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レムリアンシードとブラジル式双晶(覚書)

以前、「水晶の柱面にホログラムのように出るレコードキーパー」の質問をいただいたことがあります。

その時載せた写真がこれです。





レコードキーパーというと、水晶の錐面に見られる凸状の(ほとんど凹凸はわかりませんが)の三角(△)のことで、鉱物学的には成長丘という、水晶がどんどん成長していくときに現れる表情のことです。
水晶が、何らかの情報(記録)を内部に秘めている、その証である……というイメージにより、ニューエイジ的にレコードキーパーという名前がついています。
その記録とは、アトランティスの情報である……そうですが、その真偽はともかく、レコードキーパーというのは成長丘のことなので、柱面に現れるこの△がレコードキーパーと言えるのかどうかは微妙です。

質問では、インドのクル産の水晶にこのような三角形が見られるのだが、こういうものはよくあるものだろうか、というものでした。
この時、私は「(クル産のものは見たことがないけれど)この△、私が持っている石にたまたま見えるのではなく、レムリアンシードでは時々見かけます。
だから、何か理由があってできるもののはずなんですが、そのメカニズムは不明です。」
と書きました。

このたび、そのメカニズムというか、これがなんなのかにつながる情報を見つけたので、覚書。

こちら(海外サイト・ページ真ん中やや下あたり)
によると、どうも、ブラジル式双晶に現れるもの……みたいです。

ブラジル式双晶というのは、一見一つの結晶のように見えながら実は二つの結晶が重なって結晶しているもので、その中でも右水晶と左水晶がかさなっているものです。


見分け方としては、ひとつおきの柱面の両肩にx面が出ている……というのが代表的ですが、困ったことにこういう面がわかりやすく出ている結晶は意外に少ないです。
「ホログラムみたいな△」が表れている水晶(レムリアンシード)はこれなんですが、ブラジル式双晶らしいx面は全く見えていません。

もともと英語が得意ではないうえ、鉱物の話となるとさらにややこしくって、ちゃんと理解できているか心配ではあるのですが、これがブラジル式双晶ゆかりのものだとしたら、面白いし、新たな見分け方ということに。

でも……国内サイトではこういう話を見かけないような……。
ここあったよ、とご存知の方、教えてください!

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いくつのXとS。

あれ? この石、すでに出したっけ?
出してるような気もするけれど、画像の中に見当たらない。
出していたら(再録)ってことで。

とるねーど

買った時期は別だけれど、こちらと同じ種類の石です。

先日は、水晶の右と左の話題のために「ちょっと変わった面を持つ水晶」とさらっと流してしまいましたが、今日はその変わった面をご紹介。

変わった面というのは……、まさしく、この水晶「面」が変わっているのです。
右水晶左水晶のところでも話に出ましたが、水晶は、先端の6つの錐面と側面の6つの柱面の間に、小さな面が表れることがあります。
これらの面は、専門的にはX面とかS面と呼ばれます。


水晶の形に付けられたヒーリングの名前で、
ウィンドウとか

傾きによってタイムリンクやパスト・タイムリンクと呼ばれるのは、S面です。
 

では、今回の水晶に、S面、x面が表れているのがお分かりでしょうか?

え? わからない?

出てますってば……いっぱい。

とるねーど2

上と同じ画像に、色を塗ってみました。
オレンジ色に塗った部分が、S面、x面らしいのです。

上の画像ももう一度。

とるねーど

いったい、オレンジの部分がすべて一つの面としてカウントされるのか、うっすら筋がついて見えるので、そこで区切って複数の面としてカウントされるのかさえわかりませんが、なんじゃこりゃあ! と叫びたいあたりまで面が続いています。

まるで柱面のエッジを面取りしようとして失敗したかのような状態なので、
「これは人工的に削ったものだ!」
……と言った人もいたとかいないとか。

もちろん、この様子は加工されたものではありません。
以前、こんなにへんてこな面がたくさんある水晶として、結晶図までついて売られていたのを見たことがあります。
その時に説明付きで買っておけばよかった!
最初に見かけたのはとても小さな結晶で、興味をひかれなくてスルーしてしまい、後で大きめのこの石を買って、詳しく知りたくなっても後の祭り。詳細が出てこない……。

一つ二つの結晶がたまたまこんなことになったのではなくて、どうやら同じ産地でまとまって出ているようなので、これは、何らかの原因でヘンテコなs面x面を持つにいたった、ヘンテコ水晶なのです。
そのへんてこメカニズムが知りたいぞー!

この水晶、一面置きに釘で突っついたような痕があり、それを条件として「スターシード」の名前で売られていることもありますが、見どころは突っつき模様ではなくて、この面でしょう!

右が左で、左が右で。

con-twin

ブラジル産の淡いめスモーキーです。
実は、ちょっと変わった面を持つ、こちらの石と同じ仲間なんですが、2本がぴったりくっついているせいで、この石らしいへんてこさはあまり見られません。

なのになぜこの石を選んだかというと、この石が「左水晶」だったから。
(正確に言うと、自分で見分けたのではなくて「左水晶」とラベルがついていたから)です。

えーと、順番に言うと、水晶には右と左があります。

水晶の右左

水晶の基本は先端の斜めの面(錐面)6つと側面(柱面)6つ。両端がとがっている両錐(DT)の場合は、さらに斜めの面(錐面)が6つ。
ところが、これらの面以外にも錐面と柱面の間に小さな面(図で黄色く色がついている部分)が表れることがあり、それを上から見ると右や左に回転しているように見えます。
この様子で区別して、右水晶、左水晶と呼びます。

ところが、ややっこしいのはここから。

水晶は二酸化珪素という成分が規則正しく組み合わさって(結晶して)できています。
この組み合わさり方は螺旋を描いていて、その螺旋の向きにも右回り、左回りがあったのです。

しかも。
外見で水晶と名付けられた結晶の螺旋の向きは
水晶の結晶の螺旋の向きは


名前と結晶の構造がになってました。

さらにさらに。
右水晶左水晶(外見で付けた名前)は、結晶の形で見分けます。
(手がかりとなる面がきれいに表れてなくて、見分けられないものも多いですが)
丸く磨いてしまうと、形では見分けられなくなります。

それを見分ける方法があるんですねえ……。

下図のように偏光板と雲母板というもので水晶玉を挟み、くるくるまわして方向を調整すると、あら不思議、淡い虹色の渦巻き(エアリー・スパイラル)が見えてきます。
雲母板

この渦巻きが左回転のものは左水晶
左渦巻
右回転のものは右水晶です。
右渦巻

たとえば蚊取り線香をひっくり返したら渦巻は逆になりますが、この渦巻きは、逆から見ても右水晶は右回転、左水晶は左回転で変わりません。

上の図は、イラストなので見かけが正しくありません。詳しくは写真入りのこちら(参考サイト様)をぜひどうぞ。

つまり、
外見の水晶は、エアリー・スパイラルも螺旋、だけど結晶構造は螺旋。
外見の水晶は、エアリー・スパイラルも螺旋、だけど結晶構造は螺旋。

ややこしいにもほどがあるのでご注意を!

え~、こんな専門的なこと、どうだっていいじゃない。
……とお思いですか?

いやいや、そうも言ってられないんですよ。
……というのは、最近、パワーストーンの質問でこの説明をする機会が連続してあったのです。

その質問というのが、
「右回り、左回りの水晶を一緒に持つといいと聞いたが本当か」
「左回りの水晶を持つとよくない、右まわりの水晶がいいと聞いたが……」
というもの。
両方持つというならにはさほど影響しませんが、「右回りがいい、左回りはよくない」という時に困ります。

この右回り、左回りは、外見の名前の右水晶なのか? 
それとも結晶構造の螺旋の向きのことなのか?

名前と構造が逆なので、いったいどっちのことを言っているのかはっきりしてもらわないと、気にしたあげく逆のものを持ってしまうことにもなりかねません。

そのためには、まず、水晶には右水晶と左水晶というのがあって、でも結晶の構造が逆で……ということを知らないと、いったい何が何やらで、無用な心配をすることになっちゃいます。

しかも「左回りの水晶を置くと店がつぶれる」とか言う話も出たらしくて。
突然、こんなことを言われたら、びっくりしちゃいますよね。

だが、しか~し。

心配する前にこういうことも知っておいてください。

まず、水晶は必ず右水晶か左水晶です。どちらでもないというのはありません。
(一見一つに見えて実は二つの結晶が重なっているという「双晶」というものがあり、これは右と右、左と左、右と左が重なっているものがあります)
右左の割合は、ほぼ半々と言われていますから、「左水晶はよくない」というなら、水晶の半分はよくないものになっちゃいます。そんなことがあるものか。

人工水晶と言われるもので、水晶を溶かして固めた「練り水晶」は、水晶とは名ばかりのガラスですから、結晶していません。だから結晶の形も持たないし、構造も螺旋ではなく右も左もありません。
しかし、水晶と同じ成分を人工的に結晶させた「合成水晶」は螺旋の構造を持ちます。そして、規格の関係ですべて右水晶と決まっています。つまり、結晶の螺旋の向きは左螺旋。

この合成水晶は、時計をはじめ、携帯電話やパソコンなど、実に様々な電気製品に使われています。
そのため、自然界では左右半々なのに、合成水晶のために身の回りの水晶の割合が右水晶に傾きすぎてしまっているので、左水晶を持つといいそうだ……という話は聞いたことがあります。(イメージ的な話ですが)


で、「良くない」という「左回りの水晶」がもし、結晶構造が左螺旋のものを言っているのだとしたら……。
今日び、パソコンを置いていない店なんてないでしょうし、最低でも店に時計の一つや二つはあるでしょう。
ということは、その中に右水晶(左螺旋)が入ってます。
「左回りの水晶はよくない、置くと店がつぶれる」なんて言うなら、ありとあらゆる店はとっくの昔に潰れてますって。

ということで、右回り、左回りの水晶は……と言う話を聞いたら、すかさず、
「右水晶・左水晶という意味ですか? それとも結晶構造の螺旋の向きですか」
と確認しましょう。
それにこたえられないようなら、そんな話は信じるに値しません。

もし、結晶の向きの左で、右水晶が良くないという話なら、

「合成水晶は全部右ですが、大丈夫ですか」
「右水晶と左水晶が重なっているブラジル式水晶はどうでしょう」
「右と右が重なったドフィーネ式双晶はさらに悪いんですか? それともマイナス×マイナスで逆にいいってことになるんですか?」
「透明水晶ならともかく、丸く磨いたモリオンなどは左右が確認しにくいと思うんですが、大丈夫ですか?」

ガンガン突っ込んで確認しまくってください。

で、その結果をぜひ教えてください!
楽しみにお待ちしております♪



これぞサラード

これぞ、サラード!
……と言いたいのが今回の石。

「サラード」という名前を初めて聞いたころに買った石です。
2つ(汗)買って、一つはすでに登場していましたが、これは2つめ。

サラード2nd
横に寝かせて、錐面側から採りました。

柱面の溶け具合と対照的に、水面のエッジ(面と面の合わせ目)がシャープであること、錐面から石の内部がクリアに見える透明感……錐面が溶けていないことがお分かりいただけるかと思います。

