーデン:ドイツ語で「糸」)
ただ「白い糸状のものが入っていて……」という説明だと、ミスト(水晶内部の白い霧状の濁り)がたまたま筋状になったものもファーデンと勘違いされるので、この水晶の成長過程を加味して、「ファーデン・ラインと呼ばれる白い筋を中心に水晶が成長し、筋の両側に水晶の先端があるもの」をファーデンと呼ぶ……と言いたいです。

白い筋の両側に先端があるとは、このようなこと↓。

ファーデン図1

水晶の先端がわかりやすいよう、とんがらせましたが、実際はこんな感じ。

典型的ファーデン

平板状の水晶の真ん中に白いライン。この写真では左右が水晶の先端になります。
これはもう、スタンダート中のスタンダードであるファーデン。
ただ、すべてのファーデンがこのようにきれいに真ん中にラインが入ることはなく、多くは斜めに入ります。

ファーデン図2

斜めファーデン

この斜め具合がどんどん急角度になると、一見水晶の中にまっすぐラインが入っているように見えるのですが、ファーデンは「このラインから両側に結晶が成長した(はず)なので、完全にはまっすぐにならず、微妙に斜めになるはずなのです。

ファーデン図3 ファーデン図4

たとえば、こちら(↓)のファーデンは、細い結晶の真ん中にまっすぐラインが入っているようでありながら、先端付近で斜めに逃げています。
つまりまっすぐに見えて実は斜めにラインが入っているのです。

斜めファーデン2

しかし……今回の石は?

まず、これが単に白い筋に見えるものが入っているだけの普通の水晶ではなく、ファーデンではないかと判断した理由を述べます。

一つは産地がパキスタン。ファーデン・クォーツがざくざくたくさん入った籠の中で見つけました。
二つ目はラインの感じです。
ファーデン・ラインというのは図(↓)のように線の縦方向に繊維のように流れているわけではありません。

図6

つまり、時々ファーデンと間違われているこのような筋は、ファーデンラインではないのです。

違う

ファーデン・ラインは薄いものをよく見るとわかるように短い線状のものがファーデン・ラインに対して横方向にたくさん積み重なって太い線を作っているような構造をしています。

図5

この写真を見ると、その構造がよくわかります。
横 横2

この短い線がびっしり重なると最初の例のような太いファーデン・ラインになり、そのラインは綿が詰まったような独特の質感になります。
典型的ファーデン

では、この写真と一番上の大きな写真の白い部分を比べてみてください。
似てませんか?
少なくとも、角閃石が入っているとか、ミストがたまたまライン状に見えているとかそういうわけではないように思われます。
ファーデンの籠の中から見つけたのですから、その中に一つだけ角閃石……と考えるよりは、ファーデン、あるいはファーデン・ラインと同じようにできたもの……と考えた方が納得できます。

でも、このラインは結晶に対してまっすぐ入っているように見える。
ファーデンのラインのようでありながら、入り方はファーデンではない(と思う)。
いったいこれは何なんだ?

たとえば、ファーデンとにたものにグインデルがあります。
グインデルとは、両錐の結晶が柱面を接して積三笠なって板状になり、さらにねじれているものです。


とてもよく似ている上に、アルプス山脈などでは同じ産地でファーデンとグインデルが産出するようです。
ファーデン・ラインの入っているものはねじれていない(グインデルにはならない)と言う説明を聞いたことがあります。
グインデルは結晶してからねじれたのではなくて、もともと一つ一つの結晶にねじれがあり、

柱面で接して積み重なったように結晶することでそのねじれが目立つようになり、全体がねじれて見えるというのが正確なところらしく、そのためもともと結晶にねじれが多く見られるスモーキーのグインデルが多いらしいのですが、中にはスモーキーでグインデルのような形をしていて、ファーデンラインに見えるものが入っている石もあったりします。

いや、全く水晶は一筋縄ではいきません。
ファーデンやグインデルは比較的レアで、それだけでも「変」ですが、その「変」のスタンダードからずれたところには、目立たないけれどさらに変な石があるようです。

つまりダブル「変」
石をじっくり見ていく楽しさ、ここにあり。






侘び寂び緑

先だってのミネラル・ザ・ワールド in 横浜での戦利品。

スイス・グリーン

スイス産の緑泥かぶりのクラスターです。
つまり、アルプス水晶。
アルプス山脈はヒマラヤ山脈とほぼ同時期に同じようなメカニズムで生まれた大山脈で、そのためなのか、よく似た水晶が産出します。
細かく見れば、アルプスの方がスモーキーやグインデル、ファーデンが多いようだとか、ネパール産で見かける緑泥入りの「かき揚げ水晶」はアルプスでは見かけないようだとか、幾分違いがあるものの、全体的には似ています。

でも、アルプス産水晶は、我が家では比較的少数派。
理由は絶対的な量の違いです。
ネパール産水晶は、たくさんの人が大々的に掘り出し……あるいは鉱山の副産物として産出しますが、アルプス産水晶は、かつてはともかく今は細々と採集されているにすぎません。
そのため目にする機会が少ないし、値段も高い。(最近はネパール産も高くなりましたが)

そんな中で見つけたアルプス産水晶。お値打ちだった上にさらにおまけしていただきました。

そのお店は、コンスタントにヨーロッパものの鉱物を扱っておられるので、チェックを欠かさない店なのですが、このときは、二つの石に目を惹きつけられました。
一つはスモーキー。
アルプス水晶と言えばスモーキー、しかもアデュラリア付き。
もうひとつがこの水晶です。ネパール産の緑泥に比べると、わずかに明るめ。
緑泥が全体的にまぶされているために、水晶本来の透明度は見えず、つやもありませんが、苔むしたようなみずみずしさ。
小さいけれど、なかなかきれいに感じた石でした。

私としては、並んでいた水晶をじっくり見た結果、2つに絞ったつもりだったんですが、お店の人曰く「吸い付けられるように(あっという間に)選んでいた」そうで。
(その人にとっての)良い石というのは、自らアピールするのかもしれません。




チャイナ・ブルー

我が家の石には、時々変な逆転現象が生じます。
たとえば、ローズクォーツ。
ローズクォーツはほとんどが塊状で産出し、結晶形になるものは少ないです。
当然、出回るローズクォーツはタンブルだったり丸玉だったり磨いたものが多く、結晶のものは少ないです。
でも、「変」で「レア」なものに弱い私は、タンブル、丸玉ならいつでも買える、と、そちらはほったらかしで結晶形ローズ探しに懸命になり、結果、磨きローズよりも結晶ローズの方が多かった時期があります。
(今は磨きも多いです)

そして最近新たな逆転現象が……。

逆転したのは、デザートローズ……砂漠の薔薇です。
ジプサム(石膏)やバーライト(重晶石)などが砂漠の砂の中で、まるで薔薇の花のような形に結晶したものです。
パワーストーンの分野では、「縁切りの石」とかヘンな意味があるようですが、海外サイトでは全く別の意味でした。どうせなら楽しい意味を希望。
嫌いな人との縁を切りたいからデザートローズなんて、悲しすぎます。

それはさておき、デザートローズの色と言えば、灰色や茶色、黄土色……砂漠の砂の色を写した、アースカラー。見かけるものも、画像検索して出てくるものも、たいていそんな色です。

デザートローズ

ところが、どこにも例外はあるもので……。
2005年10月のIMAGE展で、私は「青い砂漠の薔薇」を見つけました。
リンク先を見てもらえばわかりますが、「青い砂漠」の薔薇ではなく、青い「砂漠の薔薇」です。
産地が中国と聞いて、見る人見る人染めを疑っていたという、ちょっと気の毒な石。
じっくり見ると染料で染めたっぽいのではなくて、表面に青い鉱物が結晶しているように見えます。
こんな砂漠の薔薇なんておもしろい!
……と買い求めて正解。その後、おそらく同じ店から買ったのではないかと思われるものが、2カ所の店で一つずつ売られているのを見た以外は、青い砂漠の薔薇に出会うことはありませんでした。

ところが……先日、思わぬところで青い砂漠の薔薇再び!

チャイナ・ブルー

見つけたのは、パワーストーンショップというか、中国石屋というか……鉱物ショップではなく、中国産の石の原石から磨き、フェイクも含んでいろいろ置いている店でした。
怪しい石もあるのですが、クラスターが驚くほど安かったり、時折掘り出し物があるので、ちょくちょく覗きます。とりあえず、店の中を一巡、並べてある石も、箱の中に無造作に入れられている石も同じようにチェックし……レジ横の床の上、どう見ても「売れ残り商品」の箱の中に……いました青い砂漠の薔薇!

青というより紺に近い色ではあるものの、普通の砂漠の薔薇にはあるまじき色。
一つ目の青薔薇は細長い形でしたが、今度は丸っこい形。しかも2つ。
直径4~5センチと手頃な大きさ!

こんなところで
売れ残りの中に
床の上の箱に

こんなのあり!? ……と驚いた勢いで青い砂漠の薔薇が2つ増えて、我が家の砂漠の薔薇の色は、青が3つ、その他が2つと逆転しました。

ダメもとで「産地わかりますか?」と聞いてみましたが、やっぱり中国としかわかりませんでした。
一つ目の青い砂漠の薔薇が内陸部の甘粛省だったので、青薔薇2号、3号も同じところか、やはり内陸部の産であろうと思われます。

もしかして、中国内陸部では、青い砂漠の薔薇がけっこう産出するのでしょうか?
それとも、もしかして、やっぱり染め……とか?
検索しても出てこないので、ちょっとやきもきしています。

更新記録

ワイヤー巻き巻き絶好調!の勢いで、別館サイト「Kuro's Handmade」フィーリング・ドロップスオクタゴナル・ポーチを追加しました。


今回登場致しますのは、
メタモルフォーゼス


ピンクメタモ


ブラックメタモ


オーロ・ベルディ


さらに、
ブルー・ガラス


小さくてかわいい天然ピンクコーティング水晶
Sold Out! ありがとうございました!


オクタゴナル・ポーチは
さわやかなナチュラル・グリーン


モノトーンが凛々しい龍柄(黒)


です。

すでにSena Cosさんにお預けしてきました。

のど元にごろり

ワイヤー巻き巻き絶好調継続中!

