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アンデシンとラブラドライト

ブログへの検索ワードで見かけて気になった言葉があります。

「アンデシン ホワイトラブラドライト 同じ」

そういえば去年の赤レンガ倉庫のミネラルフェアで「ホワイト・アンデシン」という名前で見た目はレインボームーンストーンなルースをみかけましたっけ。
先だってのIMAGE2011では「アンデシン・ラブラドライト」という名前を見かけました。

長石というのは、非常にややこしくって、かくいう私も「????????」と?マークを大行列させていたものです。(いまでも行列してるはず……少しは短くなっていればいいけど)
そのうえ、知らない間に分類基準が変わっていて、おなじみの名前が消えている!
名前が単純になっでも、「だからどっち」問題は健在という、ややこしっぷり。

この際、頭の整理を兼ねてまとめてみます。


今回の「アンデシン ホワイトラブラドライト 同じ」の検索ワードは、おそらく私と同じように見た目レインボームーンストーンな石に、「ホワイト・アンデシン」とか「アンデシン」という名前がついているのを見て、疑問に思われたのでしょう。

レインボームーンストーンといえばこんな石で、ムーンストーンと名前はついていてもラブラドライトの仲間。
 

ラブラドライトルース
こういうラブラドライトの地色が白くなったと言えば、レインボームーンストーンがラブラドライトというのは納得できますが、アンデシンと言えば、たいていはこんな感じの赤い石。
※アンデシンは、コンゴ産やチベット産として透明な赤いものが出回っていますが、最近その産地に疑いが出たようです。
 内モンゴル産の淡黄色のアンデシンに人工的な処理をしたのではないかとのこと。
 詳しくはこちら(参考サイトさま)

 アンデシンビーズ
アンデシン2ビーズ
色が淡いもの、緑に透けるものもありますが、ラブラドライトには似ていません。
なのに、説明なしに


「ホワイトアンデシン」
……と書かれていたら、わけわかりませんね。

えーと、まず、石の名前にもいろいろあるということを頭に置いておいてほしいです。
ラブラドライトでしょ、水晶でしょ、アメジストでしょ、スモーキー・クォーツでしょ、エピドートでしょ……うーん、たくさん。……ではなくて、これはこういう石だ、と決める基準がいろいろあるということです。

たとえば、ムーンストーンとラブラドライト、アンデシンでは名前の基準が違います。
一番大きくまとめてしまえば全部「長石(フェルドスパー)」なんですけど、その中での基準が違うんです。

一番大きな違いは、ムーンストーンは宝石名、ラブラドライトやアンデシンは鉱物名(※)ということです。

宝石名は文字通り、宝石としての仲間。
ある鉱物の中でこういう見かけのものをこの名前(宝石名)で呼ぶ、ということです。
多くは鉱物名が示す範囲と宝石名が一致しているのでさほど混乱はないんですが、いろいろ種類が多くて混ざりまくりの長石グループの中の宝石・ムーンストーンは違います。

ムーンストーンはなにかというと、
「重要な正長石の宝石で正長石と斜長石系列の端成分であるアルバイトとの層状組織による光の干渉効果と散乱によって青色~白色のシラー(閃光)を示すもの」
なんだそうです。
こんなふうに書くとすごく難しそうですが、大雑把にいえば、
「いろいろある長石の中の一部の種類、さらにその中で磨くと青~白の月光のような輝きを示すもの」
ということです。

いろいろある長石の中の一部の種類というのが、オーソクレース(正長石)とアルバイト(曹長石)ですが、これらの長石でも磨いても月のような輝きを示さないものもあります。それではムーンストーンと呼べません。

一方、ラブラドライトやアンデシンは鉱物名(※)です。

鉱物名というのは、成分と結晶系(結晶の基本構造)で決められます。
成分は同じでも結晶の基本構造が違うと、カルサイトとアラゴナイトのように別の鉱物に分類されます。
スモーキー・クォーツとアメジストでは色が違いますが、成分も結晶系も同じなので、鉱物としては同じ石英(水晶)です。
(それぞれの色の元となっている、鉄やアルミニウムはごくごく微量なものなので、成分としてはカウントされません)
宝石名と違って、見かけが違っていても成分と結晶系が同じなら、同じ鉱物ということになります。

水晶の場合は、成分はSiO2と単純ですが、長石の場合は実はたくさん種類があって、それぞれ成分や結晶系によって、細かく種類が分けられています。。

しかし……成分と結晶系が違えば違う鉱物では? それでも同じ長石?