横から見るとこんな感じ。
サラード2nd2

柱面の、なんともすごい溶けっぷり。
溶け水晶には、縮緬じわみたいに溶けたり、
縮緬溶け
スポンジみたいに溶けたり、
スポンジ溶け
ぐにゃぐにゃだったり、
グニャグニャ溶け
溶けてとがる部分が出てきても、結晶の方向と同じ場合もあるのに、
パキ溶け
これは、結晶の方向と垂直にとんがり。

このとんがりは溶けてできたものですが、これがこのとんがりから新たに成長を始めているように見えたためにサラード「再生」という名前がついたのでしょうか。

初期の、こういう「サラード」を見ていると、「触像水晶」=「サラード」と、簡単に言ってしまいたくなくなるんですよねー。

いったい、サラードという名前は誰が付けたんだろう?
ヒーラーのネーミングじゃなくて、現地の人が付けたあだ名なんだろうか。





石で干支

今日は、ドラゴンブラッドジャスパーでブレスを作っていました。
そこでハタと気が付きました。
来年は辰年! ちょっと気が早いけどぴったり(笑)。


ところで最近はいろんなものに石があてはめられていて、誕生石ならぬ干支石というのもあるそうで。
誰がどんな基準で決めているのか知りませんが、この干支にはこの石やこの石、というのがあるんですねえ。
干支石、まとめています

それでいくと、辰年はカーネリアンやガーネットやサンストーンだそうで……。
ドラゴンブラッドジャスパーが入っていたら、楽しいのに。

う~む、名前で干支の石を選んでみたらどうなるだろう。

……?

……ブルズ(牡牛)・アイということでレッドタイガーアイ

……迷うことなくタイガー・アイ

……染めピンクのタイガーアイにラビット・アイの名前がついていたけど、
   タイガーアイ族にウサちゃんの名前はふさわしくないので……。
   「ラビット・ヘアー」?

……ドラゴンブラッドジャスパー、ドラゴンアイ、
   シナバー入り水晶もドラゴンブラッドの名前があったんじゃなかったっけ?
   ひび入れカルセドニーが「龍紋」だし。

……ずばり、サーペンティン。ニュージェイドでなくて蛇っぽいもの希望。

……銅抜きターコイズともいうべき「ホワイトバッファロー」の鉄が多いものを
   「ワイルドホース」と言ったはず。

……和田(ホータン)の羊脂玉!

……?

……鶏冠石(リアルガー)? ビーズにはならないなあ……。
   そういえばバードアイ・アゲートというのがあったっけ。

……ドッグトゥース・カルサイト……ビーズならドッグトゥース・アメジスト。
   シェブロン・アメジストとかケープアメジストと言われているアレです。
   ちょっとひねってダルメシアン・ジャスパーとか。

……?

子、申、亥の石、何かないかな~?

その名前。

しょくぞう・さんかく2

ブラジル産の触像水晶です。
水晶らしいシャープな形とは違い、エッジ(面と面の合わせ目)が溶け、波打ち、どこか生き物めいた姿になったその様子。
好みがが分かれるとは思いますが、私はこの生き物めいた様子が好きなのです。

ところで、この水晶は、「サラード」という名前で売られていました。

サラードとは何か。

この名前の水晶との出会いは、2007年冬の池袋ショー。
そのときは、ポルトガル語で「浄化された」という意味だと聞いたんですが、のちに綴りも違い「復活・再生」「再生された」という意味であることがわかりました。

その後も、大々的に出回ることはなく、最初に見かけたお店か、ネットショップで細々と見かける程度です。
この少なさがあだとなっているのか、サラードっていったい何、どういう水晶を指して言っているのか……という点がややあいまいです。

ネットなどで見かけた情報をざっくりまとめると、ひとこと「触像水晶である」……ということになるんですが、触像水晶ならばもっと以前からあるのに、途中からなぜ「サラード」と呼ぶことになってしまったのかがわかりません。

私は、名前がつくということは、他とは際立って違う「何か」があり、そのために、名前で区別されるのだ……と考えています。
その考えでいくと、触像水晶は以前から出回っていた。そこにサラード呼ばれるものがあらわれた。ならばサラードは触像水晶の中でも他とは際立って違う「何か」があるはずだ。ということになります。

その点、最初に見かけたサラードは溶けていることと同時にみずみずしい圧倒的な透明感が強い印象をもたらしたので、
その石の特徴
◇圧倒的な透明感
◇溶けたことによる、濡れたようなつやがある
◇蝕像水晶なのに、錐面が無傷(ふつう、溶けるなら錐面の角が溶ける)
◇柱面だけが溶けている。

……がサラードの条件ではないかと考えたのですが、その後サラードとして売られている石を見ていると、この条件に合わないものも多い……というか、合わないものがほとんど。

条件と考えてみたけれど、私の勝手な思い込みで、サラードというのは、触像水晶の別名みたいなものなのか……と残念に思っていたところに、今回の石。

抜群の透明感(そのために背景の黒が透けて見えすぎて暗く写ってしまう)、濡れたような艶。

久々に、サラードの第一印象の石!
うわーい!
……と、飛びついてみたんですが。

これは、錐面が立派に溶けている。
トライゴーニックが表れているのが、その証拠。

これをサラードと言ってしまうと、透明水晶にトライゴーニックが出ているものはすべてサラードなのか?ということになってしまう。(トライゴーニックは色や透明度にかかわらず出てもおかしくないけれど、トライゴーニックの名前で売られているのは、透明なものが多い)

悩んだ末に、画像にはサラードではなくトライゴーニックと入れました。

とはいえ、この石はこの石で素敵なのです。

しょくぞう・さんかく

迫力のトライゴーニック!

この面は程よく溶けていて、さわると何ともなめら名で手触りが抜群なのです。

これとほぼ同じ大きさ、同じようにトライゴーニックが出ている石があったのですが、あまりの気持ちよさに、

手触りがいい

という理由で選んでしまいました。

やっぱりルチルが先か。

レッドルチルファントム

ブラジル産の磨きのポイントです。
磨いてあるわりに透明度が低いな……と思ってみてみたら、ファントムが入っていました。

さらによく見ると、レッド・ルチルも入ってます。
しかもファントムを貫いて。

こういうものは、水晶が結晶してから内部で成長したり、外から中へ食い込んでいったり、まさか人工的に入れたりすることはできないので、水晶が結晶するよりも前にルチルが結晶していて、それを呑み込むようにあとから水晶が結晶したということになるはずです。

水晶は、長い時間をかけて成長したと言われます。
でも、そんな長い時間がかかっていたら、糸より細いルチルがこんなふうにふわふわ内包されるものだろうか。
水晶は、地下深くの熱水の中で成長しますから、この細いルチルも、熱水の中でふわふわしているのはわかるとしても、水晶がじんわりじんわり成長していく間に、熱水の流れが変わったりしたらルチルが途中でかくっと曲がったりしてしまうんじゃないだろうか。(それとも、こんなに細くても硬くて曲がらないのか)
……と不思議ではあったんですが、

このようにファントムを貫くように内包されているのを見ると、やっぱりルチルの方が先にあって、水晶が徐々に大きくなる間も、ふわふわしてたんだろうなあ……と再確認。

もしかして、天然の水晶は、意外に早く結晶したんじゃないかしらん?
よく何億年もかけて……なんて言われますが、(天然の)水晶が現在進行形で結晶している現場を見たことがある人はいないし、天然水晶の成長速度を測った人もいないはず。
合成水晶は数十日~数か月だそうですが、天然の水晶も場合によってはそれくらい早かったりして。

さて、今回の水晶、向かって左側に何やら茶色く色づいた窪みがあります。

ここは……こうなってます。
in


窪みの中には、水晶の先端の一部が。

どうやら、成長していく途中で、結晶の一部に不純物の塊がくっつき、そこが成長できないまま大きくなり、後でその不純物が取れてしまって、成長できなかった部分が見えている……と言う状態のようです。

つまり、これはファントムの一部。


槍出せ、角出せ、ファイナル

槍出せ、角出せ、へんてこアメジスト。なんと第5弾、そしてファイナル。

槍角

一番複雑な形で、一番写真に撮りにくい。(そのうち、もう一度取り直したい)

例によってどっちが上だかよくわからないんですが、逆さにした方が、その複雑っぷりがよくわかるかも。

槍角2

えーと、細い軸が途中から太くなったセプターが2本。
さらにかぶさるようにやや茶色がかった(たぶん微細なゲーサイトによる色?)部分が結晶していて、この部分によって、セプター2本がくっついた状態になっています。
それでも十分複雑ですが、小さなセプター状態のアメジストがもう一本途中から斜めにくっついている。そのために細い服の部分が枝分かれしたような、変なことになっています。

このようなセプターは、
だんだんせぷたー1
最初に細い結晶が成長し

だんだんせぷたー2
その根元の方が泥などに覆われてしまい、びっしり泥に覆われてしまうとその部分は成長できないけれど、

だんだんせぷたー3
泥から突き出た先端部分だけが成長したのだと考えられているようです。(うっすら泥に覆われていても隙間ができていればそこから成長できるらしい)

だんだんせぷたー4
しかし、今回の石では、さらにもう1回くらい、さらに泥に覆われて、先端部分だけがもう一段成長している感じ。

だんだんセプター5
その後、根元を覆っていた泥がなくなってしまうと、へんてこセプター登場!……形を見て考えると、そういうことになるんですけど、なんだか出来すぎという感じもします。

2枚目の逆向きにした写真では、向かって右側のとがったところに、錐面らしきところが見えるので、細い方が軸だったとも限りません。
やっぱりヘンテコアメジスト。
掘り出したときの様子が見たい。







長石ぐるぐる

だんだんタイトルが怪しくなってまいりました。
いや、正直に付けたんですよ。長石って、だんだんわからなくなって頭の中がぐーるぐる。
実は旧ブログで2004年に長石のことを取り上げたことがあるんですが、見直してみたらたいして中身は進展してない。
(図だけは多くなってる)

今回は、私の「わからん!」にお付き合いいただいて、頭ぐーるぐるいたしましょう。

考えてみるのはムーンストーン
これまで取り上げてきたアルバイトだのオーソクレースだのマイクロクリンだのと言った名前は、成分と結晶系でどう呼ぶかが決まる、鉱物名
対してムーンストーンは、見かけが関係してくる宝石名

繰り返しになりますが、ムーンストーンというのは何かというのを詳しく(難しく)言うと、
「重要な正長石の宝石で正長石と斜長石系列の端成分であるアルバイトとの層状組織による光の干渉効果と散乱によって青色~白色のシラー(閃光)を示すもの」
でした。
何度読んでも、む、難しい……と後ずさりしてしまいそうですが、
例の三角形図を思い出してください。



正長石というのはこの図の上の緑の頂点(図ではカリ長石になってますが)に位置する長石のこと。
アルバイトは左端の水色の頂点に位置する長石です。
ということは、ムーンストーンはこの間の中間種に現れるものなのです。

