またもや
フェイクな石ビーズを見つけちゃいました。
買ったのは
前と同じ店。
いや~、あるんだなあ、こういうフェイクなビーズ!
ある意味おもしろい……というか、今までそんなに見かけなかったように思うんですけど、たまたま私が出入りする店では出会わなかっただけ?
石ビーズといってもほぼ雑貨店から、ビーズの卸っぽい店、鉱物と共存店などいろいろで、所によっては予想以上にフェイクが多いとか……?
とにかく、見つけちゃったのはこのビーズ。
人工マラカイト。マラカイトでフェイクがあるのか、と
逆に感心しました。
実はブレスにマラカイトを使ったことがないので、マラカイトのビーズを持ってないんですが、一応磨きのマラカイトパーツを並べてみます。

違いは、
(1)縞模様が粗くて均一すぎる
(2)やや色が浅く(色の濃い淡いの差が少ない)、わずかに青っぽい
(3)つや消し
(4)軽い
(5)手ざわりが違う順番に説明します。
(1)縞模様が粗くて均一すぎる
これは、実際にマラカイトのビーズを連で見てみるとわかるんですが、たいてい粒によって縞模様の入っている方向がバラバラです。
ものすごく細かい縞模様の所もあれば間隔が開いているところもあり、複数の粒があって全部同じ方向、同じような縞の幅ということは滅多にありません。

このように一つの縞の中がグラデーションになっていたり、 縞模様も真っすぐではありません。
これに比べると「人工マラカイト」の縞模様が粗くて均一で安っぽく見えることがわかります。
(2)やや色が浅く(色の濃い淡いの差が少ない)、わずかに青っぽいこれも上の二つの写真を見比べてください。なるべく実物に近いように調整してあります。
どちらも言葉で説明すれば緑で縞々ですが、ドーナツ型の本物マラカイトの方は、濃い緑からパステルグリーンに近い色調があり、濃淡の幅が広いです。
それに比べると「人工マラカイト」は濃い薄いの色の差がさほど大きくありませんし、濃淡二色しか見られません。
色合いもわずかに青みがかった緑です。
(3)つや消しこれは、天然マラカイトであっても磨き方やしばらく身に着けることで表面が荒れるとつや消しになる場合があるので、参考までに。
つや消し……というか、「人工マラカイト」はきめが粗くて粉っぽい感じの質感に思えます。
おそらく何らかの粉を練って作ったのではないかと思われます。
以前に話題に出した
練りターコイズもそうですが、人工的に粉末を練って作ったフェイクは、粉っぽいつや消しのテクスチャーをしていることが多いようです。
そして……たぶん、マラカイトの粉末を使ったわけではないでしょう。
(4)軽いマラカイトは銅の鉱物なので、見かけよりもずっしり重いです。
それに比べて「人工マラカイト」は軽いです。
マラカイトの粉末から作った練りだったら、もうちょっと重くなりそうな気がするので、マラカイトの粉末さえ使ってないのではないかと考えた次第。使っているとしたら「つなぎ」がかなり多いのでしょう。
(5)手ざわりが違う軽いのに加えて、手ざわりが何となくプラスチックっぽい。
石の手ざわりではありません。
……以前「アマゾナイトカラー・ビーズ」と表示されたプラスチック・ビーズを見たことがあります。
それは手芸店のプラスチックビーズコーナーでした。
「アマゾナイトカラーって……」
石好きさんにはわかるだろうけれど、それ以外の手芸好きさんにはわかりにくいネーミングだなあ……とびっくりしましたが、たぶん誰が見てもこれを「アマゾナイトの偽物!」とは言わないでしょう。
(注:色はそれらしいパステルブルー・グリーンでした)
今回の「人工マラカイト」も、そういう手芸店で「マラカイト風グリーン・ビーズ」とか、そんな名前で売られていたら、「ふーん」とか「ちょっとかわいい」くらいですまされていたでしょう。
私としては「えっ、本物? フェイク?」と迷うほど似てないと思いますし、売っている店が一応天然石ビーズコーナーだったために、「人工か……」と白い目で見られてしまったかわいそうなビーズに思えてきました。
もう一つ。
練りクリソコラこっちは、人工マラカイトに比べて、実物クリソコラ(ビーズ)に似ています。
こうやって写真に撮ると、さらに似て見えてしまって「ヤだなあ……」という感じ。
でも、実物を見せられたら(一つではなく複数個で)、さすがに「?」と思うでしょう。
正直言うと「練りクリソコラ」なんてものがあると知らなかったので、「染め?」「何か変」という「?」だったかもしれません。
とにもかくにも、「練り」と明記されたこれを見たので、次からはちゃんとフェイクを疑います。
マラカイトの方が「人工」で、こっちが「練り」。その違いは何だ……?というのも気にあるところではあるのですが、この石の変なところはずばり
「混ざりすぎ」かも。
先ほど実物クリソコラ(ビーズ)と、わざわざ(ビーズ)と付けましたが、この練りクリソコラが何に似ているかと言えば、原石ではなくビーズで見られる「クリソコラ」だからです。
先日来話題に出ているように、クリソコラはわずかに緑がかった水色の石。
ところがビーズの場合はその色「だけ」のものはほとんど無くて、緑(多分マラカイト?)や茶色(母岩)と混じった状態です。
このビーズも茶色(黒っぽく見えてます)や緑、水色~青の色合いが混じってます。
どっちも混じりビーズなので、困ったことに似て見えます。
練り系のフェイク・ビーズは粉末を樹脂で練るらしく、樹脂っぽい手ざわりが特徴でもあるんですが、困ったことに天然のクリソコラは、そのままではもろいため樹脂を染みこませて強化してます。
そのため、表面のツヤ、手ざわりも似てきます。
しか~し。
やっぱり違うぞ、練り!
私がここが違うぞと思った点は、
(1)嫌~な感じに微妙にハデ
(2)茶色い部分まで同じ質感
(3)全部が同じざらざら(1)嫌~な感じに微妙にハデ全体的には派手なビーズではありません。そこが逆にリアルっぽくって迷惑なんですが。
ただ、じっくり見ると混ざってる青緑の部分の色合いとか、ちょっろっと混じる黄緑っぽい部分とかが妙に生々しくて、嫌な感じにハデ。
これは、見慣れないと判別は難しいかも……
(2)茶色い部分まで同じ質感
(3)全部が同じざらざら
これは一緒に説明します。
ビーズのクリソコラに混じる茶色い部分は母岩です。
つまり、クリソコラとは別の石。
ですから、連全部の粒をチェックすると、茶色と水色の間にわずかな隙間や段差があったり、クリソコラ部分はなめらかなのに、茶色部分はざらざらしていたり、似ている粒もあるかもしれないけれど、必ず質感が違う茶色が混じるはずなのです。
たとえばフェイクが多いターコイズも、母岩(マトリクス)の部分とターコイズの部分の質感の違いがチェックポイントの一つであると言います。
何しろ他の石なので、硬さも微妙に違うことがあり、同じように削ると削れ方が違ってくるのだそうです。
しかるに「練りクリソコラ」は一見混じっているように見えるけれど、青い部分も緑の部分も茶色~黒の部分も同じ質感、境目なし。すべての粒がそんな感じ。
異なる石が混じったのではなく、同じ素材の色違いが錬られた感じなのです。
また、茶色以外の部分を見てみても、本物クリソコラならばざらざらして見える部分もあるけれど、密でかっちりした質感の部分も混じります。
連全体で見れば絶対そういう部分があるはずです。
それが、「練り」にはなくて、全部が同じざらざらとした粒の固まりのような感じ。

