気難しい白

ルーマニア産水晶です。
大きさはさしわたし6センチほど、掌に乗るくらいのかわいいクラスターです。
先端だけがやや透明で、柱面は乳白色。
いくつか折れた部分を見ると、表面から1,2ミリくらいは、白くなっていて中心部は透明感があるようです。
小さな結晶がくっついているものもあり、全体的に霜が降りたような、繊細でひんやりした雰囲気があります。
……が!
この、繊細な白さが鬼門!
黒背景でとると白すぎて陰影が吹っ飛ぶし、白や灰色の背景ではなぜか石の白がくすんでしまう。
絶賛愛用中の半透明プラスチックボックスも、この白さでは使えません。
ただでさえ平面的で小さい結晶が群れてるクラスターはアングルが難しいのに、この白さがこんなに写しにくいとは。
そして……、おそらく、中面が半透明で先端~中心部が透明な結晶だからかもしれませんが、結晶を上から覗き込むと、錐面の角がまるでトラピチェのような仕切りになって結晶の内部に続いているように見える……知り合いの石好きさんのあいだでは、ときどき「ベンツマークが見える」というんですが、そういう面白い見え方をします。

それを映そうとすると、まずまずアングルが限られてしまい、この角度で写したいけど写らない!
……と、やきもきこの上ありません。
買ったのは結構前なのに、今頃の登場となったのは、ひとえに写りにくさの故です。
でも……結晶と結晶の間を覗き込むと、パイライトが挟まっていたりして、ああ、ルーマニア……と思える風情が美しい。
ルーペ片手にクラスターの中に探検の旅。

ちょっと尾太水晶にも似てる。