……ところが、この図では略してますが、ここにはいくつもの長石が入ってます。
つまり、見た目重視でムーンストーンと呼ばれる石は、鉱物としてみると別の名前で呼ばれる、ちょっとずつ違う長石である可能性があるということ。

例の大きい図を引き出してみます。長石大3

今回は、ムーンストーンになると言われている(実際見たことないのも含む)長石には水色の月マーク月マークを、
ムーンストーンに似たようすになるけど、ムーンストンとは区別すべしといわれているものには紫の月マーク月マーク2を、
ついでにサンストーンになると言われているものには太陽マーク太陽マークを付けました。


さて、長石はいろいろ混じって中間種が山ほどできると紹介しました。
図でいうところのアルバイト~アノーサイトの間の中間種は、二つの長石が絵の具のようにいろんな割合で混じって中間種(固溶体)ができますが、アルバイト~オーソクレース(正長石・カリ長石)の間の中間種は、ちょっと違います。
高温である間は混ざっているんですが、温度が下がってくると水と油みたいに分離してしまい、二つの長石が交互に重なった層状構造になってしまうんです。
※鉱物で層状構造になっていることをラメラといい、層の厚みが肉眼~光学顕微鏡で見える程度のものをパーサイト、電子顕微鏡でないと見えないものをクリプトパーサイトというそうです。

図にしてみるとこんな感じ。
ムーン断面図1

実際の層の厚みはものすごく細かくて、とても目では見えませんが、カボションカット(底面が平らで上が丸みを帯びた形)にされた場合の中の層の向きはこんな感じ。カボションカットの断面図だと考えてください。
アルバイトとオーソクレースが交互に重なった層で光が反射・拡散して、あの「月光のような」ぼおっとした光方をするのだそうです。

ムーンストーンには白っぽい光のものと青く光る「ブルームーンストーン」がありますが、この光方の違いにも層が関係しています。
層が薄い場合は、光がレイリー散乱という散らばり方をして青く、
層が厚い場合は、光がミー散乱という散らばり方をして白くなるのだそうです。

光がどんなふうに反射・拡散するとああなるのかという説明も見かけたことは見かけたんですが、私自身が理解しているとは思えないので、ここではパス!

さてさて、ムーンストーンというのかアルバイトとオーソクレースがミルクレープ状になっていて……ならば、ムーンストーン似ているレインボームーンストーン(ラブラドライト)やペリステライトはどうなのか。

ここらへんから、私の頭のぐるぐる加減は回転速度を増してきます。

最初にざくっと言ってしまうと、ラブラドライトもペリステライトも層状構造で、ああいう光方をするそうなんですよ。
……が、その層がどうなっているのか、説明を読んでもわからない!

層になってるというのはわかる。わからないのは層の中身と層のようす。

まず、ラブラドライト。
ここらへんは、新しい50%ルールの分け方で言うと、本当に訳が分からなくなるので、かつての分け方でいきます。

ちょいとおさらいしますと、アルバイト(曹長石・Naが多い)を青い絵の具、アノーサイト(灰長石・Caが多い)を赤の絵の具とすると、この二つの長石はいろんな割合でまじりあい(固溶体)、赤っぽい紫や青っぽい紫にあたる中間種がグラデーション状態でたくさんできます。この紫グラデーションの中間種を斜長石(プラジオクレース)グループと呼びます。
斜長石グループを赤(アルバイト)と青(アノーサイト)の割合でいくつかに区切ってつけた名前の一つがラブラドライト。
色の例で言えば、赤青半々よりちょっぴり青よりの紫です。

この混ざっているのを固溶体というんですが、本当は単に混ざるというのとはちょっと違います。
これも説明し始めると、ややこしいんですが、混ざると言った場合には、たとえば赤と青の小さなビーズを一つの器に入れてかき混ぜても「混ざる」です。
この「混ざる」は、根性で選別すれば分離可能。
対して、絵の具の場合は混ぜてしまったら分離できません。
つまり、混ざると言った場合は、時に分離可能な状態を含むけど、固溶体の場合は分けられない……そういうイメージです。

……ということは、ラブラドライトの層というのは、赤青の絵の具が混じったちょっと青より紫の状態で層になっているのか?
プラジオ断面

というか、ムーンストーンのときみたいに、冷めると分離するから層になるというのならわかるけれど、混じってる状態のものが、どうして層になるのか。

かと思うと、ラブラドライトも2層のラメラ(層状構造)になっていて、それはアンデシンとカルシックラブラドライト(たぶん、カルシウム多めのラブラドライト?)であると説明しているところもあります。
http://www.cgl.co.jp/latest_jewel/gemmy/128/index.html

つまりこういうこと。
らぶらど層

これならばムーンストーンと同じで、層になるのが納得できそうですけど、二つに分かれて層になっていたら固溶体とは言わないんじゃないか。
そもそもアルバイト50~30%、アノーサイト50~70%のものをラブラドライトだといっているのだから、そこにアルバイト70~50%、アノーサイト30~50%のアンデシンが混じっているというなら、アルバイト・アノーサイトの割合ってどうカウントするんでしょう?

というか、ムーンストーンみたいに端成分(三角形の頂点に位置する長石)の二つに分離するならなるほどですけど、アンデシンとラブラドライトというちょっと違いの二つに分かれるというのは、何とも中途半端に思えます。

分離して2層になったとして、一方は月光のようなぼおっとした輝きのムーンストーン、一方は虹色ぎらぎらのラブラドライト。
この違いはどういうことでおこっているのか。

私の理解では、ムーンストーンは光の散乱……空が青く見えるのと同じ仕組み、、ラブラドライトは光の干渉……シャボン玉の虹色と同じ仕組みということなんですが、それが同じ層状構造のどんな違いで現れているのか、理解できていません。

これは、ペリステライトも同じこと。
ペリステライトは、三角形のNa頂点に位置するアルバイト(曹長石)の変種ということになるらしいのですが、このムーンストーンそっくりの輝きは、アルバイトとそのお隣のオリゴクレースのラメラによるものだというのです。

ペリステ断面

ペリステライトが斜長石にはいるなら、ラブラドライトと疑問は同じ。
しかもラブラドライトと同じ仲間の長石で、同じ層状なのにどうしてああまでムーンストーンそっくさんなのか、不思議です。

しかも。
ここに50%ルールの分け方を当てはめると、ラブラドライトは、ラブラドライトとアンデシンの間に50%ラインがあるので、微妙な差だけれど(新)アルバイトと(新)アノーサイトがラメラ(層状構造)になっていると言えますけど、ペリステライトの場合は、オリゴクレースもアルバイトとみなされるので、アルバイトがアルバイトとアルバイトに分離して層に……?

いや、斜長石グループそのものがなくなったんだからペリステライトもオリゴクレースもアンデシンもラブラドライトもないわけで、だったら、ラブラドレッセンスやペリステリスムをどう説明するんだろうか。

考えるほどにわからなーい!
どっか根本的なところで理解に穴が開いてるんでしょうか。
頭ぐるぐるです。

その時間

長石は一回お休み。

すでに登場している天珠です。



最近、これを糸魚川翡翠のビーズに合わせてブレスレットにして愛用してるんですが(やっぱり気に入ったものは気に入った石に合わせたい)、身に着けてみて、初めて分かったことがあります。

まず、この天珠、ぐるり一周見てみると、半分半分で質感が違っています。

上の写真で写したのの反対側はこんなふう。
オールド2

古びた風情ではありますが、しわというか、彫りが深いというか、ガサガサした感じ(手触りはガサガサした感じではないんですが)。
ストライプ模様もはっきりしています。

同じ大きさの写真で比べてみます。
オールド2 オールド1

写真では逆にわかりにくいんですが、左の方の写真は質感ガサガサ風、模様くっきり。
右側は模様は暗め、いわゆる風化紋はあるけれど、左に比べると滑らかな感じ。一番上の写真に写っている、一か所欠けた部分の縁も滑らかです。

で、この天珠をブレスレットにして、身に着けてみたところ、右側の、暗めなめらかな方がいつも肌に触れていることがわかりました。

ゴムブレスをしている人ならわかると思うんですが、ブレスレットは着けはずししたり、腕を動かしたりするたびに手首の上で転がるように動き、ビーズは回転しています。
そのためにロードクロサイトなどの汗に弱い石は、まんべんなく肌に触れて、全体的に艶消しになったりします。
ところが、この天珠は内部の穴の形状によるものなのか、ころころまんべんなく転がるというよりは、一定の面が肌に触れている状態で安定する形になっているようなのです。
ためしに逆に直してみても、しばらくして気が付くと、模様暗め・滑らか面が肌に触れる状態になっている。

……ということは、模様が暗めでなめらか……というのは、肌や服に触れ続けて、磨かれたためではないか。
天珠、つまりカルセドニーは、肌や服よりずっと硬い、石としてもそこそこひっかき傷に強い鉱物ですが、それでも長い年月のうちには、すり減ります。

天珠では、そういったすり減り……特に、穴に通した紐によってこすれた穴回り使用痕が年代ものかどうかを判断する手がかりになってます。



もちろん、天珠の方が紐よりずっと硬いですが、紐を取り替え取り替え使われてきた、それくらい長い時間を経たもの、ということです。
今回の天珠は、半ばで折れているうえ、折れ口と穴回りを後で磨いてしまっているらしく、穴回りの使用痕は確認できません。
しかし、なぜかいつも肌に触れている方が滑らかになっているということは、これも使用痕ではないか。
チベットに於いて、天珠はブレスレットではなくネックレスにして身に着けられていたようですから、肌ではなくて衣服に触れていたのだとしても、触れていなかった方がざらつくほどに風化し、触れていた方が滑らかになる、それほどの時間を経てきたのでしょうか。

だったらいいな。


長石ぞくぞく

またしても同じ図。
それなりに手間がかっているので有効利用しなくちゃ♪

長石大2

さて、三角形の図のK(カリウム)の頂点から始めた長石グループのいろいろ、Na頂点のアルバイト(曹長石)のところから再開、方向を変えてCa頂点のアノーサイト(灰長石)へ向かいます。
とはいえ、ここらへんはアンデシンとラブラドライトでやっちゃったので、簡単に。
例の50%ルール導入によりアルバイトとアノーサイトの間の中間種を指す斜長石グループの名前も、その間の数々の名前もきれいさっぱりなくなりましたが、逆にその方が大雑把すぎて不便だと思うので、慣れ親しんだ旧名称でいってみます。



スタートはアルバイト(曹長石)。Naを含む長石です。
ただしアルバイトそのものは、ごろんとした白くて四角い石が多いためか、板状に結晶した変種であるクリーブランダイトの方が多く紹介されてます。
私も、もしかしたら持っている石の母岩あたりにアルバイトのものがあったりするかもしれないけれど、とてもとてもわからなくて、わかるとしたらクリーブランダイト。
クリーブランダイト クリーブランダイト

ムーンストーンに激似のペリステライトもアルバイトの変種あるいは亜種ということになる様子。
(変種と亜種の違いってなんだろう?)


