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レムリアというよりも

レムリアンシードと呼ばれる水晶があります。

私個人としてはレムリアンシードというとブラジルはミナスジェライス、カブラル山脈産のうっすらピンクで表面はふんわりマット、くっきり横筋付きの美しくスタイリッシュな水晶であると思ってます。

レムリアなんてのは伝説ですから何でもいいといえば何でもいいんですけど、「レムリアンと名前がついていたからレムリアン」「横筋がついていたらレムリアン」より、レムリア大陸が太平洋にあって、それが海に沈む時にレムリア人(もしくはレムリア人の精神)が南米に逃げ延びた……という説(※)があり、それを踏まえてのレムリアンシードという、いちおう筋の通ったバックボーンを持っている方が「らしい」んじゃないかと思うんですよね。
※詳しくはこちら

私にとっては、レムリアンシードなどの「特別な名前」は一種の「称号」だと思うので、適用は慎重に……というイメージなのです。

ブラジルのレムリアンシードには、特別な「おはなし」がくっついているのだから、他の産地でもレムリアンシードを名乗るなら、それなりの「おはなし」が欲しいじゃないですか。
なのにブラジルに続いて世に出た「ロシアンレムリアン」はいちおう「ブルー・エンジェルの伝説」とやらがくっついていて、名づけた人もわかっていますが、ペルーやコロンビア、モザンビークあたりは、誰がどんな理由でレムリアンシードということになったのかが不明。

なので、私としては「よくわからないけどレムリアンシードの名前がついてる水晶」……と、カブラル山脈のレムリアンシードとは、ちょっと区別しています。
正直に言うと、別に、レムリアンじゃなくてもいいんじゃないか、という気分。

レムリアンでなくてもいいならどう呼ぶか。
そんなネタでおひとつ。

コロンビアンレム

「コロンビアン レムリアンシード」として買った石です。
いちおう、ムゾー産とのこと。

コロンビア産のレムリアンシードの産地については、
◇エメラルド鉱山で見つかった
◇ムゾー産(※ムゾーは有名なエメラルドの鉱山)
◇サンタンデール(州)産
という説明を見かけていました。

それが、最近
◇Peñas Blancas, Boyaca, Colombia
◇ここで採れるものだけがコロンビアンレムリアンシード
……という情報が。

Peñas Blancas, Boyaca, Colombiaを訳す(?)と、
コロンビア、ボヤカ州、ペーニャス・ブランカス。
さらに調べると、ペーニャス・ブランカスは鉱山名でもあるようす。

出た、鉱山限定。

これでインカローズあたりだと、アルゼンチンのカピジータス鉱山のだ!と鉱山限定説を唱えてみたりしますが、あれはカピジータスがインカ帝国の範囲内にあって、インカ帝国の時代から稼働していたという「立地と歴史」という理由があるから。
レムリアという「伝説」……しかもどうしてここでレムリアという理由が明らかでないものでは、鉱山というのは、たまたまそこを人間が掘っていて水晶が出た……というだけの話ではないでしょうか。
それも見るからにペーニャス・ブランカス産は特別だと思える特徴があるならともかく、透明ピカピカ横筋付き……だけでは、他にあっても不思議じゃない。

何でもペーニャス・ブランカスはムゾーと50キロ程度しか離れていないということなんですが、いったいどういう位置関係か。

ちまちま検索を繰り返し、場所をさがして地図をおこしてみました。

どん。

コロンビア地図


ムゾー鉱山とペーニャス・ブランカス鉱山はボヤカ州にあり、サンタンデール州はボヤカ州のお隣。
予想以上に地図が大きくなったのは、いずれの地点も近くて、大きくしないと落とせなかったからです。

ちょっと引いて広い範囲を見てみると、いずれも東アンデス山脈のなかにあり、
傍をマグダレナという川が流れています。
さらにしらべていくと、ボヤカ州の南端にはチボールという、これも有名なエメラルド鉱山があるんですが、同じ州にあるけれど、ムゾーは山脈の西斜面でマグダレナ川流域、チボールは東斜面でオリノコ川流域になり、それぞれの流域を代表する鉱山である……というような説明に行き当たりました。
ペーニャス・ブランカスも大きくはムゾー地区と見られるようです。

ふーむ、共通項は、東アンデスの西斜面、あるいはマグダレナ川流域か。
ブラジルのレムリアンがカブラル山脈という範囲を持っているように、ここでもある程度の範囲があってもふしぎじゃない。
むしろ州とか鉱山とか、人間が設定した範囲に限定する方が難しいのでは。

ここで「マグダレーナ川流域を代表するムゾー鉱山」という説明が印象的だったので、マグダレナ川で検索していくと……。

おや。

この川の名前は、新約聖書の外典「マリアによる福音書」などに登場するマリア・マグダレーナに由来する。(Wikipedia)だそうですが、そのほかにも

◇マグダレナ川の上流にはサン・アグスティン遺跡群がある。
 南米でも最大規模の遺跡群で、紀元前500年にさかのぼるものもある。
 ※サン・アグスティン遺跡群(Wikipedia)

◇アマゾンの奥地にあるとされた黄金郷:エルドラドを求めて、スペインのヒメネス・デ・ケサダは、マグダレナ川をさかのぼり、チブチャ(ムイスカ族)を征服して、1538年にボコダ(現在のコロンビアの首都)を建設した。

◇ボヤカ地方に興ったムイスカ文明は農耕的な民族で、優れた金細工技術と陶芸技術を持ち、族長は毎年1回、祭りの際に全身に金粉をぬって湖で沐浴する儀礼をおこなっていて、その話がエルドラドの伝説になった
http://www.colombia.travel/jp/turista-internacional/colombia/historia

◇「エル・ドラドの真の姿は、ムイスカ族の宗教と切り離せない関係にあった。シャーマニズム的な宗教を信じるムイスカ族は、物質的な世界よりも霊的な世界を重んじる傾向があり、太陽や自然を崇拝していた。」
http://www.bs-asahi.co.jp/bbc/hi_06_01.html

などなど……おおう、よくわからないレムリアを持ち出さなくても、この地には魅力的な歴史や物語があるではないですか。

むしろ、エルドラド・クリスタルとかマグダレナ・クォーツとか、ムイスカ・クリスタルとか……そういう名前で呼んだ方がいいんじゃないだろうか。

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Author:KURO@虚空座標
水晶好き、ものづくり好き、石の写真好き。
石好きのきっかけはパワーストーンですが、現在は鉱物としても興味を持っている中間派。
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