最近作ったお気に入りはこういうの。

ワイヤー・スケルタル

パキスタン産のスケルタル・クォーツをワイヤーラップ。
エレスチャルといってもいいかもしれませんが、個人的にはエレスチャルはごつごつ系、層状構造のものはスケルタルと呼ぶことにしています。
ごつごつと層状構造は、見た目がけっこう違います。

ワイヤーラップの素材としてはあちこち出っ張って引っかかりになってくれるごつごつ系の方が適していますが、この層状キラキラ石を是非とも巻いてみたくてがんばりました。
実は海外サイトで、ハーキマーっぽい石のけっこう大きめのをワイヤー巻きしているペンダントがあったのですが、そのワイヤーが普通の太さのメタル系。
「は、はずれそう……」
と心配したくなるようなひょろりとした巻き方で、でも身につけた写真の感じがなかなかよさげ。

私が使ってるワイヤーならもっとしっかり作れるはず!
……とさっそくこれぞという石を探し、巻き巻きチャレンジしました。
ワイヤーを手にとって石を巻き始めたのが2008年の1月でしたから、それから1年ちょっと。
ずいぶん巻ける石の幅が広がりました。最初は、すっきり単結晶が巻けるとは思ってませんでしたから……。

さてこの石、ほぼDT(両錐)のころんとした形。
ワイヤーの引っかかりとなってくれる出っ張りがないため、巻ける石の幅が広がった今でも苦手な部類に入ります。
かといって最初に海外サイトで見たような、「はずれそう!」なのは嫌です。
私の使うワイヤーは太いし黒っぽい色なので、ぐるぐる巻きにすると石が見えません。
あくまでも石が主役ですから、なるべく石は隠したくない。
かくして、華麗な曲線や渦巻きが特徴のワイヤー・アクセサリーとは反対に、なるべくシンプルに、石を隠さずに……が目標です。

原石ワイヤー巻きを作るとき、私は下絵などは描きません。まず巻く石を手に取り、あちこちいろんな方向から眺めて、どこを正面にするかを決めます。
結果的に両面どちらを表にしても大丈夫なデザインに仕上がるものもありますが、少なくともどこか一カ所は表になって欲しいので、まずは表にしたい場所を決めるのです。
このとき先端を上にするか、下にするか、ワイヤーを引っかけるとしたらどこかを考えながら、石の「顔」を見極めます。

使うワイヤーは小さければ30センチ、大きくても40~50センチくらい。
最初は長さの見極めが付かなくて、ワイヤーを束のままひねくっていましたが、最近は何となく長さの見当が付くようになりました。

私のワイヤー巻きは、基本一筆書き。こうして、ああして、こっちに引っ張って……と石に合わせてワイヤーを巻き付け、巻き終わってみると、結束ワイヤーで固定しなくても、ある程度石が留まっている状態になります。
しかし、今回のようにとっかかりのないころんとした石では、巻きながら要所要所を結束ワイヤーで固定し、時には固定したワイヤーを引っ張って引き締め、石を固定しながら巻きます。
始終指で石に力をかけ、石がぐらぐら動かないか、ちょっとしたことでワイヤーがずれてゆるんだりしないかを確認しながら作ります。なので、一見ほとんど石が剥き出しに見えても、ちょっとやそっとでははずれません。
巻き終わってからもワイヤーをあちこち動かして、ちょっとでもぐらぐらするところは結束ワイヤーで固定。(そのために、結束ワイヤーで固定した箇所が多いです)
丈夫さは大切です!

この石は、層状構造のあちこちに虹が出るのが魅力でもあるので、それを最大限見せるべく、表面はほぼ石が剥き出し。
でも大丈夫、これでもがっちり留まっています。
裏面は斜めにワイヤーを渡しましたが、たぶん、これがなくても留まっています。

ワイヤー・スケルタル2

できあがったペンダントヘッドは、ころんと丸い形で、厚みもあり、ボリュームたっぷり。
ただし、大きさもたっぷり。
こちらがほぼ実物大の写真です。長さ3.5センチ、幅3センチ、厚み2.5センチ。
他の写真を見た後では小さく見えるかもしれませんが、パソコンの画面に手を添えてみると、けっこう大きいことがおわかりいただけるかと思います。

ワイヤー・スケルタル3

もちろん、重さもたっぷりで、身につけるとずっしり来ます。
私には、その存在感が好ましいし、丸っこいので胸元ころころ転がるように揺れるのもかわいく、大きくても透明(反射して白)なので、割る目立ちはしない(はず)と思ってますが、世間一般的に見れば身につけるには大きい石だとも思っています。

ところが、ブレスなどをお預けしているお店の人から聞いた話では、
「KUROさんのあの大きいクラスター(のワイヤーラップペンダント)がいい」
とおっしゃる方もおられるようで。
ええと、あれは……色めがねならぬ石眼鏡でひいき目に見ても、正直大きいです。私も普段使いはしなくて、石イベントの時に話のネタにつけていくくらいなんですが。
もしかして、大きいのは問題なくアリなんでしょうか!?










ご注意ビーズ

昨日に続き店巡りネタ。

ビーズ・ショップで見かけた……「イエロー・ラピス」(※写真なし)。
10個ほどのパック入りで、くすんだ黄色と黒が混じった……別のところでは「イエロー・ターコイズ」と呼ばれていたような……でも、ターコイズではない、ましてやラピスラズリとも(色以外のところも)全く似ていない、私の見立てではサーペンティンの一種では?と思える、そんな石。

「なんで、イエロー・ラピス!?」

内心憤慨しましたが、ハタと気が付きました。
ラピス・ラズリは「青い石」の意味。ラピスが石を、ラズリが青を意味します。
だったらイエロー・ラピスはラピス・ラズリの黄色バージョンという意味じゃなくて、(ちょっと苦しいけど) 「黄色い石」だからいいのかも?
でも……石のパックがあったのはラピス・ラズリの隣。
絶対何かねらってます。

もうひとつ。
「スギライト」表示で一連5000円台で売られていたビーズ。
スギライトなら、破格に安いけれど、これが見事に染め。
アゲートを染めたと書かれていたビーズにそっくりでした。売っていた「スギライト」にもちろん染め表示はなし。染だとしたら、破格に高い。
スギライト色染め


さらにこれも。
シトリンのビーズ
ビーズの場合、天然の(加工してない)ものはほとんどなく、大部分がアメジストを加熱して黄色くしたものだと言われています。
ところが、同じように華やかな黄色(山吹色)で、クラック(ひび)もなく、白い部分も混じらず、色味もばっちりそろった「シトリン」ビーズを見かけます。
加熱して黄色くなるアメジストの原石は短柱状……柱面(側面)が発達していない、短いものがほとんどで、色が付いているのは先端付近だけ。
加熱するためかクラックも多いように思います。
←加熱のシトリン

なのに、これだけ色をそろえてクラックなし、白い部分なしとなると、よほど粒の大きな結晶からつくったのか……いや、このタイプで結晶の大きいのは、そんなに多くないし、そんなのをビーズにしたらもっと値段が高くなりそうだから、合成水晶? もしかしてガラス?

ところで、このビーズはガラスか水晶か……ちょっと見ただけでは断言できない場合、私はビーズを握ってみます。
一粒二粒ではムリですが、ブレスレットくらいのボリュームがあれば、たいてい判別できます。
同じくらいの大きさ、同じ条件にある場合ならば、水晶の方が冷たく感じます。
同じ環境といっても、両方とも照明近くでホットになっている場合はダメですが。

ブレスレットを手に取れるところがあればお試しあれ。
ルチル入りやガーデン入りはほぼ水晶でガラスはないと見ていいので、それらとチェリー・クォーツ(100%ガラス!)を握り比べてみてください。たぶん、はっきり違いがわかるはず。オブシディアンもガラスなので、やはり水晶とは違います。

比べるのは、握った瞬間の温度。
水晶は「ひやり」、ガラスはそれに比べるとあたたかい。
注意すれば重さも違うのがわかると思います。

話は戻ってビーズの華やか山吹色の「シトリン」。
連で売っているところがあったので、鷲づかみしてみました。

……ん? 冷たい……?

ルチル入りと、あるいはローズクォーツと、ついでにガラス決定のチェリー・クォーツなど種類を変えてつかみ比べてみましたが、冷たい。……ということは、これは一応水晶?
これだけ色がそろっていて値段もちょっと高めだし、合成水晶だろうか?

あ、念のために申し上げますと「人工水晶」という場合、厳密には2種類あります。(そのため、「偽物で人工水晶」という情報があった場合はどちらかをはっきりさせないと混乱します)

一つは「練り水晶」「溶練水晶」と呼ばれる、水晶を溶かして固めたもの。
固めただけで結晶していないので、本当は水晶を原料にした石英ガラス。
もう一つは合成水晶。
水晶の原料がとけ込んだ溶液の中に、種水晶をつるし、温度と圧力をかけて人工的に結晶させたもの。
こちらは、成長したのは人工の環境下ですが、天然の水晶と同じように結晶しています。
ただ、工業用に使い勝手がよいように結晶させているので、天然水晶と同じような形にはなりません。
ですから、磨いていないポイントやクラスターであれば、合成水晶の可能性はありません。

もう一度、話を戻して……、そのときはガラスの手触りではなかったので、合成か……と予想していたんですが、数粒パック売りの中に、色の差があるものを発見。

シトリンビーズ

左のビーズが濃いめ、右が明るめなのがわかりますか?
合成水晶だったら、あるいは私の勘違いでガラスだったら、こんな色の差が出るだろうか。
え? もしかして天然水晶?(加熱加工はしてると思いますが)……と混乱。
とにかく、個人的にはガラスじゃなくて水晶っぽい、と判断してその店を後にしました。

そして数日後、また別の店で山吹シトリンを目にしました。
染めのスギライトもどきに内心憤慨して辺りを見回したら、「50%オフ」で安売りしていたのです。
やはり、見事な山吹色、クラックなし。
「これじゃやっぱり天然水晶には見えないよね」と、念のために握ってみると……!!

冷たくない。

あわてて周りの「水晶」と握り比べ。
やはり冷たくない。数日前の店では、確かに水晶の冷たさだった。なのに今日のこれは違う。
確かに違う。
これならば私はガラスと判断します。

すると……「シトリン」の中には水晶(天然か合成かは不明)と、ガラスのものがあるのか?
もしかして、仕入れてみたらガラスだったので50%オフ? と、勘ぐってしまいます。

ご注意を!


追記:もう一つネタ。

ビーズのばら売り場で見かけた「タイガーアイライト」
この名前を見たとたん、アイオライトとか石の名前に良くある「○○ライト」が頭に浮かび、
「タイガーアイライト? また変な名前つけちゃって」
……とぼやきながら石を見たら。

こんなタイガーアイでした。

「あ、タイガーアイ・ライト?(ライトカラーのタイガーアイ)」

普通はこんな感じですから、比べれば確かに明るい色。

ビーズの名前は怪しいぞ、というイメージが定着しているので、つい、勘違いしちゃいました。
でも、タイガーアイの中には、軽く脱色して明るい金色に見せているものがあるそうです。
……どうなんだろう……。






人工ルチル!?

人工ルチルがあるそうだ……という「噂」があります。
注:人工ルチル=人工的に作ったルチル入り水晶(……に見えるガラス含む)
※ルチルという鉱物は合成可能なので、「人工ルチル」はありますが、それとこれとは話がまったく別。
また、ルチルが入った水晶と透明水晶(またはガラス)を張り合わせてボリュームアップしたものは、加工品であって「人工ルチル」とは言えません。

ことさらに「噂」というのは、これがそうだという実物なり写真なりを見たことがなく、「あるそうだ」という話だけなので、「本当に?」と疑うわけです。

さらに疑う理由は、ガラスに入れるにしても、水晶ごと合成するにしても
(1)中に入れるルチル(のようなもの)を作るのが大変
(2)それを中に入れるのが大変
(3)できたとしてコストがも高く付く、そしてたぶん、本物そっくりにはならない
(4)高くて似ていなかったら売れない、だったら作る意味がない

から。
よって「偽物失格!」判定。

……が、「人工ルチル」見ちゃいました。
少なくとも「人工ルチル」という名前で売られてました。

コレです。

人工ルチル?2

これが人工ルチル(人工的に作ったルチル入り水晶)か!
……と、思うのは、ちょっと待ってください。


まず。
このビーズは以前から知っています。ガラスビーズです。
私が写真のビーズを買った店ではガラスビーズとして売っていて、さわってみるとなるほどガラス。
中に、銅色の金属粉末のようなものが筋状にキラキラ入っています。

見つけたときから、
「これで、ガラスの色がもうちょっときれいで (全くの透明ではなくて、ごくわずか暗い色に見えます) 、中の粉末が細かかったら、オレゴン・サンストーンに間違われたりして」
(↓本物のオレゴン・サンストーン)

と思っていたので、これが「人工サンストーン」なら、
「ガラスだから模造サンストーンだよね」
といいながらも、やっぱり、なるほどと納得したでしょう。

でも、「人工ルチル」?

それはないでしょう! 似てません!

だって、中に入ってるのは、つぶつぶですよ?

人工ルチル?3

ご存じルチルは針状、もっと細いとしなやかな繊維状。
つぶつぶがはっきり見える粉末状と針状・繊維状では、どうみたって間違えないでしょう!

ガラスで粉末混ぜですから、コスト・技術はともかく、似ていなくてバレバレなら、偽物失格!
「人工ルチル(入り水晶)」を名乗るのもおこがましい。
「人工(模造)サンストーン」「クリア・アベンチュリン」とか言われた方がまだしもです。

「噂」の人工ルチル(入り水晶)がすべてこれとは限りませんが、これならば、
わたしは「人工ルチル(入り水晶)」と認めません!