おとなり、ほとんどアルバイト、ちょっぴりアノーサイトのオリゴクレース(灰曹長石)
これも、持ってないなあ……と思っていたら、オレゴンサンストーンがそうだとのこと。
(※ラブラドライトだという説もあり)
宝石名で売られている方が見た目に目立つので、そちらの方で買ってしまい、実はなんだかわかっていなかった……ということでオリゴクレース(たぶん)。オリゴクレースに微細な銅のキラキラが入ったものがオレゴンサンストーンです。
おれごん

そのお隣、さらに灰長石が多くなったのがアンデシン(中性長石)
これはすでに登場済。
 

ここで新しい分け方の50%ラインがやってきます。
つまり新しい分け方ではオリゴクレースとアンデシンがアルバイトと言われるようになってます。

このラインを越えて、アノーサイト(灰長石)の割合が半分を超えるために、アノーサイトと言われてしまうのが、まずラブラドライト(曹灰長石)
 

さらに灰長石に近づくとバイトウナイト(亜灰長石)
バイトウナイトの綴りはbytownite。ビトーナイトなどとも表記されます。
何でもバイタウンという地名に由来するそうなので、バイタウナイトなのかもしれません。
これはこんな石。
bytownite

ラブラドライトは、光ってない地の色はいわゆる「こんにゃく色」と言われる緑がかったようなグレーですが、中にはきれいな淡黄色のものがあり、それとそっくりです。
そのせいか「ゴールデンラブラドライト」の名前で売られていることがあります。

そしておしまい、カルシウムが多い長石、アノーサイト(灰長石)
残念ながら、持ってません。
……もしかしたら知らずに持っているのかもしれないけれど、これがそうとわかりません。

ここでも同じく、写真は一例で、それ以外の見かけの石も、もちろんあります。
たとえば、ラブラドライトでも、おなじみ虹色のラブラドレッセンスを持たないタイプもあるみたい。


おお、長石、いろいろあるねえ……と感心してちゃあいけません。
まだ、宝石名という難物が待っております。




長石いろいろ

昨日の、長石の仲間の大きな図、ちょっと変えてみました。
どっちかというと、気分はこちら。(変えたのはタイトルだけですけどね)

長石大2

この図を書くにあたっては、いろいろ謎があったのです。
今のところ、三角形の各頂点には、カリ長石、曹長石、灰長石が入っていますが、以前に調べた時はカリ長石じゃなくて、正長石の名前が入った図が出てきたんです。
ところが、今回もう一度調べてみたら、ここがカリ長石になっている図の方が多い。

よく見てください。
カリ長石も正長石もオーソクレースになってますよね。

いったいどっち。

ここでちょっと説明しますと、

カリ長石の中に含まれるオーソクレース、サニディン、アデュラリア、マイクロクリンは成分が同じ。

この中でオーソクレース、サニディン、アデュラリアは結晶系が単斜晶系であるのに対し、マイクロクリンは三斜晶系なので、ちょっと違います。
結晶の基本パターン(結晶系)でちょっとわかれているわけです。
このマイクロクリンの中で、鉛をちょっと含むために青緑になっているのがアマゾナイト
(クロムで色がついているタイプもあるそうですが)
amazonite←アマゾナイト


アデュラリアはオーソクレースの一種で結晶の形が菱形のもの。(透明で菱形という説明もあるけど、透明とは限らないような……?)
普通のオーソクレースは四角っぽい形です。違うのが形(結晶系は同じ)だけなので、「変種」。
adularia←アデュラリア
adularia2←アデュラリア


サニディンとオーソクレースでは何が違うかというと、できる温度が違います。
高温でできたのがサニディン
sanidine←サニディン

中~低温でできたのがオーソクレース
orthoclase←オーソクレース(正長石)


比べるとサニディンの方がちょっぴりナトリウムが多いそうです。

こうしてみると、オーソクレースというのがまずあって、形が違うとか、結晶系が違うとかそういう変種としてマイクロクリンやアデュラリア、サニディンがあるから、三角形図のカリウムの頂点には代表選手であるオーソクレース(正長石)がくるのだ……というのとは、ちょっと違うことがわかります。
サニディンとオーソクレース(正長石)の違いは、できる温度であって、どちらが代表選手ともいえない感じです。

だから、まとめる意味でカリ長石という名前が出ているのかな……と理解しているんですが、だったらカリ長石もオーソクレース、正長石もオーソクレースというのが良くわからない。

カリ長石をK-feldsparとしているところもあるけれど、図にK-feldspar表記はない。
いろいろ調べると正長石、サニディン……各長石の説明はあるけど、カリ長石とは何かという説明がほとんどない(ような気がする)。
しかも、海外サイトの同じような図では、カリ長石にあたるところにサニディンの名前が入っているものも多いのです。

……ということで、いまいちカリ長石の位置づけがわかっていない私。

あ、写真を載せてますが、これらはいろいろな姿・色をしている長石の一例です。
例えばオーソクレース(正長石)は、ここに載せたような淡黄色の透明な石ばかりではありません。

こんな感じの四角くて白くて不透明なのもあります。実は、この白い長石、正長石なのかマイクロクリンなのか、私には見分けられません。(マイクロクリンかな……という気もするんですが)
feldospar



カリ長石から話を始めたので、続いてアノーソクレースにいっちゃいましょう。

アノーソクレースは、カリ長石に比べると、ナトリウムが多め(サニディンより多い)。結晶系はマイクロクリンと同じ三斜晶系。高温でできた長石です。

これは、持ってないなあ……と思っていたら、ひょんなことでロシアン・サン・ムーンストーンがアノーソクレースであるという情報を発見。
だとすると、私の初アノーソクレースはこれ。
sun-moon

先日、ショップで「ムーンストーン(アノーソクレース)とされたものを見ましたが、ちょっと質が悪くてムーンストーンらしい輝きは見えないものでしたが、これの質が良いものだったとしたら、普通にムーンストーンの原石として売っているものに似ていそうだ……(ちょっとオレンジムーンストーンっぽい色合い)でした。
ですから、しらないうちにムーンストーンとしてアノーソクレースを見ているかもしれません。

えーと、順序が前後しますが、アノーソクレースはカリ長石とアルバイトの間の中間種になります。
この中間種をアルカリ長石グループと呼びます。
アノーソクレースはアルカリ長石グループだけれど、カリ長石ではありません。(ややこしすぎ)
わたし、長らくアルカリ長石を略してカリ長石と言っているんだと思ってました。

アノーソクレースだけがカリ長石から外された理由もよくわかりません。

前に話をしたアルバイトとアノーサイト間の中間種・斜長石グループはアルバイト(Naが多い)とアノーサイト(Caが多い)の割合の差でいくつかに区切られて名前が付けられていたものが、基準の見直しによって50%を境に多い方の成分の名前でアルバイトかアノーサイトに分けられることになり、斜長石グループの名前もなくなったということですが、こちら、アルカリ長石グループは単純に成分差ではわかれていません。

分け方が変わった……と言う情報では、斜長石グループの話だけが出ていたので、アルカリ長石グループは手つかずのまま?
一方のグループ名が消えて、一方が残っているというのも変な気がしますが……。

長石迷宮

前回は、長石にはいろいろ種類があって、それだけでなくて中間種も山ほどあって、その中で似ているラブラドライトとムーンストーンの位置を図示するとこうなるよ……という図を出しました。

長石迷宮3

似てるけど、ムーンストーンは宝石名、ラブラドライトは鉱物名。
しかも属する長石のグループが違う。

ムーンストーンはナトリウムが多いアルバイト(曹長石)とカリウムが多いオーソクレース(カリ長石)の中間種の一部、丸く磨くと月の光のような輝きが表れるものに付けられた宝石名。
同じ種類の長石でも、月光のような光方をしない石があって、それはもちろんムーンストーンとは呼べない。

一方、ラブラドライトは鉱物名で、成分と結晶系(結晶の基本構造)によって分けられているので、ちょっとの成分差によって見かけはアンデシンなのにラブラドライトというものがあったりする。(その逆もあり)

そういうことになってますが、ムーンストーンやラブラドライトに似ている石は、他にもあります。

ムーンストーンにそっくりな……というか、それ以上にムーンストーンなかんじのペリステライト。
←ムーンストーン
ぺり?←ペリステライト

ラブラドライトにも似てるのがあります。
←ラブラドライト
←ラルビカイト
ラルビカイトは、ときどきブラックラブラドライトの名前で売られています。

これらペリステライトやラルビカイトを、最初の図に落とし込んでみると……。

長石迷宮5

なんてこったい。

ムーンストーン似のペリステライトはラブラドライトと同じグループ。
ラブラドライト似のラルビカイトは、ムーンストーンと同じカリ長石が大部分を占める「岩石」。


ラブラドライト(レインボームーンストーン)がムーンストーンでないというなら、ペリステライトも違うと言わなければならないし、ラルビカイトはブラックラブラドライトではない。もうちょっと大雑把に「ブラックフェルドスパー」と呼んでいたりしますが、岩石なので長石グループには入らなくて、残念ながら大雑把に呼んでもまだ違う。
そんなことになってます。

でも
「レインボームーンストーンは、実際にはラブラドライト フェルドスパーを指す誤称である。」
(http://www.yk.rim.or.jp/~ofukumot/gem_encyclopedia/ma/moonstone.html)

という説明があるかと思えば
ムーンストーンは、そもそも月光っぽいという見かけで付けられた名前なんだから、見かけが月光っぽいならムーンストーンでいい。市場ではそこまで区別してないよ

という意見もあったりします。

ムーンストーンが宝石名であるということは、まず「月光っぽい輝きの石」ということで「ムーンストーン」と名付けられ、そのあとで「これって、どういう石なんだろう?」と調べられて、「長石の中のカリ長石で……」ということになり、改めて「重要な正長石の宝石で正長石と斜長石系列の端成分であるアルバイトとの層状組織による光の干渉効果と散乱によって青色~白色のシラー(閃光)を示すもの」と定められたんだと思うんですね。

だから、見かけ月光っぽい輝きの石なら、ムーンストーンでいいじゃないかというのは、一理ありと言えばそうなんですが、そこは「宝石」であるが故の厳しさというか、本来のカリ長石のムーンストーンは、ペリステライトやラブラドライトに比べて産出量が少ない石。
少ないということは希少価値が出てきます。

つまり、少ない、珍しいから「高い」。(もちろん、質によって違いますが)

少ない、珍しい石とさほど珍しくない石を同じ名前で呼んで、同じ石にしてしまうと……そりゃ、問題ですね。
ちょっと無粋ですけど、「ムーンストーンはカリ長石の宝石」と決められてしまっている以上、名前は厳しく適用する方がいいような気がします。

この手の話は、他にもあって、こんな色、他にはないよね、ここだけで採れるすごい石だよね……と地名を冠して「パライバトルマリン」としたところ、よく似たのがアフリカでも出てきて、アフリカのをパライバと呼んでもいいものかどうかと問題になりましたし、かのスーパーセブンも、メロディ氏が名前を付けたのはエスピリト・サント産で、こんなのが取れるのはここだけだろう……と思っていたのが、お隣ミナスジェライスやバイアからも、遠くインドからも出てきて、最近では「南アフリカ産スーパーセブン」なんてのも売られているくらいです。

パワーストーンでは、じゃあ、意味や効果は違うの?……と言う話になりますが、それはわからないですね。
同じという人もいるし、違うという人もいる。確かめようがない話でもあります。

でも、個人的にはなるべく名前は厳しく適用、適用範囲を広げるなら、しかるべき理由があってこそ……と思います。

よって、私はムーンストーンはカリ長石のもの、ペリステライトやラブラドライトは別、と認識します。
問題は、ムーンストーンとペリステライトを目の前に並べて出されても、見分ける自信が全くないことなんですが……。

さて。
長石はでっかいグループなので、石好きさんが耳にする石で、長石に属するものはまだまだあります。
それらはいったいどんな位置関係になっているのか?