そうなんです。ここがややこしいところ。
成分と結晶系が違うので、細かく分けると違う鉱物になるんですが、長石の仲間に入れられたものは、成分に長石だけに通じる共通部分があり、違う種類の長石同士が混じったりします。
混じり合うということは、それだけ近しい関係にあるということなので、近しい性質を持った石を長石(フェルドスパー)グループとまとめているわけです。

共通部分があるというのは、こういうことです。

長石迷宮1

うっわー、難しそう!……と逃げないで~。

何だか暗号みたいなアルファベットと数字ですけど、これが石の成分を表す式です。
水晶だとSiO2で、すごく簡単なんですけどね~。長石は長い!

えーと、とりあえず、アルファベットや数字は無視しちゃって、下に入れておいた色で見分けてください。
長石には違う長石に分けられていても共通する成分が入っています。それがベージュ色で表した部分。これを便宜上「共通部分」と言いましょう。
この共通部分にいろんな成分がくっついて、それぞれ違う長石に分けられてしまうんです。
この共通部分にくっつく成分を、便宜上「オプション」と呼んでおきましょうか。

長石はたくさん種類があるんですが、ここでは石好きとして一般的に見かける種類で話をします。

ここで登場するオプションは、カルシウム(Ca:ピンクの三角)ナトリウム(Na:水色の丸)カリウム(K:緑の四角)の3種類。
それぞれが共通部分(ベージュ色の部分)にくっつくと……それだけで、ほ~ら、成分が違う長石が3種類。
オプションが増えるとさらに種類は増。(オプションの成分にはバリウムやストロンチウムなどまだまだあります)

それだけじゃありません。

長石同士は混ざります。……というか、たくさんの中間種みたいなものがあります。
専門的には「固溶体」というらしいんですが、それってどういうこと?……と説明しはじめるとわけがわからなくなるので、ここではおおざっぱに「混ざる」「中間種」と言っちゃいます。

では、さっき例に出した3つのオプションでできた3つの長石、これを絵の具だと考えて下さい。

それぞれ例に使った水色、ピンク、緑としましょうか。
水色とピンクを混ぜたらどうなりますか? 薄紫になりますね。
でも、水色とピンクをどんな割合で混ぜるかで青っぽい紫だったり、ピンクに近い紫だったり、いろいろな色ができます。
……これが中間種。
まるで絵の具で作るグラデーションみたいにいろんな割合の中間種があります。
それを全部別の長石にしたら大変なことになるので、結晶系の違いや成分の割合(○%~○%までのように)などでいくつかの種類に分けているんですね~。

3種類の長石の間でできる中間種はこんな感じの関係になります。

長石迷宮2

オーソクレースとアルバイトの間の中間種(アルカリ長石グループ)アルバイトとアノーサイトの間の中間種(斜長石グループ)はあるけれど、オーソクレースとアノーサイトの中間種、3つの長石がごちゃごちゃに混ざった中間種はない、ということです。

ここで、ムーンストーンとラブラドライトが、どこらへんに位置するか見てみます。

長石迷宮3

だいぶん、位置が違いますね~。これでは大雑把にいえば同じ長石でも、長石の中では種類が違う、レインボームーンストーンとムーンストーンは別だ、ということがわかります。
なんたって、属しているグループが違う。

繰り返しますが、
長石にはいろいろ混ざった中間種が多いこと。
ラブラドライトやアンデシンは鉱物名(※)で、見かけに関係なく成分と結晶系によって決められるものであること。
これを覚えておいてください。

ここからは、ラブラドライトやアンデシンが属する、アルバイトとアノーサイトの間の中間種の話になります。

先に出した例のとおり、アルバイトを青アノーサイトを赤の絵の具と考えてみてください。
青と赤を混ぜると紫になりますが、その割合によって赤っぽい紫や青っぽい紫ができますね。
絵の具ですから、その混ざり方の割合は無限で、青から赤にかけてのグラデーションになります。
つまり、アルバイトとアノーサイトの間には、いろいろな割合で混ざった中間種がそれこそ無数にあるということ。
そんなのにいちいち名前を付けていたらたいへんなことになるので、いくつかに区分けして、それぞれに名前が付けられているんです。