逆に練りの「アズライト・マラカイト(アズマラカイト)」は質感が違いすぎ、混ざり方がおおざっぱすぎです。
ご覧のように青い部分は細かい粒々が錬られた感じですが、緑のマラカイト部分はかっちりくっきり四角い破片状。縞模様も見えていますが、隣り合った破片同士縞模様がつながっているようではありません。
おまけに破片の大きさ、散らばりかたが明らかに嘘っぽく揃っています。
そんな混ざり方は、天然ではあり得ない
さて、今、欲しいフェイク・ビーズは
「スギライト」。
チャロアイトと言った方がまだしも似ているぞ、といいたいあやしげな石です。
最近、この「
なんちゃってスギライト」の正体が
サーペンティンだとわかったので、じっくり見てみたいし、色落ちも試してみたい。
「人工マラカイト」を見つけたとき、別の店で粒売りのなんちゃってスギライトを見かけたんですが、フェイクのくせに一粒600円以上していて唖然としました。
(参考:海外サイト:http://www.hetties.co.nz/shop/page.php?page=20)
素人には石の真贋を見分けるのは難しい…………という意見がありますが、私は「専門家」でなければ……専門的な技術や知識がなければ見分けられないとわけではないと思ってます。
「見分けられない」というのは、多分に「知らないから」です。
二つを並べて「こことここがこう違う」と指摘されれば、たいてい「なるほど」と区別が付けられます。
その程度の判別眼で、ある程度のフェイクをはじくことができます。
大切なのは、偽物の存在と「見分けるポイント」「どう違うか」をいかに知るかということ。
こればかりは情報収集と慣れしかないです。
私も、こうやって機会があればフェイクを買ってさわりまくり、その違いを身に染みこませようとしてます。
知らないというのは、たまたま情報に接する機会がなかったと言うだけで、仕方がないことなんですが、フェイクがあるとわかってもその見分け方がわからないために、むやみに「これは?」と自分の石を疑ってしまうのは悲しいので、とにかく自分なりに見分け方を発信中。
こういう情報が、役に立てばよいのですが……。