やってみました。

どん。

長石大1

図を作るだけでも大変でした~。

以前、石について質問していたら、
「あの人(外国人)が長石に詳しいから聞いてあげるよ」
……そして、その「詳しい」人も、「長石は複雑だからイヤだ!」
ビーズで、鑑別に出すと、長石であることはわかるけど、どんな長石かを判別しようとすると大がかりな検査になって、検査費も跳ね上がることから、大さっぱに「フェルドスパー」の結果ですませていることもある……とか。

図を作りながら、「その気持ち、わかるかも……」と思ってしまいました。


見本に欲しいぞ

昨日、御徒町をぶらついてきたんですが、そこで気になったものがあります。
ふらりと立ち寄ったビーズショップで見かけたビーズ。
それは……一見、白い部分が混じった、ミルキーなアクアマリン。

アクアマリンと言えば透明水色のイメージですが、ビーズ全体が水色で透き通っているというのは、ある程度質が良いものでなければなりません。

質が高くないものは、白い濁りや内包物が混じりこんだりします
←アクアマリンのビーズ

青ければいいかというと、きれいに青みのある水色のものは加熱されていることも多いので、一概には言えないんですが。

ですから、ものによっては白い部分と水色の部分が斑になったアクアマリンビーズがあってもおかしくないです。
ところが、よくよく見ると名前が変です。

ミルキーアクアクォーツ

クォーツ!?
言うまでもなくクォーツ(水晶)とアクアマリンは、全く別の鉱物です。

あわてて手に取ってみてみると……染めだ!
よく見ると、細かくクラックが入っていて、クラックの筋が青くなっているので、染めているとわかります。

色は違いますが、クラックが染まっているというのはこんな感じ。
クラック(ひび)が染料で浮かび上がっているのは、染めの特徴ですから要チェック!
(※カルセドニーのようなミクロの隙間がたくさんある多孔質の石は別)
ひび・そめ ひび・そめ2
※そういえば、これも何の石を染めているかわからない……


でも……これ、クォーツといっているけど、水晶(石英)を染めたものなんだろうか?
クォーツを染めたら、もっとバレバレな感じになると思うんだけど。


では、クォーツァイト(珪岩)?
クォーツァイトといえば、アベンチュリンの名前で売られている緑のビーズが有名です。それを見ると、透明ではなくてかなり半透明であるというのは同じでも、全体が均一な感じの質感で、白い部分と斑になってたりすることはないと思いませんか?

気になるー!


ぱっと見、あ、質があまり高くないアクアマリン、と思えてしまうだけに始末に悪い。
今回は、やや紛らわしい名前ではあるものの「ミルキー・アクアクォーツ」と書かれていたので「ん?」と引っかかりましたが、これがしらっと「アクアマリン」としてブレスレットになっていたりしたら、見逃したかもしれない。

見本に買おうかと思いましたが、染めているものを連で買っても仕方がないので、あきらめました。
どこかで粒売り、パック売りしてないかな……。







アンデシンとラブラドライト

ブログへの検索ワードで見かけて気になった言葉があります。

「アンデシン ホワイトラブラドライト 同じ」

そういえば去年の赤レンガ倉庫のミネラルフェアで「ホワイト・アンデシン」という名前で見た目はレインボームーンストーンなルースをみかけましたっけ。
先だってのIMAGE2011では「アンデシン・ラブラドライト」という名前を見かけました。

長石というのは、非常にややこしくって、かくいう私も「????????」と?マークを大行列させていたものです。(いまでも行列してるはず……少しは短くなっていればいいけど)
そのうえ、知らない間に分類基準が変わっていて、おなじみの名前が消えている!
名前が単純になっでも、「だからどっち」問題は健在という、ややこしっぷり。

この際、頭の整理を兼ねてまとめてみます。


今回の「アンデシン ホワイトラブラドライト 同じ」の検索ワードは、おそらく私と同じように見た目レインボームーンストーンな石に、「ホワイト・アンデシン」とか「アンデシン」という名前がついているのを見て、疑問に思われたのでしょう。

レインボームーンストーンといえばこんな石で、ムーンストーンと名前はついていてもラブラドライトの仲間。
 

ラブラドライトルース
こういうラブラドライトの地色が白くなったと言えば、レインボームーンストーンがラブラドライトというのは納得できますが、アンデシンと言えば、たいていはこんな感じの赤い石。
※アンデシンは、コンゴ産やチベット産として透明な赤いものが出回っていますが、最近その産地に疑いが出たようです。
 内モンゴル産の淡黄色のアンデシンに人工的な処理をしたのではないかとのこと。
 詳しくはこちら(参考サイトさま)

 アンデシンビーズ
アンデシン2ビーズ
色が淡いもの、緑に透けるものもありますが、ラブラドライトには似ていません。
なのに、説明なしに


「ホワイトアンデシン」
……と書かれていたら、わけわかりませんね。

えーと、まず、石の名前にもいろいろあるということを頭に置いておいてほしいです。
ラブラドライトでしょ、水晶でしょ、アメジストでしょ、スモーキー・クォーツでしょ、エピドートでしょ……うーん、たくさん。……ではなくて、これはこういう石だ、と決める基準がいろいろあるということです。

たとえば、ムーンストーンとラブラドライト、アンデシンでは名前の基準が違います。
一番大きくまとめてしまえば全部「長石(フェルドスパー)」なんですけど、その中での基準が違うんです。

一番大きな違いは、ムーンストーンは宝石名、ラブラドライトやアンデシンは鉱物名(※)ということです。

宝石名は文字通り、宝石としての仲間。
ある鉱物の中でこういう見かけのものをこの名前(宝石名)で呼ぶ、ということです。
多くは鉱物名が示す範囲と宝石名が一致しているのでさほど混乱はないんですが、いろいろ種類が多くて混ざりまくりの長石グループの中の宝石・ムーンストーンは違います。

ムーンストーンはなにかというと、
「重要な正長石の宝石で正長石と斜長石系列の端成分であるアルバイトとの層状組織による光の干渉効果と散乱によって青色~白色のシラー(閃光)を示すもの」
なんだそうです。
こんなふうに書くとすごく難しそうですが、大雑把にいえば、
「いろいろある長石の中の一部の種類、さらにその中で磨くと青~白の月光のような輝きを示すもの」
ということです。

いろいろある長石の中の一部の種類というのが、オーソクレース(正長石)とアルバイト(曹長石)ですが、これらの長石でも磨いても月のような輝きを示さないものもあります。それではムーンストーンと呼べません。

一方、ラブラドライトやアンデシンは鉱物名(※)です。

鉱物名というのは、成分と結晶系(結晶の基本構造)で決められます。
成分は同じでも結晶の基本構造が違うと、カルサイトとアラゴナイトのように別の鉱物に分類されます。
スモーキー・クォーツとアメジストでは色が違いますが、成分も結晶系も同じなので、鉱物としては同じ石英(水晶)です。
(それぞれの色の元となっている、鉄やアルミニウムはごくごく微量なものなので、成分としてはカウントされません)
宝石名と違って、見かけが違っていても成分と結晶系が同じなら、同じ鉱物ということになります。

水晶の場合は、成分はSiO2と単純ですが、長石の場合は実はたくさん種類があって、それぞれ成分や結晶系によって、細かく種類が分けられています。。

しかし……成分と結晶系が違えば違う鉱物では? それでも同じ長石?

そうなんです。ここがややこしいところ。
成分と結晶系が違うので、細かく分けると違う鉱物になるんですが、長石の仲間に入れられたものは、成分に長石だけに通じる共通部分があり、違う種類の長石同士が混じったりします。
混じり合うということは、それだけ近しい関係にあるということなので、近しい性質を持った石を長石(フェルドスパー)グループとまとめているわけです。

共通部分があるというのは、こういうことです。

長石迷宮1

うっわー、難しそう!……と逃げないで~。

何だか暗号みたいなアルファベットと数字ですけど、これが石の成分を表す式です。
水晶だとSiO2で、すごく簡単なんですけどね~。長石は長い!

えーと、とりあえず、アルファベットや数字は無視しちゃって、下に入れておいた色で見分けてください。
長石には違う長石に分けられていても共通する成分が入っています。それがベージュ色で表した部分。これを便宜上「共通部分」と言いましょう。
この共通部分にいろんな成分がくっついて、それぞれ違う長石に分けられてしまうんです。
この共通部分にくっつく成分を、便宜上「オプション」と呼んでおきましょうか。

長石はたくさん種類があるんですが、ここでは石好きとして一般的に見かける種類で話をします。

ここで登場するオプションは、カルシウム(Ca:ピンクの三角)ナトリウム(Na:水色の丸)カリウム(K:緑の四角)の3種類。
それぞれが共通部分(ベージュ色の部分)にくっつくと……それだけで、ほ~ら、成分が違う長石が3種類。
オプションが増えるとさらに種類は増。(オプションの成分にはバリウムやストロンチウムなどまだまだあります)

それだけじゃありません。

長石同士は混ざります。……というか、たくさんの中間種みたいなものがあります。
専門的には「固溶体」というらしいんですが、それってどういうこと?……と説明しはじめるとわけがわからなくなるので、ここではおおざっぱに「混ざる」「中間種」と言っちゃいます。

では、さっき例に出した3つのオプションでできた3つの長石、これを絵の具だと考えて下さい。

それぞれ例に使った水色、ピンク、緑としましょうか。
水色とピンクを混ぜたらどうなりますか? 薄紫になりますね。
でも、水色とピンクをどんな割合で混ぜるかで青っぽい紫だったり、ピンクに近い紫だったり、いろいろな色ができます。
……これが中間種。
まるで絵の具で作るグラデーションみたいにいろんな割合の中間種があります。
それを全部別の長石にしたら大変なことになるので、結晶系の違いや成分の割合(○%~○%までのように)などでいくつかの種類に分けているんですね~。

3種類の長石の間でできる中間種はこんな感じの関係になります。

長石迷宮2

オーソクレースとアルバイトの間の中間種(アルカリ長石グループ)アルバイトとアノーサイトの間の中間種(斜長石グループ)はあるけれど、オーソクレースとアノーサイトの中間種、3つの長石がごちゃごちゃに混ざった中間種はない、ということです。