人工だけどルチルだよ、あるいはルチルっぽいでしょ?と、
ルチル入り水晶にこじつけたいのか。

店がつける表示は、時に人工ものですらあやしいです。

最後に。
これを証拠に、
やっぱり人工ルチル入り水晶は存在するんだ!
などと言わないように。


せめて、もうちょっと似ているものを「人工」「偽物」と呼んで下さい。
これでは「偽物以下」です。


ガラスビーズとしては、なかなかかわいいと思いますけど。








シャングリ・ラ

基本、ブレスレットは自作派ですが、たまに完成品を買うことがあります。(自作・リメイクの材料以外で)
自作だと、左右非対称、パターンなし、意味は無視の好き勝手、けっこうたくさんの種類を組み合わせて楽しみます。
しかし、買う場合は逆にシンプル一辺倒。一種類の石のブレスばかり。
その心は、このブレスが欲しいではなくて、この石が欲しい。つまり、原石を選ぶ場合とノリは同じというわけ……。

その原石のノリで買いました。

黒水晶ブレス

モリオン・ブレス!
だって黒水晶好きだもん。

少し前までは、ブラジル産モリオンの丸玉はあれどビーズは見かけず、「モリオン・ビーズ」「黒水晶ビーズ」といっていても(産地不明)、見れば間違いようもなく透けてスモーキーというものばかりでしたが、去年あたりから中国産モリオンのブレスを見かけるようになりました。

出たかモリオン!

黒水晶好きとしては、興味津々。
しかし、即、飛びつくのは考え物です。なぜなら、ビーズのスモーキーは放射線照射で色を調整されているものがある(多い?)といわれ、その放射線をちょっと多めに照射すれば、真っ黒モリオンも作れるだろうからです。
たとえば、放射線照射で黒くしたアーカンソー産「黒水晶」の黒い部分をビーズにしたようなものとか……。

それでなくてもビーズのように削ってしまえば、本当にその産地の、その種類の石(水晶)なのか、判別はきわめて難しくなります。
それでもなるべく望む産地、望む種類のビーズが欲しければ、ひとつは信用できるお店を探すこと。
ただ、「信用できる」かどうかをどうやって見分けるかというのが、けっこう難しい。
原石なら、直接現地の鉱山まで行って買い付けているところがありますが、ビーズはどうしても加工の会社や卸売業者を挟むことが多くなります。最終小売りのお店は良心的でも、その途中どこで情報が混乱するかわかりません。
中には、原石を仕入れてその原石を加工に出しているというところもあって、そういうところは、かなり安心度が高めですが……。

もう一つは、原石探し。
たとえばガネーシュ・ヒマール産の水晶ビーズというなら、ガネーシュヒマールの水晶原石を見つけてじっくり見るということです。
緑泥の入り具合(密度や内包されている場所)、石の大きさ、透明部分のわずかな色……といったところをじっくり見て、ビーズになった場合にどうかを考えます。
たとえば、ガネーシュ・ヒマール産が中国四川省産のクラスターのように細い結晶ばかりだったら、大粒のビーズが出るのはおかしいです。(塊状の石英も出ているなら別ですが)
また、ガネーシュ・ヒマール産に内包される緑泥は灰緑色~緑~黒ですが、ビーズで紫っぽい灰色の緑泥が内包されていたりしたら、ブラジル産と間違えている可能性がでてきます。

それで必ずわかるとはとても言えないけれど、原石との比較はやってみる価値はあります。

そこで、中国産モリオン。
中国でモリオンが出るのは知っていました。長石と一緒に産出するようす、表面がやや荒れ気味の表情からして、天然で黒いのだろうと思っています。
だけれども、この水晶からビーズが作られているとは限らない。
これからビーズを作ったんだとわかるものではければ……とはいえ、そんなものを見るのは難しいだろうなあ……と思っていたら、2008年の新宿ショーで、見かけました。

ごろごろと大ぶりな黒い水晶が一山。そのようすは、長石付きのものもあり、表面は磨りガラス状に荒れて、他の産地……たとえば日本の岐阜県産の黒水晶にも似ていて、おそらくは同じようなペグマタイト、母岩に放射性物質が含まれる可能性があり、その影響で天然で真っ黒になる可能性があるだろうと思われる水晶でした。
そしてその隣にはモリオン・ブレス。
お店の人は、鑑別に出したこと、同じ産地の水晶は実は多くがスモーキーで、黒いのは一部分であり、その中でも特に黒い部分をビーズにしたのだと言っていました。
産地は山東省。

そのときはちょっと手が出なかったのですが、後に同じ店からのものと思われる、写真のブレスを手に入れました。産地は同じ山東省。
強いライトで照らしてみると、3粒は光を通してしまい、スモーキーであることがわかりますが、残りは強いライトでも一応真っ黒。優秀です。

モリオン・ブレスは、オニキスやオブシディアンに混ぜたらわからないような真っ黒シンプルなビーズなのに、非常にかわいくないお値段です。
しかし、たくさんのスモーキーの中から黒いものを選び出し、さらに特に黒い部分をビーズにした……となると、真っ黒水晶ビーズは非常に歩留まりの悪いビーズなのです。
おそらく珍しさでかなり付加価値をつけているでしょうが、元値も普通の水晶と同じというわけにはいかないでしょう。

さて、最近、パワーストーンショップを覗いておりましたらば、とあるビーズを見かけました。

「チャイナ・シャングリラ(黒水晶)」(ばら売り)

もちろん、見た目真っ黒ビーズです。瓶に10ミリビーズが10粒ほど入っていたので、店の照明(蛍光灯)に透かしてみると……光を通す。残念ながら濃いスモーキー判定です。
数が少なかったので、真っ黒なのが選ばれた残りだったのか、元からすべて濃いスモーキーだったのかはわかりません。

それにしてもシャングリラ。
理想郷・桃源郷とは思い切った商品名をつけたものだ……と思いました。
それでも一応検索してみると……あら?
「チャイナ・シャングリラ」はそのお店のオリジナル・ネームだったのか、ヒットしてこなかったのですが、「シャングリラ 黒水晶」で検索してみたら、チベットと中国の国境(?)沿いのシャングリラ地方で
採れた黒水晶……というような情報が出てきました。
シャングリラというのは、四川省・チベット自治区との省境に近い雲南省北西端の近く、麗江の北北西120kmにある標高3300mの町だそうです。

雲南省?

私が買ったのは山東省。念のために調べてみると、雲南省と山東省は全然別の場所です。
この場合、シャングリラ産だから「チャイナ・シャングリラ」。
山東省産をこの名前で呼ぶわけにはいかないでしょう。ビーズになると見た目そっくりなので区別もつけられませんが。

すると、雲南省でも黒水晶が出るのだろうか?
出るなら原石が見てみたい!

半透明の春

ワイヤー巻き巻き絶好調!……の成果。

ワイヤー・メタモ

半透明白のメタモルフォーゼスを巻きました。
ワイヤーの色は、これまで使っていた焦げ茶ではなく、カーキ色っぽい中間色。
これを、ちょうどいい具合に半透明なメタモに合わせてみたら、焦げ茶ほど強くはない色なので、メタモのオパレッセンスな輝きと釣り合って、ハードさと繊細さが不思議に融合した雰囲気になりました。
(※オパレッセンスは乳白色光という意味で、ふんわり光ににじむような輝きを指します。オパールの遊色はプレイ・オブ・カラーです)

塊状で産出するメタモ類は、タンブルや丸玉よりも、このようなぶっかき氷状のかけらが断然好み。
割り砕いた複雑な面が、みずみずしさを感じさせる半透明の質感を、より引き立てているように思えます。

そして、ワイヤー巻きするには、タンブルよりもかけらの方がやりやすい。
どうして今までやらなかったんだろう!

さて、このメタモ、色違いでピンクバージョンがあります。
メタモに放射線を照射すると、真っ黒になり、それを加熱するとオーロ・ベルディと呼ばれるグリーン・ゴールドに大変化。だからメタモルフォーゼス。
現段階では、メタモの仲間としては、半透明白、半透明ピンク、黒(変化途中)、グリーンゴールド(変化後)の四色があることになります。

で、最初に登場したのが半透明白のメタモルフォーゼスと、グリーン・ゴールドのオーロ・ベルディ
わずかに遅れてピンクバージョンがお目見えしてピンク・メタモと呼ばれるようになりました。
変化途中の黒いのが出回るようになったのはつい最近で、まだ決まった名前はないようですが、ブラック・メタモと呼ばれていることが多いようす。

ところが、黒いのに別の名前がないか調べていたら、半透明白のメタモルフォーゼスを「ホワイト・メタモ」、オーロ・ベルディを「ゴールデン・メタモ」と呼んでいる例を見つけてしまいました。

納得できないなあ!

白なんだからホワイト……ピンクメタモがあるから同じようにホワイト・メタモ。
わかりやすいと言えばそうなんですが、そもそも半透明白の、ものにつけられた名前。
メタモルフォーゼスといえば自動的に半透明白。後からピンクのが出てきたから、メタモのピンクバージョンという意味でピンク・メタモと呼んだはず。

それにホワイトをくっつけたら、意味するところは「白・半透明白」では?
これは、紫色の水晶を指す「アメジスト」を、グリーン(加工)もラベンダーもあるからと「紫・アメジスト」と呼んでしまう。そういう行為です。

オーロ・ベルディにしても、確かに金色だけれどゴールデンと呼んでしまっては、わずかに緑がかった色のニュアンスが消えてしまうし、「変化・変容」を意味するメタモルフォーゼスの変化後の姿なんだから、それをメタモと呼んでしまうのはいかがなものか。
せっかくの変化が台無しです。

単純に色名で呼ぶのはやめて欲しいです。

たとえばスポデューメン(リチア輝石)という鉱物があります。
色にはバリエーションがあり、ピンク~紫のものをクンツァイト、黄色いものをトライフェーン、黄緑~緑のものをヒデナイトと呼びます。透明なものやうっすら青いものもありますが、特別に名前はありません。
ところが、何を思ったかイエロー・クンツァイト、クリアー・クンツァイトと呼んでいることがあるから驚き。
イエロー・スポデューメン、クリアー・スポデューメンならわかりますが、クンツァイトと呼んではダメでしょう。

レッド・ベリルをレッド・エメラルド、ハウライトをハウライトトルコ・ホワイトと呼んだらおかしいですよね。(実例あり)

名前もやはり石の一部。
しっかり理解して使いたいものです。

私は、どう見るか?

なんだか、つい最近まで「寒っ!」と思っていたのに、気が付いたら春で、寒の戻りで桜が足踏みしていたはずが、気が付いたら散っていた。
足踏み→一気に加速……今年の春はそんなイメージです。

温かくなってきたら、ものづくり症候群にも火がついたようで、ただいまミシンを引っ張り出したり、針金をねじ曲げたり、いろいろ作っています。
一気に加速した春のあおりか、ワイヤー巻き巻き絶好調!

そんな折り、ふと見つけて「かわいい!」と飛びついた石。
gouveia

えー、店のラベルは「ピンクレムリアン・ジュエリーポイント」でした。
産地はGouvea, Minas Gerais, Brazil。ディアマンティーナの近くの街であるそうです。

ジュエリーポイントってなんじゃい。
初めて聞きます。並んでいた石は透明度が難く、きれいなポイントばかりでしたから、「ピンクのレムリアンシードの(とても)きれいなポイント」というような意味なんでしょう、きっと。

大きさは5センチちょっと。これでも並んでいた中では大きい部類に入ります。
多くは3~4センチのミニサイズで、しかし、透明度が高く、表面の酸化皮膜によって何ともかわいいピンク色。
色は決して濃くないのに、透明度が高いため結晶の向こう側の面の色と重なって、見る角度によって濃く見えたりします。
淡い重なりによって濃さを変えるピンクは、春の桜色。
小さいと言うことはワイヤー巻きペンダントにぴったり! 白いワイヤーで巻いてみよう!