図にするとこんな感じ。


アンデシンの名前、見つけられましたか?
見覚えのあるラブラドライトの名前もありますね。
なんと、アンデシンとラブラドライトは長石の中でも同じグループに属し、成分の割合がちょっと違うお隣石なのです。

ところが、ラブラドライトである条件はアルバイト●%、アノーサイト●%とびしっと決まっているのではなく、Ab(アルバイト)50~30%、An(アノーサイト)70~50%と幅があるので、アンデシンよりのラブラドライトもあるし、反対側のお隣のバイトウナイトよりのものもあることになります。

つまり、ほんのちょっとの成分差でラブラドライト、アンデシン……という微妙な成分の石もあるということ。

ここで思い出してください。
ラブラドライトやアンデシンは鉱物名(※)で、見かけに関係なく成分と結晶系によって決められる


つまり、見かけはラブラドライトでも、成分分析をしたらちょっぴりの差でアンデシンだった。
すると、この石はアンデシンと判断されます。……厳密には。

もちろん、最近いきなり、見かけはラブラドライト、成分はアンデシン……という石がでてきたのではなくて、以前からそういう石はあったけれど、見かけで「これはラブラドライトでしょ」と思われ、そのままになっていたものが、近年アンデシンが出回るようになり、かつ石の真贋を気にする人が増えて、店などが石をいちいち鑑別にかける機会が増えた。その結果「ありゃ、これ、成分はアンデシンだ」という石が発覚した……ということでしょう。

見かけはラブラドライト、成分はアンデシンという石だけでなく、もちろん逆の場合もあります。

分析したらそういう結果だったんだから、厳密にアンデシンという名前にするぞ、と判断するか、
微妙な差だから「アンデシン・ラブラドライト」としておこう……と考えるか。
赤くて見かけはどう見てもアンデシンなのに、わずかな差でラブラドライトと言っても混乱するから、(説明したうえで)アンデシンとしておこう……なのか、
判断はまだ店それぞれに違います。

いずれにせよ、見かけレインボームーンストーンにアンデシンの名前がついていたから、ほかのレインボームーンストーンも全部アンデシンで、レインボームーンストーンはラブラドライトじゃなくてアンデシンのことだったのか、と理解してしまうのは違うでしょう。

ラブラドライトもアンデシンも鉱物名なので、成分を重視すると、見た目と名前が一般的なものからずれたものも出てきてしまう、ということなんです。
……というか、あの虹色ラブラドライトと赤いアンデシンの見かけは、どこらへんの成分差で別れていくんだろう……。

さて、話はここでは終わりません。

アルバイトとアノーソクレースの間の中間種、いろいろあると図を出しましたが、なんと!
この情報はすでに古いです!

知らない間……といっても1995年~1999年の間に、長石の分類基準が見直されて、これらの中間種に付けられていた斜長石グループという名前も、それどころかアンデシンやラブラドライトという名前すら、きれいさっぱりなくなっちゃいました。

見直し前、見直し後はこんな感じに違います。

ビフォー・アフター

なんというか、きれいさっぱり。

アルバイトとアノーサイトの間をちょうど半分、50%で区切り、成分比が多い方の長石の名前で呼ぶというのです。
これを50%ルールといいます。
50%ルールは、マリアライトのところでも出てきました
つまり、アルバイト60%、アノーサイト40%なら、以前の分け方ではアンデシンでしたが、今はアルバイト。
アルバイト40%、アノーサイト60%はラブラドライトじゃなくてアノーサイト。

このおかげで、これはラブラドライト?バイトウナイト?と悩まずに済みますが、いかんせん区切りの50%ラインはかつてのラブラドライトとアンデシンの間にあるので、微妙な差であっち・こっち?という例は健在。

1999年と言えばすでに10年以上前ですが、ラブラドライトにアノーサイトのラベルがついているのを見たことがありません。
(だから見直されていたのに気が付かなかった)
これからどうなっていくんだろう……。









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Secret

分かりやすい!

最近、長石に興味が出たものの、全然分からなくて・・。
こちらの記事でようやく納得できました☆

他の記事もとても面白く、興味深いです。
これからじっくり読ませていただきます(^_^)
プロフィール

KURO@虚空座標

Author:KURO@虚空座標
水晶好き、ものづくり好き、石の写真好き。
石好きのきっかけはパワーストーンですが、現在は鉱物としても興味を持っている中間派。
石に関するあれこれいろいろ、気の向くままに書いてみます。

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