ここで、ムーンストーンとラブラドライトが、どこらへんに位置するか見てみます。

長石迷宮3

だいぶん、位置が違いますね~。これでは大雑把にいえば同じ長石でも、長石の中では種類が違う、レインボームーンストーンとムーンストーンは別だ、ということがわかります。
なんたって、属しているグループが違う。

繰り返しますが、
長石にはいろいろ混ざった中間種が多いこと。
ラブラドライトやアンデシンは鉱物名(※)で、見かけに関係なく成分と結晶系によって決められるものであること。
これを覚えておいてください。

ここからは、ラブラドライトやアンデシンが属する、アルバイトとアノーサイトの間の中間種の話になります。

先に出した例のとおり、アルバイトを青アノーサイトを赤の絵の具と考えてみてください。
青と赤を混ぜると紫になりますが、その割合によって赤っぽい紫や青っぽい紫ができますね。
絵の具ですから、その混ざり方の割合は無限で、青から赤にかけてのグラデーションになります。
つまり、アルバイトとアノーサイトの間には、いろいろな割合で混ざった中間種がそれこそ無数にあるということ。
そんなのにいちいち名前を付けていたらたいへんなことになるので、いくつかに区分けして、それぞれに名前が付けられているんです。

図にするとこんな感じ。


アンデシンの名前、見つけられましたか?
見覚えのあるラブラドライトの名前もありますね。
なんと、アンデシンとラブラドライトは長石の中でも同じグループに属し、成分の割合がちょっと違うお隣石なのです。

ところが、ラブラドライトである条件はアルバイト●%、アノーサイト●%とびしっと決まっているのではなく、Ab(アルバイト)50~30%、An(アノーサイト)70~50%と幅があるので、アンデシンよりのラブラドライトもあるし、反対側のお隣のバイトウナイトよりのものもあることになります。

つまり、ほんのちょっとの成分差でラブラドライト、アンデシン……という微妙な成分の石もあるということ。

ここで思い出してください。
ラブラドライトやアンデシンは鉱物名(※)で、見かけに関係なく成分と結晶系によって決められる


つまり、見かけはラブラドライトでも、成分分析をしたらちょっぴりの差でアンデシンだった。
すると、この石はアンデシンと判断されます。……厳密には。

もちろん、最近いきなり、見かけはラブラドライト、成分はアンデシン……という石がでてきたのではなくて、以前からそういう石はあったけれど、見かけで「これはラブラドライトでしょ」と思われ、そのままになっていたものが、近年アンデシンが出回るようになり、かつ石の真贋を気にする人が増えて、店などが石をいちいち鑑別にかける機会が増えた。その結果「ありゃ、これ、成分はアンデシンだ」という石が発覚した……ということでしょう。

見かけはラブラドライト、成分はアンデシンという石だけでなく、もちろん逆の場合もあります。

分析したらそういう結果だったんだから、厳密にアンデシンという名前にするぞ、と判断するか、
微妙な差だから「アンデシン・ラブラドライト」としておこう……と考えるか。
赤くて見かけはどう見てもアンデシンなのに、わずかな差でラブラドライトと言っても混乱するから、(説明したうえで)アンデシンとしておこう……なのか、
判断はまだ店それぞれに違います。

いずれにせよ、見かけレインボームーンストーンにアンデシンの名前がついていたから、ほかのレインボームーンストーンも全部アンデシンで、レインボームーンストーンはラブラドライトじゃなくてアンデシンのことだったのか、と理解してしまうのは違うでしょう。

ラブラドライトもアンデシンも鉱物名なので、成分を重視すると、見た目と名前が一般的なものからずれたものも出てきてしまう、ということなんです。
……というか、あの虹色ラブラドライトと赤いアンデシンの見かけは、どこらへんの成分差で別れていくんだろう……。

さて、話はここでは終わりません。

アルバイトとアノーソクレースの間の中間種、いろいろあると図を出しましたが、なんと!
この情報はすでに古いです!

知らない間……といっても1995年~1999年の間に、長石の分類基準が見直されて、これらの中間種に付けられていた斜長石グループという名前も、それどころかアンデシンやラブラドライトという名前すら、きれいさっぱりなくなっちゃいました。

見直し前、見直し後はこんな感じに違います。

ビフォー・アフター

なんというか、きれいさっぱり。

アルバイトとアノーサイトの間をちょうど半分、50%で区切り、成分比が多い方の長石の名前で呼ぶというのです。
これを50%ルールといいます。
50%ルールは、マリアライトのところでも出てきました
つまり、アルバイト60%、アノーサイト40%なら、以前の分け方ではアンデシンでしたが、今はアルバイト。
アルバイト40%、アノーサイト60%はラブラドライトじゃなくてアノーサイト。

このおかげで、これはラブラドライト?バイトウナイト?と悩まずに済みますが、いかんせん区切りの50%ラインはかつてのラブラドライトとアンデシンの間にあるので、微妙な差であっち・こっち?という例は健在。

1999年と言えばすでに10年以上前ですが、ラブラドライトにアノーサイトのラベルがついているのを見たことがありません。
(だから見直されていたのに気が付かなかった)
これからどうなっていくんだろう……。









長柱状アメジスト

あれ? この石登場してたっけ。(すでに記憶の容量オーバー)
まあいいや、2回目だったら (再録) ってことに。

ゲレロ・アメ

メキシコはゲレロ産のアメジストです。
買ったのはずいぶん前で、今はなき某ショップの大セールのときに、絞りきれなくて買った2本のうちの一つ(つまりもう一本あるのだ)。
ラベルがつかない店なので、「産地教えてください~」とお願いして「メキシコのゲレロ」と教えていただいたのでした。

その後調べてみると、こちらのアメジストがそっくりなので、詳しい産地は
Amatitlán, Mun. de Zumpango del Rio, Guerrero, Mexico
ということになるのかな……。

当時はまだ、アメジストと言えばブラジルやウルグアイの「つくつく」アメジストばかりで、ちいさなベラクルスアメジスト(色が淡いもの)をようよう手に入れたばかり。このように柱面がばっちり、しかも色の濃いアメジストは初めてでした。

こんなのもあるんだ!

というのがまず第一印象。

根元が紫で先端が透明(実際はややクリーム色っぽい感じ)。表面がややマット。
アメジスト部分がファントムになっている標本もあるようですが、この石ではそこまではっきりしていません。
そんな様子の結晶が何本もくっついているので、まるで、石の中に紫色の光がともっているような。

最初は驚きの方が強かったのですが、いろいろ石を見た今になっても、やっぱりいいぞ、この石!

きれいなのに、意外に見かけないような気がする、ゲレロのアメジスト。
もっと出てきてもいいのに~。

一発芸

一発芸

写真を撮っていたら、石の先端に光が当たってピカッ!
石の写真としては失敗だけど、なんだかありがたい感じなので保存しちゃった。

拾う神あり。

今回のIMAGE展では、インド産ヒマラヤ水晶を買わなかったけれど、その前に買ってた。

拾う神

御徒町の某店をのぞいて、ヒマラヤ水晶~でも、高い~と内心ぶつくさ言っていたら、見つけました、これを。
同じくらいの……いや、もうちょっと小さいのが2000~3000円以上しているのに、これだけ1000円。

え~、面白いのに、なぜ?

見れば、メインと同じくらいの太さの結晶がぼっきり折れているからのようです。

うーん、ダメージと言えばダメージだけれど、採掘の際に不注意で折れたというより、これはやや古いダメージのようにも見えるし、内包物がたくさん入っている水晶なので、思ったよりも目立ちません。
……というか、ぱっと見気づかなくて、どうしてこれだけ安いんだ? と注意してみてこれかと気づいた、(私にとっては)その程度。

それよりも、白い内包物が部分的にはぎっしりで、複雑に絡んでて(裏面)、
拾う神3

そして、メインの結晶の面白さ!
拾う神2

これは、ファントムか、そうではないのか、ちょっと頭をひねる、波打つような内包物。
これがファントムだというなら、この結晶は幾度となく折れ、そのたびに成長を再開したど根性な水晶ということになります。これがファントムではなくガーデン水晶ならば、波のように層を重ねた内包物の中を貫くように水晶が成長していったというのでしょうか。
どちらもいささか無理があるようにも思えますが、内包物の先端付近は、ファントムっぽい。

隣の結晶が折れているおかげで、この結晶がくっきり際立って見えているのだからいいじゃないですか。
折れているから安いというなら、私がありがたく買わせていただき、ふふふふふと楽しませてもらおうじゃありませんか。
捨てる神(捨ててないけど)あれば、拾う神あり(神じゃないけど)。

そういえば、この産地にはぴかぴかきれいなクラスターも出るのに、そういうクラスターは持ってないなあ……。


超新星

いや、いきなりK-popのことじゃないですよ。(検索したら出てきたけど)

えー、スターバーストと言う名前がついた水晶があります。
ちょっとややっこしいことにこの名前で呼ばれる水晶はいくつかあるんですけど、ここで言うのは、水晶の表面に雲母がくっついていて、それが取れてしまった痕が、放射状に見えているもののことです。

スタバ

ぶわっと広がるさまが、星の爆発に例えられました。

最初、この痕跡が雲母によるものとは信じられなかったんですが……なにせ、これが雲母の後だというなら、雲母が放射状にくっついていたことになりますから……、まだ雲母が完全にとれてしまわずに残った状態のものをいくつか見たので、やっぱり雲母だったのかと改めて納得。

雲母の痕跡のスターバーストは、しっかりしたのを一つ持っているんですが、「うお。これは」というのがあったので、またひとつ。

びっぐばん

長さ10センチくらい、太さ2センチくらいと、さほど大きくはないんですが。

……そこに放射状の雲母痕があるかわかりますか?
わかりにくいかな……この、わかりにくいところが、この石最大の魅力と言うか、びっくりポイントなんですけど。
では、アップでどん。

びっぐばん2

さらにわかりにくい!

いや、この画面の中心部分がすべて放射状の雲母痕なんです。

太さ2センチほどの細長い水晶をほぼ一周、6面の柱面の5面を覆う、でっかい痕。
これで雲母がついたままだったら、どんな状態になってたんだ!?

普通サイズ(柱面1~2面ほどの大きさ)の雲母痕は、おそらくこんな感じの雲母(色は別として)がくっついていたんじゃないかなと想像してるんですが、今回のように超巨大となると……?

スターバーストは星の爆発の意味ですが、このように大きなものは、いわば大爆発
……と言うことで超新星



ローズクォーツの混乱・2

続きです。

水晶らしからぬ平らな割れ方をしたローズクォーツを見てもらったところ、「スター・ローズだね」という答え。
何でもスター・ローズの原石は、平らに割れるんだとか。

なぜだ?

いろいろ調べて推理してみたところ、ローズにスターが出るのは、ローズクォーツの色の原因である微細なルチルの針状結晶が規則だたしく並んでいるから……その規則正しさは籠目状で、このルチルの籠目は結晶軸に対して垂直である。
……というのはこんな感じ?