……ということで買ったところで、考えなければならないことができました。
これはラベルではレムリアンシードということになってますが、私はこれをどう見よう?

ここでおさらいです。

レムリアンシードとは何か?

一言で言えば、レムリア人の魂または記憶・情報が宿る水晶ということになります。

もうちょっと詳しく述べますと、産地はブラジル、ミナスジェライス州。
白い砂状の鉱脈の中から、結晶が一本一本バラバラの状態で、まるで何者かが並べて埋めたような状態で発見されたことから、現地を視察したヒーラーが、(瞑想により)まるで、この場所は伝説のレムリアの遺跡のようだ、この水晶はレムリア人が新たな時代の「種」となるよう、メッセージを託して埋めた物に違いない……というイメージを得てレムリアンシードと名付けたものです。
その外見的特徴は、ほとんどがすっきりした細長い結晶で、一面おきの柱面にはっきりした横筋(レムリアン・リッジ)が見られ、表面がうっすらとしたピンク色になっている。

最初に見つかったのはブラジルで、すぐ後にロシア(ウラルのロシレム)、今ではコロンビアだのペルーだの、ザンビアだの、いろいろな産地の「レムリアンシード」が登場し、ブラジルでもその後ニュー・レムリアンだのレムリアンドリームシード、ヒーラーファントム、ルチル入り……などバリエーションが増えましたが、一番最初に登場したレムリアンシードの説明を、私なりにまとめると前述のようになります。
この程度のことは、調べればすぐに出てきます。

では、写真の石はレムリアンか。

産地はミナスジェライスだし、ピンクだし。横筋ははっきりしていないようだけれど、まあ、そんな物もあるでしょう。他の石では横筋が付いているのもあったし。
なんと言っても店はレムリアンシードと言っている。

ここで私はちょっと意地悪になります。

というのも、こういった「プレミア的名称」というのは、とかくルーズに適用されがちで、ひどいときには国産水晶の成長線(横筋)付きに、「レムリアンシードが出ています」という妙ちくりんな説明が付けられてしまう体たらくなので、ここはきっちり判断しなくてはなりますまい。

パワーがわかる人なら、「ん、レムリアの情報が入ってる」と一発判断できるんでしょうが、そんなことができるのはごく少数でしょうから、名付け親のヒーラー氏がインスピレーションを得た産地、ヒーラー氏の目をひいた水晶の外見的特徴、この二つの条件をクリアしたものなら、レムリアンシードといってもいいんじゃないか……そういう考えで話を進めます。

まず産地
ミナス・ジェライス……といいますが、ここは、実は日本よりも広いのです。
他にもインディゴ入り青水晶やスーパーセブンやローズ・クォーツの結晶や、いろいろ個性的な水晶がでます。あまりにも曖昧なのでもうちょっと産地を絞ります。

注目すべきは「白い砂状の鉱脈の中から」

聞いたところによると、これはコルヴィアル・デポジットと呼ばれる地層だそうです。
水晶は地中の岩の隙間のようなところに結晶します。水晶そのものは、風化に強い鉱物なのですが、長い年月を経るうちに、水晶が結晶した母岩の方が風化してしまい、砂のようになってしまったのがコルヴィアル・デポジット(崩積鉱床)だそうです。
結晶していた土台が崩れたため、元はクラスターであった水晶はバラバラになり、しかしあまり崩れすぎることなく元母岩の砂の中に埋もれた状態になった……レムリアンシードの発見状況はこのようなメカニズムによると考えられます。
「白い砂の中に並べられたように」という状況がヒーラーにレムリアの遺跡というインスピレーションを与えたのですから、レムリンシードには外見的特徴だけでなく産地も重要な要素であるといえるでしょう。
レムリアンシードは、「横筋」という外見的特徴ばかりが注目されますが、産出状況やその元となった産地を無視するわけにはいかないのです。

ならばその産地はミナスジェライス州の中で、コルヴィアル・デポジットがあるところ。
それは、ミナスジェライス州を南北に走るエスピニャッソ山脈から枝分かれしたカブラル山脈(Serra do Cabral)というところだそうです。

では、今回の水晶の産地Gouveaとはどこか。いろいろ調べてみたら、どうやらディアマンティーナ(Diamanatina)の南。カブラル山脈の親(?)山脈のエスピニャッソ山脈の範囲ではあるようですが、カブラル山脈ではない。

diamantina-gouveia.jpg


ただ、「白い砂状の地層」であるコルヴィアル・デポジットがあるのがカブラル山脈だけかという点は、確認のしようがありません。
水分を含んだ砂状の地層に落雷し、その痕跡を残した「ライトニング・クォーツ」はエスピニャッソ山脈で産出するそうです。こちらも「砂状の地層」ですから、白いかどうかはともかく、同じような産出状況があり得るかも。

……ということで、今度は水晶そのものを見てみます。

写真の石は、レムリアンと言われて頷いてしまいそうなうっすらピンク。
横筋はうっすらですが、はっきり付いているものもあります。
一面おきについているというこの横筋、実はちゃんと決まりがあるのをご存じでしょうか?

水晶の先端のとんがり部分には、六つの面があります。
この面を上から見た場合、

のようにすべてが均等な大きさであることは滅多になくて、たいてい

のように大きい面、小さい面が交互に連なります。
専門的にはこの大きい面を「r面」、小さい面を「z面」といいます。(図で言うと7と書いてあるのが面、3が面です)。別に「大面」「小面」でもいいんですが、ついでに覚えておくと、今後興味が出てもうちょっと専門的な説明を読むときに役立ちます。
この図も「ダウ」と呼ばれる特殊な物で、実際はこんな風にかっちり大小の面が出ていることも少ないのですが、結晶を上から見て一番目だって大きい面を「r面」とし、あと交互にr→z→r……としていけばいいです。

で、レムリアンシードの横筋、レムリアン・リッジは、z面、つまり小さい錐面から続く側面に出るのです。

 

……わかりますか?

再び写真の石に戻って確認です。横筋自体はっきりしないけれど、どうやら一面おきではなくすべての面に出ているようす。
他の石でも確認しましたが、大きい面(r面)から…レムリアンシードでは横筋が出ないはずの面にくっきり筋が出ているものがありました。

ということは、これはレムリアンシードとは結晶のタイプが違う

パワーでは判別できないので、それ以外、産地と外見的特徴をレムリアンシードの条件とするなら、私は、これをレムリアンシードとは言いがたい。
人情としては、かわいくてきれいなので、おまけでレムリアンにしたいですけど。

ちょっと意地悪気味に、「非・レムリアン」判定。
ごめんなさい。


最後に。水晶の柱面(側面)に出る横筋は、専門的には成長線とか条線と呼ばれます。
ヒーリングやパワーストーンの分野では、わかりやすく「バーコード」と呼んだりします。
レムリアンシードの場合は、大きな特徴でもあるので、特別に「レムリアン・リッジ」(リッジ:ridge=畝)と呼ばれます。

レムリアンシードはこのレムリアンリッジが目立つので、横筋があればレムリアンとしてしまうトンデモ説明があって困りもの。
すでに述べた「産地」「外見的特徴」の条件を備えた水晶(全体)がレムリアンシードであって、この横筋がレムリアンシードではありません。
横筋があればレムリアンシードというわけでもありません。

ですから、途中で述べた横筋付き水晶(←国産)に対して「レムリアンシードが出ています」という説明は、産地無視のうえ、レムリアンリッジ(横筋)をレムリアンシード(水晶全体)と勘違いしている、二重間違いです。


結晶洞窟

NHKの新番組「ワンダー×ワンダー」でやっていた、メキシコの巨大結晶洞窟、見ました。
巨大結晶の洞窟があるそうだ……という話と写真は、割と以前から知っていましたが、動画は初めて。

「結晶洞窟」は、たぶん英語では「クリスタル・ケイブ」で、そのためか初期は水晶だという情報が流れたものです。
その正体は、番組中でも言っていたように石膏(ジプサム)。
透明で美しいものはセレナイトといってもいいんじゃないでしょうか。

巨大結晶が林立する、あの空間!
石好き魂を揺さぶります。
でもそれは、「見たことない、信じられない!」ではなくて、いつもカメラのピントあわせと戦いつつ、根性マクロ撮影で見ていたあの空間が実物大!……という感動でした。
むしろ、そうそう! カメラで石を拡大すると、こんな感じなんだよね!……という感じ。
たぶん、石好きさんの多くは、石をルーペで見ながら「この中に入り込んでみたい……と思ったことがあるはずで、それが実現しちゃってる。

むしろ、目新しく身を乗り出したのは「温度」
特殊な冷却スーツと空気冷却装置なしでは入れず、その装備でさえ、一時間しか耐えられない高温空間。
そうなんだよ、石は、人の手の呼ばない地球の懐、高温の世界で成長したんだよ、と何度も頷いてしまいました。
結晶洞窟があるナイカ鉱山は、しばらくすると掘り尽くされ閉山になるそうで、閉山され、排水ポンプが留められると、地下水が再び上昇し結晶洞窟も水没するのだとか。
ちょっと残念なような、本来それがあるべき姿なんだから仕方がないというか……ちょっと複雑な気分です。

人間は、今や宇宙にまで進出していますが、意外に自分の足下……海の底や地の底は知らないことが多いのだと言います。
知らないと言うより、そこはまだ人の手が及ばない、人を拒む領域であるというか……石は、そこで生まれる。

色がきれい、形がおもしろい、あるいは○○という意味(パワー)がある、相性が、組み合わせが……普段そんな風に楽しんでいる石の多くは、人の手の及ばない、未知の、熱い世界で生まれたのです。
石は、イメージで楽しむことができるものであるけれど、人とはかけ離れたところで生まれた「物」でもある。

結晶を擁する洞窟の熱さを、ちょっと体験してみたいと思いました。

「マダム」な思い出

みっしりローズ

ローズ・クォーツの結晶です。……ということはブラジル産。
実は、アメリカやアフガニスタンでも結晶形のローズクォーツは出ますが、バリエーションと産出量ではやはりブラジル。

私の石はけっこう小さいものが多くて、それをマクロ撮影&デジカメ・マジックで大きく見せている場合が多いです。
しかし、この石は実物でも7センチほど。
ローズ・クォーツとしては破格に巨大

ローズ・クォーツの産出量は多くても結晶系は少なく、ほとんどが1センチ弱。一つの結晶(クラスター全体ではなく)が1センチを越えたら「大きい」部類に入るでしょう。
それが7センチ!

なにごと!

……実はちょっとトリックがあります。
確かに石全体の大きさは7センチくらいなんですが、芯までローズクォーツなのではなくて、母胎が淡いスモーキーで、その上に白濁したローズクォーツがみっしり結晶してるのです。
つまり、この石はローズの単結晶ではなくてクラスター、一つ一つのローズクォーツの結晶は小さく、その点では普通サイズというわけ。
母岩というか、母胎が大きな結晶のスモーキーなので、一見巨大なローズに見える変わり者です。

これは2008年の新宿ショーの戦利品。
さて、ミネラルショーはいろいろな業者が集い、さまざまな石を実際に見て、さわって選ぶことができる石好きの祭典。
うれしく楽しいことこの上なしなのですが、何しろ数が多いので目移りするし、見落としもあるし、良い石があるかもしれないけれど、無事にそれを見つけることができるかどうかはけっこう「運」「体力」かも。

「運」はいかんともしがたいので、あとは体力勝負とばかり、人ごみ・混雑・熱気も何のそのでとにかく会場をぐるぐるぐる……隅から隅までなめ回す意気込みで歩き倒し、眺め回し……そして見つけました。
場所は壁沿いのお店。通路沿いのケースでしたが、そこはひときわ通路の幅が狭く、なかなかじっくり見にくい場所。そのうえ、白熱球系の黄色い光の照明。
そのためでしょうか、こんな石なのに最終日の最終段階まで残っていたのです。

ブラジル産のローズは結晶形のものを産出しますが、残念ながら色は薄め。
この石も、実は写真のこの色が濃いめに写ってしまっているという、ほんのりローズ。
それが黄色い光に照らされていたため、一見ローズであるとはわかりませんでした。
周りにローズらしい形の石がいくつかあったため、
「ん? ローズ?(周りの石)……ということはこれもローズ!?」
……と気が付いた次第です。

お店の照明では何とも見にくいので、一応許可を得て手に取り……店から持ち出すわけにはいかないので、体は店の方に残したまま、腕を伸ばして黄色い光から出して確認しました。
(こういうことがあるので、白色LEDの小さなライトがあると便利です。)

結果、淡いとはいえピンク色。ローズの結晶。全体的な形もおもしろい。
でも、大きさが大きさなので即決できず、一度は戻して会場をさらにぐるぐるしつつ、何度もその店に戻っては「あ、まだ売れてない」……と、ながめておりました。
しかし、ミネラルショーはお祭りの場。
いよいよ終了が近、ここで買いそびれた石はもうお目にかかれない……と思うと、何とも言えずそわそわしてしまい、最終日も押し迫った頃合いを見計らい、ちょっぴりおまけしていただいて買ってしまったのでした。
海外業者から買ったので、国内業者で買うのに比べれば安いミネラルショー価格でした。

さて、「これください(日本語)」とお願いして会計をすませたときのこと、お店の人はにっこり笑って「グッドピース!……サンキュー。マダム」

うっひゃー、マ、マダムって!

歳はともかく、マダムって格好じゃないんですけど。
ある意味貴重な体験でした……。

みっしりローズ2

全方位

全方位

ブラジル産のファントム、ポリッシュのポイントです。
できれば非研磨でファントムがいいですが、なかなかきれいに見えるものは少ないので、どうしても磨きのものが多くなります。

……で、このファントム、

などと比べると、ちょっとぼんやりピンぼけ気味。(写真ではなくファントムが)

でも、このファントムがいいんですよね~。

なぜならば。例に出したようなきれいにファントムが見える石があったとします。

ファントム図

なぜきれいにファントムの重なりが見えるかというと、たいてい横から見るとこんな感じだから。

ファントム図横

ファントムが半分しかなくて、いわばファントムの「断面」が見えているからです。
ところが、今回の石は、半分ではなくて全部。

入れ子のようにファントムが重なっているので、結果としてピンぼけしているように見えてしまうのです。
でも、実物を見ると、かつての結晶の形が立体的に重なって、おもしろい&幻想的。
一重のファントムなら、かつての結晶の形全体がファントムになっているものがありますが、それが多重に重なるものは、意外に少ないかも?

ファントムと一口にいいますが、その見え方はいろいろ。見る方向できれいに見えたり見えなかったりもします。
成長するに連れて結晶の形が全く違っていたりします。
じっくり見てみるとおもしろい。



「私にしかできない」

先日の雑記には思いがけずたくさんのblog拍手をいただいて、うれしくもびっくりしています。
いつもいつも、勢いで書いてしまっているので、もうちょっと言葉を足しておこうかと思います。

「石のパワーを感じられない」→「だから選べない、自分に合う石がわからない」→「わかる人に選んで欲しい」
……そればかりではなくて、まずは感じてみようよ……と自他共に認めるパワーわからない人間である私は思うわけです。

この「感じる」は、パワーのあるなし、あるとしたらどんなパワーか……という難しいことではなくて、自分の心にどう響くか……わかりやすく言えば「その石が好き?」ということ。

わたしは、「石は楽しむもの」だと思うので、いくら立派な意味が付いていても、全然心惹かれない石を持つとか、逆にとても心惹かれる石なのに意味がいまいちで持つのをためらってしまう……というのでは、楽しくないので嫌です。

せっかくの石なのに、浄化だとか相性だとか……浄化や相性という考えが悪いのではなくて、それで楽しむのは大いにありだと思いますが、あまりに特別視しすぎ、神経質になりすぎて楽しめないのはこれもちょっと困ります。

「楽しい」は心で感じることです。
石のパワーは科学的に測定できるものではなくて、やはりこれも心で感じるものだと言えるでしょう。

だったら、自分がどう感じるか、あるいは、その石を前にして心がわくわくするかどうか、心の動きを無視するわけにはいかないです。
実は、ヒーリングやパワーストーンで効果があるというのは、このわくわく……リラックスしていながら活動的な心の状態をうまく利用するということであるかもしれません。

石にパワーがあるとしたら、その石を持ってわくわくする気分は、石のパワーを受け入れる「心の起動状態」でしょう。
ですから、「わからないから選べない、誰か選んで」……と、まるっきり人任せではもったいない
本に書いてある意味や、ヒーラーの意見を参考にしながら、どきどきわくわくと石を選ぶ。
それは本当に楽しいです。

そして……
どの石で自分の心が一番大きく動くのか。
それは、自分自身にしかわかりません。


たとえば。
モノリス

すでに一度登場しているライトニング・クォーツです。
ライトニング・クォーツといえば、落雷の痕跡を刻んだ水晶ですから、最大の特徴はその痕跡。
ですがこの石については、落雷痕だけでなく、内部のミスト(白い濁り)や、クラック(ひび)のようすが印象的で、いろいろあれこれ見所満載の石です。

根拠はないけれど、このミストやクラックのようすは、まるで空を切り裂く稲妻のよう。
もしかして落雷の電流が石の表面だけでなく石の内部も走り抜けていったのでは?……と想像をふくらませ、これは雷精宿るデヴィック・テンプルと言ってしまおう!などと考えます。

そしてこのたびは、落雷痕やミストやクラックでもなく、結晶表面の凹凸にフォーカス。
慎重に光に反射させてみると……おお、きれいではないか。
こうしてみると、まるでこの石はモノリス(何らかのメッセージを秘めた石碑)のよう……などとイメージしてわくわくと楽しみます。

このわくわくによって、この石は私にとっての「特別」になる、パワーストーン的に言えば、イメージによって私と石がつながるのだといえるかもしれません。

雷精が宿るとか、モノリスとか、それは私の印象で、私だけのもの。
他の誰かに代わりに感じてもらうわけにもいかないし、他の人の感じたものは「私の」感じたものではない。

つまり、
心で感じることは、誰かに代わってもらうことができない、
自分にしかできないこと。



当たり前といえば当たり前のことなんですが、当たり前すぎてわざわざ言われることもなく、そのために気が付いたら忘れられていた……そんな現象が起こっているような気がします。

石選びには自分の直感や好みもお忘れなく!




縁を結ぶ

モンゴル・ジャスパー


昨年末の池袋ショーで、思わずはまっていくつも買ってしまったモンゴルの砂漠磨きアゲートです。
「砂漠磨き」は「砂漠の砂で自然に磨かれたもの」だと聞いたので、私が勝手につけた名前です。
「アゲート」で売られていましたが、ご存じ、アゲートは微細な石英の粒が沈殿して固まったカルセドニーの中で、模様がきれい(で半透明)なものの別名です。
この石の場合は完全不透明なので、アゲートではなくてジャスパーと言うべきでしょう。
色合いは黒いと茶色。ちょうど「マホガニー・オブシディアン」の色合いに似ています。

この石は、箱にどさっと入れられていて、中には半透明で模様なしのカルセドニーと呼びたいもの、ちょっと模様が見えるのでアゲートと呼べそうなもの、この石のように不透明なジャスパー、白いもの、クリーム色のもの、黄色いもの……さまざまごった煮状態でした。

お店の人の話では、やはり色がきれいなもの、丸くてかわいいものが先に売れていく……とのことでしたが、何を隠そう、私が一番最初に選んだのは、黒くて不透明なこの石でした。
何が決め手だったかというと、まずは形。
人工的に磨いたタンブルは、強制的にごろごろかき混ぜ転がして磨くので、とがった部分はすべて削り落とされてしまい、よく見るタンブルのような丸い形になります。
その点、この石は砂に磨かれ角は丸くなっているけれど、全体的に角張った「石のかけらの形」。
あ、自然が磨いた形だなあ……と、素直に思えた形でした。

もう一つは、表面の波のような凸凹。
なぜこのような凸凹になっているかはわかりませんが、これは、この石が埋もれていた砂漠の風紋を彷彿とさせます。
産地にこだわる私は、石そのものの魅力はもちろん、そこから石をはぐくんだ場所へとイメージを広げるので、石を磨いた砂漠を思わせる表情は、心をくすぐるのです。

そんなわけで、黒いし、不透明だし、ごついし、一般的には人気ではなかったらしいこの石が、私の一番チョイスでした。

この石を見ながらふと思い出したことがあります。
ある石屋さんから聞いた話です。
「最近、自分で石を選べない人が増えているような気がする」……というのです。

曰く、自分は石のパワーなどが感じられないから、どんな石がいいのかわからない。どんな石が自分に合うのかわからない。わかる人に選んで欲しい……だそうで。

さらに聞いてみると、クリスタルヒーリングで、今よりももっと原石が人気だった頃はパワーがわかってもわからなくても「気になる」という理由で自ら石を選んでいる人が多かったのに、ブレスレットがはやりだしたら選べない、選んで欲しい……という人が増えたのだとか。

原石は一つ一つが個性的で、ブレスレットは複数の石を使うため、組み合わせの是非の問題や見た目のデザインが関わってきて、一概には比べられないと思うのですが、個人的には「本に書いてあった」「誰それがいいと言っていた」という理由や、石のそのものではなくて作った店や人が、ちょっとクローズアップされすぎかなあ……と思っています。

わかる人に選んでもらうことと、わからなくても自分で選ぶことと、どちらが優れているわけでも、どちらが正しいわけでもない。
しかし、最近はわかる人(店)に選んでもらって作ってもらうのがステイタス……という風潮が目立ちます。商業的にはそれがやりやすいのでしょうが、石好きサイドの意見としては、ブレスレットであっても、「他人がなんと言おうと私はこれが好き(気になる)」という、感覚チョイス ……そういう選び方がもっと重視されてもいいのではないかと思うのです。

私も、パワーは全くわからないですけど、石のパワーというのは本に書いてあるのがすべてではなくて、もっとパーソナルな側面もあると考えています。
「この石はいい!」と思った人だけに働く力、他の人には感じなくても選んだ人には感じる力。
石の力は「科学的には解明できない」ことになっていますから、何とも理由のつけようのない、「だけどこの石が気になる」「この石でなければダメだ」という感覚は、まさしく石のパワーではないでしょうか。

誰かが言ったことよりも、他人が選んだ石よりも、気になる石が一番自分に近いはず。
自ら選ぶ醍醐味、もっと楽しんでみませんか。

こつぶ紫

マラウィ・アメ「

スモーキー・アメジストです。
大きさは、1センチほど。ハーキマーのように柱面が短く、ころんとした感じのDT(両錐)で、濃い紫とスモーキーの色合いが、混ざり合っています。
よく見ると、ゲーサイトらしきものも内包されているようす。

大きさと形を別にすれば、色合いはまるでナミビア、ブランドバーグ産。
しかし、この水晶の産地は、マラウィ。
南アフリカ共和国の北側、アフリカの大地溝帯にある国です。

一時期、密かにマラウィ・ブームだった時期があり、そのころにいくつかスモーキーを手に入れましたが、アメジストはこれ一つ。
……というか、マラウィはスモーキーは見かけても、アメジストはあまり見かけないような気がします。

それにしても、濃くていい色!
これでもう少し大きければ(せめて3センチくらいあれば)言うことないのですが……。

さて、水晶の名称というのは、時とともに変化します。
それも、困ったことにルーズな方に。
ここで言う水晶の名称というのは、鉱物学的な正式名称でなく、「商品名」に近い俗称ですが、それでもあまりいい加減な使い方をするのは、混乱の元です。

たとえば、「ハーキマー・ダイヤモンド」
これはもともとアメリカ、ニューヨーク州のハーキマーで取れた、小粒で透明度が高く、照りに優れた水晶のことでした。
まるでダイヤモンドのようにキラキラ美しい!
……ということでハーキマー・ダイヤモンドの名称が使われるようになりました。その意味するところは「ハーキマー(地名)で採れたダイヤモンドのようにキラキラした水晶」ということです。
ところが、この名称はだんだんルーズに使われ始めます。

まず、同じ地区で採れたもっと大粒の水晶……これは透明キラキラではなくて、層状のスケルタルですが、採れたのがハーキマーだと言うことで、「ダイヤモンドのようにキラキラ」ではないのに、ハーキマーと呼ばれるようになりました。

その後、中国産やパキスタン産など小粒でDTの透明水晶が「ハーキマー」と呼ばれるようになりました。ハーキマーで採れたわけでもないのにハーキマー?
せめてハーキマー・タイプとして欲しいです。

これだけにとどまりません。
アメリカのアーカンソーで採れるハーキマーそっくりの水晶が「アーキマー」
パキスタン産のハーキマーそっくり水晶が「パキマー」
そんな、気の抜けるような名前までできているようす。

パワーストーンの分野でも問題が起きています。「某バイブル」の第2弾本では、産地に関係なく、スモーキーでも、アメジストでも「小粒で照りがよいDT」ならば、すべて「ハーキマー」。
大胆すぎ……。
たとえば、今回の写真のような石を、「アメジスト・ハーキマー」と呼び、ハーキマーとアメジストのパワーを併せ持つ……と説明するのです。

それでいいのか?