すたーろーず・しくみ2

だから、平らに割れるんじゃないか。
割れた面は六角柱の水晶にあてはめると輪切り状態の割れ方ということになるのでは?
……と考えたんですが。

ここまではわかりやすく六角柱状にあてはめて考えてきましたが、実際のローズクォーツは塊状です。
……これを考えると、考えるほどにわからない。

えーと、今回は「わからないこと」をまとめますので、ご存知の方は教えてください、ぜひ!

まず。
水晶は地下の岩の隙間で成長します。
岩の隙間が、水晶の原料となる成分(二酸化ケイ素)が溶け込んだ熱水で満たされていて、この熱水が冷めたり圧力が下がることで、水晶の成分が溶け込んでいられなくなり、まず、岩の表面に小さな結晶ができて、この小さな結晶の表面にどんどん二酸化ケイ素が(規則正しく)くっついて、大きくなっていく……大雑把にいうとこれが水晶の成長の仕方です。
※詳しくはこちら

この成長の仕方だと、岩の隙間が狭かったり水晶がどんどん成長してぎっしりうまってしまったところでは結晶の形が見えなくなって、その部分を掘り出すと塊状になるけれど、隙間の中央部、まだ隙間(空間)が残る状態で、成長が止まる(温度が下がりすぎるとか、熱水が抜けてしまうとか)と、結晶の形が残った、いわゆる水晶らしい水晶になる。
そう考えられます。


では、ローズクォーツはどうだろう。
ローズクォーツと言えばほとんどが塊状で、結晶形のローズは、ご存じのとおりレア。
ローズが、岩の隙間をぎっちり埋め尽くすように結晶する性質があると言ったって、普通の水晶と同じ結晶の仕方をしてるなら、隙間を埋め残して、結晶の形をしているものが……それも普通の水晶のような大振りな結晶があってもいいはずです。
数少ない結晶形のローズクォーツは、スモーキー・クォーツの上にちょこちょこっとくっついていたりして、塊状ローズクォーツとは様子が違います。



それに、ローズクォーツにはルチルやクローライトのような内包物入りやファントム入りを見かけません。
ローズだけでなく、メタモルフォーゼスなども同じです。
それはなぜ?
ここらへんの疑問についてはこちら

こちらのサイトさんに、ローズクォーツの採掘風景の写真が出ているんですが、なんというか、岩がピンク!って感じでざっくざっく出るみたいです。

これだけ出るなら、埋め残しの結晶が出たっておかしくないのに、見かけないのですから、ローズ・クォーツは岩の隙間にぎっちり結晶してしまうのでしょう。

……で、このぎっちりの構造はいったいどうなっているのか。
それが疑問なんです。

ローズクォーツが、小さな結晶からどんどん大きくなって結果的に隙間ぎっしりになったとしたら、塊状でも、その構造というか、塊の中にかつての結晶が隠れているはずです。



すると塊の中には結晶軸があっち向きこっち向きにはいっているはず。

ローズなぞ

結晶は、小さいときはびっしりたくさんできて、それが大きくなる時に小さい結晶を呑み込むように大きな結晶にまとまっていくはずですから、実際は図よりももっと複雑でしょう。
スターローズが、六角柱状の結晶の輪切り方向に割れやすかったとしても、結晶軸があっち向きこっち向きだったら、割れる(割れやすい)方向もあちこちで、結果としてすっぱり平らには割れないんじゃないか。

それに、普通の水晶では、水晶がどんどん成長して水晶としての形が見えなくなっている部分と言うのは、意外に透明ではありません。



なのに、ローズクォーツやメタモルフォーゼスは、透明(半透明)のかけらも多いです。
これはどうしたことだろう。

それから、スターローズの丸玉やビーズは、律儀に一個につきスターが一組(結晶軸に従って両側に一つずつ)真ん中に入ります。見えないだけで実は結晶があっち向きこっち向きで集まって塊状になっているなら、丸玉一つにつきスターが2カ所以上出ることだってあり得るはず。

「スターローズ」として売られている石は、スターであることを確認し、ひょっとしたら真ん中にスターが来るよう、きっちりみがいているのだからそうかもしれないけど、スターと言っていないのにスターが出る石、タンブルやほかの形でもスターが出る場合もやはり一個につき一組。

これまで当たり前に見てきましたが、考えてみると不思議です。

いったい、ローズクォーツが埋め尽くした岩の隙間、ローズクォーツぎっしりのその中は、結晶軸がどんな具合になっているんだろう。

まさか、隙間全体が一個の大きな結晶だというなら……鉱脈全体のローズクォーツの結晶軸が一方向を向いているなら、丸玉やビーズなどで一個につき一組のスターを持つものが大量に作られるわけが説明できますが、だったら、その結晶の成長しはじめはどんな感じだったか。

ゼリーが固まるみたいに隙間全体がいっせいに結晶した……というのなら、水晶の成分を溶かしこんでいた熱水はいったいどこへ行ったのか。


わからない。


ここで思いついたのが「メタ」です。
パワーストーンのメタモルフォーゼスの「メタ」じゃなくて、メタモルフィック……変成作用のこと。
詳しくは以前に書いた雑記を読んでいただくとして、メタモルフォーゼスと呼ばれる、やはり隙間ぎっしりに結晶した塊状の石英で、中にはスターが出るものや平らに割れるものもある石が、メタ・クォーツ……変成作用を受けた水晶であると説明されていたのを見たことがあります。

その時は、今回スターの元となるルチルの籠目のせいでは?と推理した、平らに割れる(割れやすい)様子が、変成作用を受けたためにかつての結晶の面が平行に変形してしまったのだ……というような説明で(私がよく理解できてなかっただけかも)、変成作用を受けたら、水晶が水晶でなくなってしまうだろう……とか、結晶面が変形するくらい圧力がかかったら変形する前に割れてるだろうと、興味と疑問が相半ばしている状態で止まっていたんですが。

この「メタ」を引っ張り出すなら、隙間ぎっしりに結晶したローズやメタモルフォーゼスに対して変成作用……熱や圧力がかかることで、別の鉱物に変わってしまうことはないまでも、あっち向きこっち向きだった結晶軸が一方方向に前ならえに変わってしまった……なんてことがあったりしないだろうか。
そのときに、透明度が増したり、小さな隙間が埋まったりしたんじゃないか。

圧力や熱で結晶軸が一方方向に前ならえ……なんて現象が起こるものかどうかは、完全に想像でしかないですが、それくらい考えないと、不思議で仕方がないです。

どなたか、この不思議を解決する情報をお持ちの方、教えてください!








ローズクォーツの混乱

混乱しています。

大混乱です。

先だってのIMAGE展で、「水晶なのに平らに割れてるんですよ~」と
nepal-rose
この石を見ていただいたところ、そのお店の人は、
「お、スターローズだね」
即答

え? スターローズ?

スターといえば、丸く磨いて初めてわかるものじゃなかったっけ?


いや、原石を加工する人は、スターが出る原石とわかっていて、スターがきちんと真ん中に出るように磨くのだから、原石の段階でも、これはスターが出そうだとわかるのかも。
事実、どこらへんにスターが出るか、磨く前にちょっとしたコツで分かるんだと聞いたことがあります。

私が見せたこの石を「スターローズ」と即答した、その理由は……色(ふんわり白濁した感じ)か、それとも。
マダガスカルのスターローズみたいに、透明度の高いものでもスターが出るのがあるし、不透明に近いのでも出たりする。色の様子でスターと判断できるだろうか。……となると。
~なんて、推理と疑問が頭を駆け巡り……。

「スターローズ(の原石)って、こんな感じに平らに割れるんですか?」
と私。この疑問に再び即答で
「そうだよ」
即答してくださった方は、ご自分で原石からルースを作る方なので、原石・ルース両方のお話を聞くことができます。
まさしく、両方を知っている強み。

ふむ。
おさらいがてら、スターについてまとめてみます。
「アステリズム」とも呼ばれるスターは、適当に出ているわけではなく、現れる場所が結晶の向きと密接にかかわっています。
スター・ローズクォーツはたいてい塊状で産出しますが、これをわかりやすく六角柱状にあてはめてみると、こんな感じ。

  すたーろーず・しくみ

つまり、水晶のスターは、六角形の結晶を輪切りにした面に出るということ。そのために丸玉では一つスターを見つけると、ちょうどその反対側にもスターが出ます。

では、どうして丸く磨くとスターが出て、水晶のスターは6条なのか。

スターと同じ仕組みのものにキャッツアイ効果があります。
ときどき名前の石と誤解されていますが、キャッツアイとは、石の名前ではなく、丸く磨くと猫の目のような一本の光の筋が表れる効果のこと。宝石ではクリソベリルという石のキャッツアイが有名なので、キャッツアイと言えばクリソベリルを指すことが多いです。
パワーストーンではガラスで作られた「人工キャッツアイ」などがおなじみです。

このキャッツアイ、石の中に針状または繊維状の内包物がぎっしり一方向に入っているものを丸く磨くことで、一番盛り上がった部分に光が反射して筋のように光ります
人工キャッツアイは、繊維状のガラスを束ねたような構造なので、繊維状の内包物と同じ効果を持ってます。

キャッツ仕組み

たとえて言うと、きれいな髪の人に見られる「天使の輪」みたいなものですね。
「天使の輪」……頭頂部で髪が光を反射してできる輪状のつやは、細くて滑らかな髪が一方向(下)へ流れ、頭の形で丸くなっているために、丸みのてっぺんで光を反射しているものです。

水晶の場合は、この針状の内包物が60度ずつずれて三方向に、まるで籠目模様のように内包されているので、ちょうどキャッツアイの光の筋が三本重なってスターになっているわけです。

スター仕組み3

どうして、律儀に60度ずれた籠目状になっているのか。
それは、水晶が六角形の結晶だから。
先ほどから針状の内包物と言っていますが、ローズクォーツは、微細なルチルの結晶によって色がついているという説があり、それが規則正しく並んでいるとスターローズになります。
ルチルと言っても、スターの仕組みとなっているものはよく見かける針状のルチルと違って、もっともっともっと細くてこまかい、顕微鏡サイズ。
水晶の結晶の隙間に入り込むくらい小さいのです。

そう……結晶の隙間。

水晶は二酸化ケイ素という成分が規則正しく組み合わさってできています。つまり二酸化ケイ素の隙間もまた規則的。
その隙間にルチルの細い細い結晶が入り込むと、自動的に規則正しく並んでしまうというわけ。
(想像ですが、スターになるローズクォーツとならないものでは、この細い細いルチルの大きさがわずかに違い、結晶の隙間にきれいに入り込めたか入り込めなかったかの違いではないでしょうか)

そして、このルチルの籠目は、水晶の輪切り面に平行、結晶の縦軸(c軸)に垂直にできています。
つまり、スターローズの原石は、ルチルの籠目が何層にも重なった状態になっていると考えられます。
例えばこんな感じ↓