私にとってはハーキマー以外で採れたものはハーキマーではあり得ない。
「小粒で透明キラキラDT」に共通するパワーがあると言うなら、別の名前で呼んで欲しい。
名前をぞんざいに扱うのは賛成できません。


ひとこと言わせて、第2弾!

「ファーデンのクラスター、本当に少ないよね?(実は最近たくさん売られていたりして)」と検索してみたら、とんでもないものを目撃してしまいました。

まず、目に飛び込んできたのは「レムリアンシード(ファーデン)」の文字。

何!? レムリアンでファーデン!?
まさか、そんなものがあるわけない。
いや待て、ガネーシュ・ヒマールでファーデンがあったくらいだ。「絶対ない」とは言えないだろう。
いささか焦ってそのショップをクリックしてみると……。

出てきたのは、普通のレムリアンシード(うっすらピンク、ブラジル産)。

どこがファーデン!
ファーデン・クォーツというと、薄っぺらなタビュラー状のものが多いですが、中には板状結晶と言えないものもあったりします。
だから、見かけ普通の結晶でも結晶内部に斜めにファーデン・ラインが入っていて、よく見ればファーデンだった、というものもなきにしもあらず。

しかし、その詳細画像をじっくり見ても、ファーデン・ラインらしきものは見えません。
ちょっと周り(そのほかの品揃え)を見回してみると、他にもレムリアンシードで(ファーデン)と説明されているものがあったので、それもじっくり見てみましたが、やっぱりファーデン・ラインらしきものは見えません。
さらに様子を見てみると、結晶の剥離面を「セルフヒールド」、ちょっと長細ければ「レーザー」と言っているし、「小さなタビュラーがあります」という謎の説明も付いています。

タビュラーがありますって何だ?

用語説明集があったので覗いてみると、「結晶の板状の2つの面が重なり、先端は2つで、胴は合体し、その胴が段や線でかたどられたもの」……??? この説明でどういう形を思い浮かべます?

ついでにファーデンの説明を見てみると、これは意外に正解と言えば正解……ですが、どうも解釈がズレているような。
つまり、「白い糸に見えるものが内包されていればすべてファーデン」だと大胆解釈しているようなのです。
しかも、元に戻ってレムリアン(ファーデン)の説明を読むと、その「白い糸」というのは、レムリアンシードの写真で判断するかぎり、ふわっとたなびく筋状のミスト(白い濁り)のこと……らしい。

違うでしょう!

思わず叫んで、ハタと思い直しました。
ふつう、ファーデン・クォーツの説明は「水晶の内部に糸のような筋が通っている」などのようなものが多いです。
私も雑学辞典で「平板状の両錐結晶の真ん中に白い筋が入っているもの。ファーデンはドイツ語で「糸」の意味。と」書いてます。

実際にファーデン・クォーツを見てどのようなものかわかっていれば……あるいは、正しいファーデン・クォーツの写真につけられる説明としては、これで十分ですが、実物を知らない人が、「白い糸状ラインが入った水晶」という説明だけを文字通り解釈すれば、水晶の中に普通に見られるミストがたまたま細くすっと伸びたものもファーデンと勘違いしても不思議ではない。

だったら、「白い筋が入っていたらすべてファーデン」のような勘違いを防ぐためには、どのような説明をすれば良いだろう?
手持ちの、そして買わないまでもいろいろ見てみたファーデンを頭に思い描きつつ、

ファーデン・ラインと呼ばれる白い筋を挟んで両側に先端がある水晶のこと。平板状のものが多いが、中には平板ではないものもある。
ファーデン・ラインを芯に結晶が成長したものと思われ、単に白い筋が内包されているだけものはファーデンとは言わない。」

としてみました。
いかがでしょう?

水晶の中に白い筋ではなく、白い筋を中心に結晶が成長したもの。
そのため、平板状の水晶の中に白いラインというものだけでなく、見にくいけれど白い線から三方、四方に結晶が生えている立体的なものもあるのです。

あ、やっぱりファーデン、かなり好きかも。

追記:個人が、自分の買った石について、「一般的には○○だと言っているけど、これはファーデンと言ってもいいんじゃないか?」と個人的解釈をするのはもちろん自由です。
私もしょっちゅうやってます。
しかし、仮にもショップならば、タビュラーだ、ファーデンだと名前を付けて売ることで普通の水晶と差別化し、そのぶん価値をつけるなら、少なくともそれを見た大部分の人が、「なるほど、これはファーデンだ」と納得する形状のものをファーデンと呼ぶべきです。
個人ならば「初心者だから」「専門家ではないから」で許されても、ショップがそれでは困ります。





500円!

私は、自他共に認める「変な水晶好き」
「水晶と言えばこんな形」の範囲をはみ出した、へんてこな奴らが良いのです。
そんな中でも好きなタイプというのがありまして、たとえば、溶けた水晶が好き、インターフェレンスが好き、ワイルドなのが……変な水晶はワイルドなのが多いですが。

今日の石は、興味を持っていたけれど「特に好き」とまでは思っていなかったはずなのに、「実は私、この石がけっこう好きなんじゃないのか?」と思い直した、そんな石。

ファーデン・クラスター

ファーデン・クォーツ……のクラスター
普通にファーデンに見えますが、下を見えると少し母岩部分がくっついていて、そこからはっきりファーデンとわかる結晶が二つ、そのほかごちゃごちゃと生えています。
結晶の長さは6センチほど。母岩部分は4.5×3センチほど。

ときどき、結晶が2、3本束になっただけのものや、大きい結晶の側面に小さい結晶がくっついたもの、どう見ても単結晶としか思えないものまで「クラスター」と呼ばれているので(たぶん「クラスター」の名前で仕入れられたのをそのまま売っているのでしょう)、個人的に「母岩部分があるか、結晶がくっつき合って底面を作っているもの」をクラスターと呼ぶことにしています。
その個人的基準に照らしても、これは立派にクラスター。
ファーデン・クォーツは、分離単結晶が多いので、クラスターはややレアな部類に入ると思います。

実は、原石ワイヤー巻きのペンダントを作ろうと、石を探しにいった先で、とうていペンダントにはなり得ないこの石にフラフラ。
分離単結晶のファーデンでも、どうしてこんな形になったのか……? と不思議いっぱい興味津々。
それがクラスター!
ファーデンみたいな変な形の水晶が、母岩から生えているなんて、さらに変!

しかも、大きさも手頃だし、生えてるファーデンもピカピカ透明ではないけれどかなり立派。
しかもお値段500円♪
「良い石をお安く」という石好き精神にクリティカル・ヒット!
これは買いでしょう!

幻影の山

水晶峠

久しぶりに国産水晶で。
産地は山梨県の水晶峠
2センチちょっとの小さな石ですが、形が整っていて、透明度もほどほどにあり、そのうえなんとファントム入り。
ありがたい頂き物でございます。(ありがとうございました!)

日本語では、というか国内の鉱物好きさんのあいだでは、ファントムのことを「山入り」と言います。
かつての錐面のとんがりが石の中に見えるようすは、なるほど、山。

でも、写真の石のように石そのものが小さくて、しかもファントムがぼんやり丸っこいものも山?
いや、ファントム(お化け)というのも変ですが。

山入りでも、ファントムでも、見た目で付けられた名前は、石好き心で見れば「なるほど」とか「そうきたか」と納得することができ、そのネーミングセンスに共感します。
キャンドルクオーツとか、カクタス・クォーツ、クリスタルヒーリングの分野でもカテドラルなどは、とてもおもしろく良い名前だと思います。
……が、個人的に最近のヒーリング系の名前はちょっと……。

名前自体はかっこよくて、その点ではいいなと思うんですが、ブラジルの石にチベットの神様の名前(ブルーターラ・クォーツなど)、アフリカの石にインドのヨガの用語(クンダリニー・クォーツ)……となると、なぜ、どうしてその名前?……と、その疑問の方が先に立ちます。
しかも、どのような水晶をその名前で呼ぶかの説明がろくになく、こういう意味・パワーがありますという説明ばかりなあたりもちょっと不親切。(だから、石の雑学辞典でツッコミを入れるわけですが)

思えば、このタイプの名前の先駆けとなったのは、ロシレムではなかったでしょうか。
それまでの名前は、いきなりエジプトの女神の名前が出てきても、それはニューエイジのルーツにエジプトがあるからで、少なくとも五角形の面があるものがイシス、と、「こういう石」という説明がありました。
だけれども、ロシレムはブルーエンジェルが(ロシアなのになぜブルーでエンジェル?)とか、ウラルの女神(エンジェルなのに女神?)が、愛が、と、その説明はひどくイメージ的。
一つの鉱脈(鉱山?)で採れる石だけがロシレムだと言いながら、その詳しい場所は明らかになっていません。
出回った石をみれば、古びた風情、連打されたレコードキーパー、柱面のレムリアンリッジなど、いろいろ特徴があるようなのに、それを説明しているのはたいていショップ側で、ロシレムのおおもとの説明では、外見的な特徴はほとんど触れられていなかったように思います

一足先に世に出たレムリアンシード(ブラジル)も、レムリアの記憶とか何とか、イメージ的な説明がありましたが、だいたい産地が特定されていて、外観も説明され、発見されたようすがレムリアの遺跡っぽかったからという説明がありました。

スーパーセブンは、あの七つの条件がありますし、メロディ氏が名前を付けたものだけれど、メロディ氏以外のところも扱います。(そのせいで怪しいスーパーセブンも出回ります)

だけれどもロシレムは、「ウチが扱うものだけが正真正銘のロシレム!」と、ヒーラーが絡んで一社がほぼ独占。

このように、イメージ的なネーミングと説明が先行し、詳しい産地が明らかではないのに産地が限られ、ヒーラーが絡んで、特定のところが扱うものだけが「本物」と言われる。
アンダラしかり、アゼツライトしかり。
これらの流れは、今思えばロシレムのあたりからでは……?

それをとやかく言う資格はありませんが、できれば、「なるほど、だからこういう名前か」と、わかりやすい名前の方がありがたい。
さらには、ショップで名前で付加価値をつけようというのであれば、どのような石がどのような名前で呼ばれるか、ちゃんとわかって使って欲しいものです。
ろくろく説明もせずに、うちが扱うものだけが本物! という言い分には納得できません。
うちのが本物、他のは偽物。
石の力で言うなら、名前を付けた業者が扱ってもいなくても、「ロシレム」であればロシレムのパワーを持つはずです。
ならば、業者のお墨付き意外、産地や見かけの条件でロシレムは判別可能なはずです。
間違っても、名づけ業者が「うちのは本物!」といったからただの水晶がロシレムになるわけではないはずです。
そんなことだったら、いったいロシレムパワーってなんなのよということになりませんか。
本当は業者のネーミング戦略ですけれど、パワーストーンとして考えるなら、業者の「うちのは本物」に納得するわけにはいかないです。

先日、ネットショップで、どう見てもカテドラルとは言えないような石がカテドラルと呼ばれていて唖然。
ちょっと面が多い……エキストラ・ファセットが出ているだけなのに。
これは、強いて言うなら「ドフィーネ式双晶」。特にヒーリング系の名前はないと思います。



カテドラルは、大聖堂の建物っぽく見えるというのが名前の由来ですから、どの程度が大聖堂っぽいかは、人によって差があるとしても、



みたいなの(もっとすっきりしていた)は、大聖堂には見えないでしょう。

石を楽しむには「浄化しなければならない」「色が変わったのは何かの前触れか」と神経質になるよりは、おおらかに「きれい」と楽しんだ方がおもしろい。
でも、ちょっとは厳密になって欲しいところもあります。



ウロコ・ガネーシュ

キラキラ・ガネーシュ

キラキラ・ガネーシュ第2弾!
今度は透明バージョンです。

先日の「ビッグ・グリーン」ガネーシュは、緑泥まぶしのために表面がざらざら、きらきらの入り交じりモザイク状態になっていましたが、今回の石は透明です。

透明なのに表面全体がウロコのような無数の結晶面に覆われています。
こんなガネーシュも見たことないぞ!……と買ったのが1年ほど前。
そのころに、ほんの一時期、「あ、これは兄弟石(あるいは親戚石)」と思える、似たテクスチャの石を見かけましたが、すぐに見なくなってしまいました。

「エレスチャル」「エッチング」などいろいろ説明が付けられているのを見ましたが……実物をじっくり眺め、カメラのレンズ越しにアップにし、なかなか撮れずに長時間にらみつけていた結果から申しますと、エッチング(触像)ではない。
実は「エッチング(触像)」と説明されていても、実はそうではない石がけっこうあります。
どこがどのようにと言われても、言葉にしにくいのですが、溶けた水晶マイブームでいろいろ見るだけは見てしまったので、実物を前にすれば、何となくわかるようになりました。

では、エレスチャルか?
……エレスチャルとも言いがたい。
これも、エレスチャルとはこういう石、という確たる規定はあるようでないので、誰が見てもエレスチャルとは言えないだろう……とまでは言えませんが、「複数の結晶をごちゃっとひとかたまりにしたような」と形容するエレスチャルとはちょっと違うような。

それよりはやや形にまとまりがある……エレスチャルというより、カテドラルより。
全面がほぼ結晶面で、母岩に接触していた痕がありません。
部分的には角閃石かなにか柔らかいものに成長を邪魔されたような形状を示し……その割に表面にはその痕跡がない……実に奇妙な形をしています。

この石最大の特徴であり、魅力である無数の結晶面を写すため、光を反射させると、反射していないところは黒く沈み、反射したところはまさしくウロコのようにきらめいて、細かなディティールをはじき飛ばします。
これは難物!
写真ではさほどキラキラしているようには見えませんが、キラキラさせると、全体の形が見えません。
たぶん、今後も写真にチャレンジします。

ビッグ・グリーン

ビッグ・グリーン1

先だってのミネラル・ザ・ワールド in 横浜での最大戦利品。
ガネーシュ・ヒマールのクローライト・グリーンです。
重さは700g超。クローライト入りガネーシュとしては我が家で最大。
ヒマラヤ水晶としても一、二を争う大物です。(小さめ石が多いので)

ビッグ・グリーン2

クローライト入りでワイルドな大きめ石は、前から探していました。
クローライト入りガネーシュは見かけます。大きめ石も見かけます。
だけど、ここに加わる条件は「ワイルドで存在感あり」
ただ緑で大きければいいわけではない。

正直に言うと、とんがり系大ぶり石は黒いのがあるので、もっと複雑な形状か、クラスターっぽいのを思い描いていました。
しかし、この石。

グリーン3

シンプルな単結晶。表面はクローライトがたっぷりまぶされて全面ざらざら。
思い描いていたのとは違うけれど、この石。

イイ!!

その最大の良さを写すことができないのが、とてもくやしいんですが……。
この石、ミネラル・ザ・ワールド前に見つけていました。
表面がざらざらしていますが、完全マットではなく、つるつる面にクローライトが食い込み、光を反射する程度になめらかな、しかしとても小さな面が無数に集まったような状態になっています。
そのため、石を動かすと、この無数の面がそれぞれ光を反射し、一見マットに見える石の表面を、光の粒子のさざ波が動いていくように見えるのです。

店頭で……しかもこの石は玉石混淆の大箱に入っていたんですが……
「あ、でか緑」
と手に取ってみると、光のさざ波。
さらさら……とマットはずの石の表面に流れる光にクラクラクラ……ッ。

それでも、そのときはミネラル・ザ・ワールドが近いしと石を戻し、店を後にしました。そんな石に横浜で再会。
「あっ、あの石!」
この時点でほとんど陥落してますが、大きいし、相場からすれば破格とは言え、それなりの値段だし、と迷っていると、隣から
「いっちゃえ~」
「KUROさんが買わないなら、私が買います」
などと、逆・ささやき。
……負けました。

でも、しみじみ見ると、ただのとんがりよりも複雑な形だし、部分的に内部に「黒いクローライト」が入っているようす。

やっぱり、イイ!!

これだ! と、飛びつく思いで買った石は、後になっても手に取るたびにわくわくします。
わくわくするということは、心が活動的に、元気になると言うこと。
そういう石は、心のパワー・アップ・アイテムなのです。

わくわく。

きらり

ティアー・ドロップ

ブラジル産のスモーキーです。

母胎は、ミルキーに濁ったスモーキーその肩に、透明つやピカのスモーキーがちょこん。
そのコントラストが秀逸!

このようなコントラストのいしを「ティアー・ドロップ」と言うのだと聞いたことがありますが、そのときは「透明な水晶で教えてもらったので、水晶の場合も言えるのかどうか。

淡いスモーキー、淡いアメジストは黒い背景ではその色合いがうまくいかないので、あえて白い背景で撮りました。
ところが、つやピカ部分が予想以上に光を反射するので、あっち向きこっち向きと試行錯誤。
やっと不透明部分越しに撮って透明さとその形を浮き立たせることに成功しました。

いつもの写真とはちょっと違う感じでお気に入りです。

ワイルド・アクチノライト

ワイルド・アクチノ

ブラジルは、誰もが認める水晶の一大産地。
実にさまざまな形、色、内包物入りの水晶が産出します。
(中には、実物を目にしても「嘘!?」と叫んでしまうようなものもあります……本当に)
しかし、パキスタンやネパールでも、いろいろな水晶が出ます。
産地の広さを考えれば、そのバリエーションの広さは驚くべきものではないでしょうか。

写真の石はパキスタン産(もしかしたらアフガニスタンの可能性もあり)。
表面が磨りガラス状のうえ、白濁しているのではっきり見えませんが、灰緑色の太いアクチノライトががっちり内包されています。
アクチノライトと言えば、たいてい緑で、水晶内部に散らばるように縦横無尽に内包されていて、密度によっては水晶を緑に見せることがある鉱物です。
ところが、この水晶に内包されたアクチノライトは、太くて束状で、がっちりワイルド!
普通の(緑で細くて縦横無尽に内包されている)タイプも産出するのに、こういうタイプもあるとは!

水晶の中に銀色の霜柱が見えているような、よく見るとなかなかに美しくも神秘的な石ですが、残念なことに水晶の白濁が遠目には不透明でくすんだ石に見せてしまっているようです。
また、あまりに太いアクチノライトが内包されているために、アクチノライトの部分で水晶が折れてしまい、先端が欠け落ちた石も多々。

「よく見るといいんだけどな~」とぼやきながら、あれこれ手に取り、取捨選択し、やっと手頃な大きさでアクチノもばっちり内包されているものを探しました。
これで、水晶部分が透明なら……と思わないでもないですが、白濁した中に灰緑色(ほとんど銀色)のアクチノライトが入っていると、水晶全体が銀色に見えます。



頂き物♪

ジンカイトUSA

ひときわ地味~なこの石、先だってのミネラル・ザ・ワールド in 横浜でのいただきもの。
友人の石好きさんが連れて行ってくれた石屋さんが、
「在庫整理してたら古い石が出てきたから、好きなものがあったら持っていっていいよ」
と言ってくださったのです。

しかし、古いだけあってラベルと石がズレていそうなものもあり、古い=在庫=売れ残りでもあるわけで、色や形はとても地味。
「変な石好き」ではあるけれど、石選びの基本は「まず見かけ」なので、地味すぎる石はちょっと……。
そんな中で見つけました。

正確には「石」ではなくて「鉱物名」と「産地」に目をつけました。
この石は、ジップバッグに入っていて、石はほとんど見えず、まずは袋に書いてあった文字が目に入ったのです。

「Zincite ××× USA」

×××の部分は、手書き文字が達筆すぎて判読困難。
でも、ジンカイト(紅亜鉛鉱)であり、アメリカ産であるということです。

今現在ジンカイトを買うとなると、ほとんどがポーランド産。というか、私、ポーランド産しか見たことがありません。
で、ポーランド産ジンカイトは、亜鉛鉱山の火事によってできたとか、亜鉛の精製工場の煙突の中に結晶するとか言われる、人工的に作ろうとして作ったものではないけれど、人間が関わった環境下でできているらしい、いわば「半」人工石。

天然のジンカイトは、実は産地が限られる珍しめの石らしいのです。
今回見つけた石はUSA産。ポーランドじゃない。
じゃあ、これは天然ジンカイトじゃないか?

「これ、頂いていいですか?」
「いいよいいよ、何だったら他のも全部もってっていいよ」
「い、いや、置くところがないので、これだけで」
そんなやりとりの後にいただきました。ありがとうございます!

家に帰って袋から出してみると出てきたのは赤黒い「石ころ」。
でも、大きさの割にずしりと重い。
これが……天然ジンカイト?
さらに調べてニュージャージー産であることもわかりました……が。

ポーランド産と共通する点といったら、見た目よりも重いことだけ!
これ(↓)と同じ石なんて、信じられない感じです。



レッド・アベンチュリンとストロベリー・クォーツ

掲示板等で、時々質問をいただきます。
わかることであれば、もちろんご協力いたします。
たまに、「たぶん」「推理ですが」「個人的には」と前置きした上で、「間違っていたらどうしよう~」と冷や汗をかきながら書き込みすることもあります。
何にせよ、感想をいただくのはうれしいので、調子に乗ります(←のりやすい)。

で、今回別館サイトのWEB拍手のコメントにて、>チェリー・クォーツとストロベリー・クォーツの違いをご覧いただいた方から「レッドアベンチュリンとストロベリー・クォーツの違い」というお題をいただきました。

お題をいただいて、一瞬「?」
え~と~、違いを気にしなければならないほど似ていたっけ?
ハテと首をひねりかけて納得。
これがネット上のやりとりの怖いところ。言葉だけのやりとりなので私が「レッド・アベンチュリン」と思っている石と、書き込みくださった方の「レッド・アベンチュリン」は違っていたようです。

私がまず思い描いたのはこちら

画像検索すると、こんな感じの……あるいはもうちょっとオレンジの、どちらかというとカーネリアンとの違いを気にしなければならないような石がヒットします。
これだとしたら、ストロベリー・クォーツとは似ていません。

たぶん、お題でいただいたのはこっちでは?
 