すたーろーず・しくみ2

だから、普通は水晶は平らに割れたりしないけれど、このルチルの籠目の重なりによって、スターローズは平らに割れる(割れやすい)んじゃないだろうか。

つまり、一番上の写真の平らな面は、結晶の輪切り面の一部ということ……?
こう考えると、劈開がない(あるいは不完全)な水晶が、平らに割れることの説明がつくんですが、そうなると別の疑問がわらわらと……。

長くなりそうなので今日はここまで(まとめられるんだろうか……)。









実はあちこちで出るらしい。(IMAGE2011戦利品)

IMAGE2011 初日の戦利品。
かのマニカラン産グリーンファントム水晶のオイルべっとりにげっそりして目をそらしたら見つけました。

バンデッドアメジスト


↑こういうタンブルやビーズがありますが、元はこういう結晶と言うわけです。

バンデッド、つまり「縞模様」ということですが、実は大胆な色変わりアメジストファントム。
おそらく、柱面が発達していない、ウルグアイやブラジル産に見られるような錐面だけが群れたようなクラスターであったものを分離した結晶で、先端の白い層から下は、剥離面。
淡いめの紫、濃い紫、白……と次々に色変わりしながら結晶していった様子がよくわかります。

どうして、こんなに周期的に色が移り変わっていったんだろう!
色が変わるということは、水晶をはぐくんだ熱水の成分がどんどん変わっていったということ?
それとも温度によって色が薄くなったり濃くなったり、白くなったり(どうして白いのか)したのだろうか。
だとしたら、それが繰り返されているのがどうしてなのか。

そして、この手の(きれいな)原石って、意外に見かけないと思いませんか?
実は、色変わりファントムの原石はもう一つ、ブラジル産のをもっているんですが、もっと色が淡いし、白い層が途中に入っているタイプではありません。
ビーズやタンブルはあるのに、どうして原石は出回らないのだろう。

なので、今回見かけて「おお」と手に取ったんですが、検索していたら、ブラジルやアフリカやロシアなど結構各地で出ていると説明されているのを見かけました。

へ~、いろいろ産地があるのか。
ということは、こんなころころ色変わりする環境が、各地にあったのか。
それも意外。

大振りな結晶が多いようなので、難しいかもしれませんが、できればクラスター状態のも見たいところです。
(小さなのがあれば欲しい)
この石も10センチを超える大振り結晶がかごに入った中から、8センチくらいの小さくて形のいいのを選びました。透明感があるのもポイント高いです。

ただ、大きいのも、半分程度の大きさのこの石も同じ値段なのが残念。
小さいからおまけして、と交渉しましたが、ダメでした。

IMAGE2011 戦利品

IMAGEの最終日に見つけたもの。

地面から、何かが黙々と立ち上っているような様子が目を惹いて、選びました。
立ち上り1


立ち上っているような……というと、こんなのがありますが、
トルネード磨き トルネード磨き2

今回のは、層というより、真ん中がへこんだお椀か皿を積み重ねたような感じ。
立ち上り2

これは……?
ふと思いついて石をひっくり返してみました。

やっぱり。
立ち上り3

ファントムの断面が見えています。
しかも普通の断面ではなく、すぼまり加減の……つまり、ファントムのとんがり部分の途中を切り落とした感じ。
……ということは、底面であるこの部分は磨く前はとがっていた、つまり錐面であった可能性があるということです。
どういうことかというと、これは、逆向きファントム。


ファントムの向きは石の向きとは逆。
こういう状態なんですね~。

立ち上り4

逆向きファントムは前にもひとつ買いましたが、

どうして逆向きに磨いちゃったんでしょう。

先端が欠けていたので、あえて逆向きに削って先端を作ってしまったのでしょうか。
その割には磨かれた先端部分は、角度も面の感じもかなり自然で、本来の錐面を一皮削って整えただけのように見えます。
熟練の職人技で、自然な角度が作れてしまうのかもしれませんが、個人的にはやはり自然な形を削ってきれいに下だけだと思いたい。

ときどき

のように、一方向に極端に成長したDTがあるので、成長した方の先端が欠けていたのを削り落とし、結果として逆向きになってしまったんじゃないかなあと想像します。


ファントムとガーデン

「ガーデンクォーツとファントム(クォーツ)は違うのか、同じものなのか。見分けがつかない」という質問がときどきあります。
見分けがつかないというのは、たぶんブレスレット(ビーズ)のことなんだろうな……とは思うんですが。

えーと、のっけから話がずれますが、見分け方や本物偽物等の質問の場合は、ブレス(ビーズ)かそうでないのかは一言書き添えた方がいいです。
最近いくらブレスレットが人気で、パワーストーン=ブレスレットのこと……という認識が広がりだしているとはいえ、タンブルや丸玉、原石も全部含めてパワーストーンと呼ばれているのです。
それに、原石の場合はこうだからビーズではこうなる、とか原石で気を付けなければいけない点、見分けるポイントとビーズの場合のそれでは違うことが多いからです。

ガーデンとファントムについても同じこと。
原石を見れば、一目瞭然……とはいきませんが、違う、同じではないというのが良くわかります。

こういうときは、それぞれの名前の石がどういうものであるか、確認しておきましょう。

ガーデン・クォーツは訳せば「庭園水晶」。
その名の通り、水晶の内包物によって、水晶内部が庭園のように見えるもの。
……といっても本当に庭のように見えるというのではなく、たっぷりめの内包物と透明な部分との対比で、何となく風景に見えるような……そういうもの。

透明な部分と内包物のバランスがポイントです。

がーでん1

ときどき見かけるんですが、クローライトなどがぱらぱらまばらに散っている程度のものを「ガーデン」と呼んでいることがありますが、
ぱらぱらクローライト
こんな程度ではガーデンクォーツとは呼べないでしょう。



一方、ファントムは「幻影」とか「お化け」の意味になりますが、水晶の場合はかつての結晶の形が表れているものです。

ファントム図


水晶は地下深くの岩の隙間の、熱水の中で成長します。(くわしくはこちら

なにぶん、自然のことなので、最初から最後まで同じ速さで成長するのではなくて、どんどん成長したり、ほとんど成長が止まってしまったりすることがあると考えられます。

成長の途中で、成長が一時的に止まったり、遅くなったりすると……
ファントム成長

まわりの熱水の中で結晶した別の鉱物が、まるで埃が積もるように結晶の表面に降りかかります。
ファントム成長2

水晶が再び成長しはじめ、大きくなると、降り積もったほかの鉱物の「ほこり」の上を覆い尽くします。
ファントム成長3

再び成長が止まると、「ほこり(ほかの鉱物)」が積もります。
ファントム成長4

さらに成長すると
ファントム政党5

……という具合にファントムができていくわけです。
(かつての結晶全体の形が表れているのではなく、「ほこり」(ほかの鉱物)の積もり具合によって、先端だけ、半分だけ、側面だけのファントムもあります。 また、アメジストやスモーキー、シトリンの場合は、「ほこり」(ほかの鉱物)ではなく、色の濃淡によるファントムもあります)

中には、全体のシルエットはどうやら結晶の形らしいけど、内包の様子はもこもこしていて、ガーデンっぽいというのもあって、そういうものはガーデン・ファントムと呼ばれたりもします。

ガーデン・クォーツというのは、内部の様子がどこか風景を感じさせると思えればガーデンなのであって、私にとってはガーデンでも、別の人にはそうは見えないというものがあってもおかしくありません。
逆に言えば店がガーデンと表示していたからといってそう思わなければならないというわけでもありません。


さて、問題はビーズになった場合。
言うまでもなくビーズは小さいですから、原石の状態ではわかった石の様子が、小さく切り刻んだためにわからなくなることはしょっちゅうです。
そのためには、少々推理力を働かさなければなりません。

ガーデン・クォーツとファントムがビーズに磨かれたら。

がーでん1 ガーデン2

ファントム図 ガーデン2イラスト

それぞれ右の図は、左の図の一部分を丸く切り抜いたもの。
おそらくビーズの場合は、成長によって隣同士の結晶がくっつきあった塊状のものが削られているんだと思いますが、事情は同じ。
ガーデンでは、削られた場所によってほとんど内包物が入ってなかったり、逆にぎっしりだったりするものも出てきます。
ファントムの場合は矢印で示したファントムらしい層の様子がわかるビーズは、全体の中ではわずかのはず。ファントムの先端がうまく削られて、文字通りの「山入り」(ファントム水晶の別名)になっているのは、さらに少ないです。残りはなるほど、ガーデンと見分けが付けにくい。

こういう事情で「ガーデンとファントムは同じ?違う?見分けられない」ということになるわけです。

私ならば、このように判断します。
よっぽど特徴が表れているのでなければ、一粒単位でこれはガーデン、これはファントムと見分けるのは無理。
ですから、連売りの場合は連全体、ブレスレットの場合はブレスレット全体のビーズを見て、その中に

ビーズファントム

のような、ファントムであることを示す層状の内包物のビーズが混じっていたら、全体をファントムとみなします。
ファントムらしいビーズをガーデンの中に混ぜてごまかしているのでは……という疑いもあるかもしれませんが、そんなことしなくても削る場所によってファントムなのかガーデンなのかわからないビーズはたくさん出るでしょうから、わざわざほかのものに混ぜることはないでしょう。

そういえば、レッドファントムと呼ばれるものでは、すべてのビーズにファントムのとんがり部分が入っているブレスレットがあったりしますが、あれはものすごく贅沢に作っているというわけです……。たぶん。










IMAGE2011

行ってきました最終日。

いつもであれば、見落としはないか、最終日まで残っていたら改めて悩んでみよう……とか、そういえば忘れてた、なんてものを総ざらえして、時には、「最終日までこんなのが残っていたなんて!(実は途中で在庫から出された可能性あり)」……という伏兵にやられてショーを終え、「ふう……」と満足の息をつくんですが。

今回は……
「ふう……」(やっぱり何もなかった)
です。

最終日は、海外へ帰る業者さんが、石を持って帰るよりは……と値下げしてくれることがあるので、それも一つの楽しみだったりするんですが、今年は値段が下がったら買う、という石がありません。

それでもぐるぐる見回っていると、きれいな石はあるんですが、そういうのは私の財布と仲が悪い。
じっくり眺めて脳裏に焼き付け、目の保養をします。

でも、悔しいので少しお買いもの。

ホンジュラスのオパール(お店の札では「ンジュラス」になっていたけど)、逆ファントムの磨き、そして微細なラメ入りに見える実はファントムの磨き。

買ってるじゃないかと言われそうですが……ショーとしての満足度、ひくーい。


お店の人に話を聞いてみると、何人ものお客さんから「何もない」と聞いたとか、海外の業者さんが「今回はだめだ……」とため息をついていたとのこと。
その声を裏付けるように、17時終了だというのに、午前中から荷造りするお店も。
通常でも早めに片付け始めるところはありましたが、それでも午後からでした。それが午前中から片づけ始めるとは。

12月の池袋に期待。
プロフィール

KURO@虚空座標

Author:KURO@虚空座標
水晶好き、ものづくり好き、石の写真好き。
石好きのきっかけはパワーストーンですが、現在は鉱物としても興味を持っている中間派。
石に関するあれこれいろいろ、気の向くままに書いてみます。

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