「おお、これは間違えそうだ」というきれいなものを持っていないので、何ですが、「マスコバイト」とか「アフリカン・ストロベリー」の名前で見かける石です。
そういえば、レッド・アベンチュリンの名前が付いていたこともあったような、なかったような。

さて、最初に同じ名前で自分と相手が思い描く石が違っていた(たぶん)……ということがあったので、ちょっと慎重にいきましょう。
これは、名前が示す石を正しく理解しておかないと、こんがらかる問題なのです。

まず、アベンチュリンという石です。和名は砂金石
本来はヘマタイトなどの小片がたくさん内包され、和名の通り砂金を振りまいたようにキラキラしている水晶のことでした。よって「砂金水晶」の呼び方もあります。
今現在「アベンチュリン」と呼ばれている石は、ビーズだったり磨きのハートやルース、丸玉など加工されているものばかり。天然の結晶では見かけませんね?
でも、「水晶」という説明があるように、以前は結晶形のアベンチュリンが存在したようです。
こちらに写真が掲載されています。こういうの、欲しいなあ~。

それとともに、雲母やパイライトを含んでキラキラしているクォーツァイト(石英が風化して細かい砂になったものが堆積して再結晶した岩石:珪岩)もアベンチュリンと呼ばれました。
  

ところが、結晶の形をしたもともとのアベンチュリンは産出しなくなり、クォーツァイトに雲母入りの緑の石がアベンチュリンの代表選手、アベンチュリンと言えば緑の石……のようになってしまい、それどころか、同じような場所で採れて緑ではあるけれど、全くキラキラしていない石までアベンチュリンと呼ばれるようになったから、さあ大変。

アベンチュリンというのは、「アベンチュレッセンス」を示す水晶という意味。
では、アベンチュレッセンスとはどういうことを意味するかと言えば、キラキラ、ラメラメ効果のこと。
なんたって、これ(↓)から生まれた言葉なんですから。

 

ゴールド・サンドストーンブルー・サンドストーンです。
茶色や紺の地に銅の細かいつぶつぶがキラキラ散っているガラスです。
時に、アベンチュリンを模倣してこのガラスが作られたと説明されていることがありますが、実は
ガラスの中に誤って銅を落としてしまったら、できちゃった……という偶発事故で生まれたキラキラガラスに似ている天然石だから、アベンチュリン。
aventurineを自動翻訳すると「アベンチュリン・ガラス」と訳されることがあるのはそのためです。アベンチュリンとはイタリア語の"a ventura" (偶然に)に由来します。
そして、石のキラキラ効果をアベンチュレッセンスと言うようになりました。

名前のもとになったガラスを見てもわかるように、アベンチュリンはキラキラの石。
キラキラしてなきゃ、アベンチュリンとは言えない。

だから、最初のオレンジ色の「レッド・アベンチュリン」は、正しくはアベンチュリンではないのです。
画像検索して出てくるカーネリアンと間違えそうなビーズも、厳密にはアベンチュリンと言えない。

では、もうひつとつの「レッド・アベンチュリン」は?
最初の「全くキラキラなし」の石にくらべれば、中に赤いものがたくさん入っています。
これは、アベンチュリンと言えるのか? それともストロベリー?
普通の(カザフスタン産などの)ストロベリーとどう違う?

「個人的見解ですが」と前置きした上で、順番にまとめてみたいと思います。
前置きするのは、「これこれこういう石がストロベリー・クォーツです」という公式な規定はどこにもないからです。習慣的に見た目かわいい苺のような赤い水晶が「ストロベリー」と呼ばれているだけであって、どこ産であろうが、中に何が入っていようが、「かわいい苺のような赤い水晶」ならストロベリーといっても間違いない。

ところが、「かわいい」「苺のような赤」の水晶は産出量が多くはなく、そのためにどう見てもかわいくない、苺のような赤でもない水晶が「ストロベリー」と呼ばれ、ストロベリーの名前が付くから高く売られていくという事態が起きています。
当然、そんな「売らんかな」根性はうれしくありません。ですから店がつける「ストロベリー」の名称は、一端脇に置いておいて、「これならかわいい苺」といえるものをストロベリーと呼ぼうと考え、それをまとめると産地としてはカザフスタンかメキシコ、最近インドもがんばっているぞ。内包物はゲーサイト。ゲーサイトとレピドクロサイトは見た目では見分けが付かないと言われているけれど、レピドクロサイトを含めると、茶色っぽくて苺じゃないのが多いから、一応細くて繊細なゲーサイト入りということに。
……と、いろいろ幅がある説明を、一番納得できる形にまとめ直し、それで判断しよう。
だから「個人的見解」です。

まず、これはアベンチュリンといえるのか。
厳しくいいましょう。これ(↓)はアベンチュリンとは言いがたい。

理由は、中に赤いものが入っているけど、キラキラではないから。
もう一方も、大変微妙なんですが、アベンチュリンとは言いがたい……というか、言いたくない。


なぜなら、おそらく同じ種類の石できちんとキラキラしているのがあるからです。

これは、「マスコバイト」と呼ばれていたので、おそらく内包されているのは白雲母(赤いけど)なんでしょう。ただし、アベンチュリンと言うからには「内包物でキラキラの水晶または石英質の石」であるはずで、本当に石英が含まれているよね?……という点がいまいち確信が持てず。

2番目。「ストロベリー・クォーツといえるか?」
これは、「アフリカン・ストロベリー」については可能性があるといいましょうか。
すでに言ったとおりストロベリー・クォーツの第一条件は「かわいい赤」
さざれ状の方は、色が黒っぽくて「かわいい」というにはちょっと厳しい。一方アフリカン・ストロベリーの方は、写真の石はかわいいかかわいくないかは微妙ですが、「これならストロベリーでもOK」と言えるほど、かわいらしい色のものを見かけたことがあります。
この種類だから……というのではなくて、インド産水晶がそうであるように、「中にはストロベリーと呼んでもいいようなものもある」ということ。

3番目。「普通のストロベリーとどこが違うか」
ここでもう一度、普通のストロベリーというのは、カザフスタン産の(メキシコ産のはとても少ない)ストロベリー・クォーツだとはっきりさせておきます。

違いは並べてみるとわかります。
 

左のカザフスタン産は、内包物が細い針状。針と言うほど鋭くないですが、細くて繊細な内包物です。
右のアフリカン・ストロベリーの方は、細かい粒状。最初に出したさざれのタイプでは、不定形の薄い破片状です。
「これならストロベリーと呼んでもOK!」と思ったビーズも、細かい粒状の内包物でした。

このように、内包物の形状が違います。

また、内包状態も違います。
カザフスタン産の方は、細い内包物が結晶の中心から外側に放射状に内包されています。比較的表層付近だけで、ファントム状になっている場合もあります。(ビーズに加工されると見にくいですが)
もちろん、結晶形の原石があります。

一方のアフリカンの方は、内包物が粒状なので放射状にはなりません。全体に散らばるように内包され、ファントムになっていたりはしないようです。
ビーズなどばかりで、原石を見かけません。

また、同じビーズに磨いた場合でもアフリカンの方は、やや表面のつやが鈍く感じるものがあるような気がします。磨きの甘さかもしれませんが、もしかしたらアフリカンの方は石英(水晶)ではなくてクォーツァイトかも。
クォーツァイトは、砂状の石英が堆積して再結晶した、「つぶつぶ構造の石」なので、もともとの粒が粗い場合、磨いても微妙に凸凹することがあるようなのです。割れた面ではそれがさらに顕著で、水晶とカルセドニーを区別する場合にもチェックされます。

……と内包物の形、内包状態、結晶形の原石の有無などいろいろ違いがあります。
なるべく写真で比べてみましたが、実物を見るとさらに違いがわかります。
石の区別をするには、なるべく実物を見て、さわって覚えることをおすすめします。

金霞

アストロフィライト入り

パキスタン産のアストロフィライト&エジリン入り水晶です。
ちまたでは、「ザギ・マウンテン・クォーツ」とか呼ばれていることがありますが、この石の産地はそこまで詳しくわかっていないので、ザギ・マウンテンとは言わないでおきます。

この石を買ったとき、ファーデン・クォーツやハーキマー・タイプの水晶などもどっと入荷していて、すべてまとめて「ワジリスタン産」と言われました。
ワジリスタンは地域の名前。産地がワジリスタンだとすると、以前ザギマウンテンってどこだ?……と疑問に思い、割り出した場所よりやや南のエリアになります。
地図にするとこんな感じ。

ワジリスタン地図

ヒマラヤ水晶のように、産出場所を問う石が好きであるため、一応は産地を地図上で知っておきたい私。特にパキスタンはヒマラヤにも絡むため、チェックはかかせません。
今回のワジリスタンはヒマラヤ山脈から大きくはずれています。
ヒマラヤ水晶にパキスタン産があるからと言っても、じゃあこれもヒマラヤ水晶ね♪ と言うわけにはいきません。

ザギマウンテンを探した時にネタにした石はアフガニスタン産でしたし、今回の石はワジリスタン。
ザギマウンテン産として見かけるアストロフィライト&エジリン入り水晶は、ザギマウンテンだけでなく、ある程度広い産地でも見つかるようです。
遠くはパキスタン北部、フンザからもエジリン入りで、ザギマウンテン産によく似た水晶が出ています。

この、フンザ産の石のおかげで、今回の写真にも見える、黒く太い針状の内包物が、ショール)黒トルマリン)ではなくエジリンであるとわかりました。
見分け方は結晶の厚み。トルマリンは断面が丸に近く厚みがありますが、エジリンは薄っぺらな感じです。

もう一つの内包物、写真では金色の霞のように見える繊維状のものは、ある説明ではルチル、ザギマウンテン産ではアストロフィライトでした。
ルチルにしては細かすぎ、細かく縮れすぎているように見える。金属光沢とまではいかないけれど繊維一本一本に見える輝きは、角閃石ともちょっと違うような……?
かといってアストロフィライトがこのように水晶内に内包されるものだろうか。
ロシア産の単体アストロフィライトしか見たことがなかったため、こちらの内包物は長らく「見解保留」でした。

ところが、2008年末に「アストロフィライト入り水晶」のルースを見かけました。産地はアフガニスタンでもパキスタンでもなく日本。パワーストーン系の店ではありません。
そして見かけはそっくりとはいきませんでしたが、繊維状でした。

このように全く毛色が違うお店で同じ情報が出ると、信憑性が高いです。
これで同じパワーストーン系で同じ産地の石の情報だと、卸元の説明がコピーされ、それが間違っていると間違いの拡大再生産がおこってしまうので、気をつけなくてはなりません。

よって、鑑別に出したわけではありませんが、この繊維状内包物がアストロフィライトである可能性が高くなりました。

なにぶん私は素人なので、「これは何だ」という石がたくさんあります。
そのような場合「鑑別に出せば?」と言われますが、お金がかかる話なので、「わかりませ~ん、見てください~」と気軽に出すわけにもいかないし、「わからない→鑑別」では、再びわからない石が出てきたときも、見分ける術がないままです。

それよりも、時間がかかるかもしれないけれど、間違いもあるだろうけれど、「これはちょっとルチルっぽくない」などのようにわずかな差を見るコツをつかみ、「もしかしてこれ?」と見当をつけるくらいはできるようになった方が、断然楽しい。
機会を捉えて詳しい人に見ていただくにしても、「わからない」よりも「もしかして○○石でしょうか?」と聞く方がおもしろいし、「どうやって見分けるのか」「見分けるポイントはどこか」を聞いたときも、頭に入りやすいと思います。
プロフィール

KURO@虚空座標

Author:KURO@虚空座標
水晶好き、ものづくり好き、石の写真好き。
石好きのきっかけはパワーストーンですが、現在は鉱物としても興味を持っている中間派。
石に関するあれこれいろいろ、気の向くままに書いてみます。

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