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ツッコミ石

引越して以降、石の情報が遅くて悲しい限りです。
このたび、ネットで「アースシードライト」という石を知りました。

注目したのは何と言ってもこれがヒマラヤ産といわれていたこと。

複数のサイトから拾い集めた情報を内容別に列記してみると……(基本コピー&ペーストですが適宜リライト、太字はKUROの判断です)

発見された時期
◇発見されたのは2014

状況
◇鉱脈中1ポケットしか発見されていない
◇豪雨で行動が水没、採掘は難しい
◇今回200kgしか産出できず
◇※名前にはTM付

産地
◇インド北部で発見
◇インド北部、ヒマチャルプラデッシュ州、マニハール
◇パルバティ渓谷近郊
◇インド北部の宗教聖地「マニカラン」近郊、標高5200mのマニハールで発見され
◇マニカラン付近の標高500メーターのマニハールで発見された大変、希少な鉱石

鉱物としての説明
◇サフィリン・コーディエライトinシリマナイト
◇鉱物名:サフリン・コーディエライト・イン・シリマナイト(←サフィリンの誤字?)
約38~25億年前南極付近深部で生成されたと考えられる「超高音変成岩」の一種(←超高温変成岩の誤字?)
◇パンゲアからインドが分離、北上、ユーラシアにぶつかり大陸衝突帯変成地域を形成、今もヒマラヤ山脈を押し上げている、
 大陸の変遷を物語る学術的価値の高い岩石
◇サフィリンは「超高温変成岩」の中でも、等温、減圧という環境変化を受け斜方輝石が置換した石
◇サフィリンはコーディエライトとともに青緑色の層をなし、それが真珠色のシリマナイトと共生する、
 特殊な変成作用が重なって生まれた石。
約25~38億年前に現在の南極付近の地球深部で形成されたと考えられる変成岩
◇超高温高圧で生成し、様々な地殻変動を経たブルーのサフィリンが、コーディエライトとシリマナイトと共生する奇跡の鉱物。
◇シリマナイト、サフィリン、コーディエライト、マイカなどが層状に共生する変成岩
◇インド南部には大陸創生期に生成された「超高温変成岩」が分布しています。
◇世界的にも大変希少価値
◇現在の南極付近からインド北部(ヒマーチャルプラデーシュ州)まで大規模な大陸移動を経たとされている天然石
南極でクリスタル化(変成岩)した後、はるばるヒマラヤまで地殻変動により移動した。

石のパワー
※このほかにもチャクラがどうとかいろいろ説明はあるのですが、それはさておき関係のありそうな部分だけ列記します
◇地球創生のエネルギーと宇宙の光を宿す
◇鉱物誕生の由来から『アースシードライト(Earth-Seed-lite)』と命名。
北上を続けるインド亜大陸がヒマラヤの霊峰を天空へ向かわせる壮大なエネルギーを秘めている。
◇超大陸から離れ北上を続けるインド亜大陸がヒマラヤの霊峰を天空へと向かわせる壮大なエネルギーを秘めています
◇造山運動が地上へもたらした奇跡

しつこくこまごま書きだしたのは、石が出回り出してまだ時間も浅く、どこを見ても似通った説明……一つの説明の引用のようでいながらすでに内容にばらつきがあるからです。

はい、お察しの通り、ツッコミする気満々です。
何と言ってもヒマラヤだし
過去、
「世界三大パワースポットヒマラヤ」(←検索すると、「マチュピチュ、ユカタン半島、エジプト」か「ハワイ、セドナ、ルルド」でヒマラヤの名前は出てこない)
「世界最古の水晶ヒマラヤ水晶……」(←ヒマラヤ山脈は世界で最も新しい大山脈)
「マグマの熱により何億年も焼かれたヒマラヤ岩塩」(←テチス海が陸地化したのは陸地化したのは、5000万年前くらい。どうみても「~億年前」は海水じゃぶじゃぶだったはず。ヒマラヤ山脈の影も形もないころ、ヒマラヤ岩塩はどこで、マグマにこんがり焼かれていたのか)

……なんて、どうしてだかヒマラヤについては首をかしげる説明が多いので、ヒマラヤ水晶好きとしては、最初っから見る目が斜めになるのは否めません。

では、ツッコミ開始!……というより、ご存知でしたら教えてください!

まず、発見時期
これはどこを見ても2014年と一致しています。
2014年だったらまだ東京にいましたが、見かけたっけ……?
今頃見かけるとは、意外に遅いかんじ。
アイスクリスタル(マニカランの触像水晶)を2006年の6月の新宿ショーで買ったのに、「2006年のに発見された」と説明されてたのとは大違い。
結晶形のない石で、ビーズに加工されているから?

続いて状況
出ました、「限られた量しか採れなかった」説明。
過去、こういう説明がされた石はいくつかありますが、たいていはその後しれっと後続が出てきて、それなのに「続いてたくさん採れるようになりました」とは言われず、いつまでたっても「限られた量しか……」と言われ続けることが多いので、注意して見守りましょう。
いつまでたっても売られているようなら、限られた量しか採れなかったとか、もう採れないという情報を疑う必要ありです。(人気がなくて売れ残ってるという可能性もありますが)

ものすごく個人的に、ビーズで出回る時点で「本当に量が少ない」とは言えないような気がしてます。
少なくて貴重な石だったら、ビーズに削って無駄を出すだろうか。

困るのがTM付……トレードマーク、これは、商標登録ではなくて「これはうちのオリジナルネーミングだよ!」という意思表示みたいなものですが、いったいどこが名付けたのかわかりません
ヘブン&アース社ではないみたい。

もうひとつ「Earth-seed-lite」「Earthseedlite」で検索しても、海外サイトのヒットがないこと。
ここで説明してたよ! というサイトをご存じの方、情報お願いします!
これに関しては、調べ方が足りなかったのかもしれないので、後日もう一度やるつもりですが……もしかして国内でのネーミング?
TMをつけていながら、「これはうちのオリジナルネーミングです」と明記した説明がすぐにヒットしてこないのが不思議で不便。


産地。
インド北部のヒマチャルプラデッシュ州マニハールであることは一致しています。
おお、マニハール。きれいなルチル入り水晶の産地じゃないか。
manihar.jpg
↑このルチル入りアナテーズ付水晶の産地もマニハール。

ここでのチェックポイントは「インド北部」。後々重要なので覚えておいてください。

そしてすでにここで情報にばらつきとツッコミあり。
さて、マニハールとのことですが、いったい標高5200メートルなのか、500メートルなのか。ばらつきすぎでしょ。

そういえば、「マニカランの10キロのパルギ」と説明されていて、パルギの水晶を売っているインドの人に地図で教えてもらったら、なるほどマニカランのだったけど、後日地図で詳しく調べたら、パルギという地名がマニカランのに二カ所見つかったという謎の出来事があったなあ。

話を戻してマニハール
これは地図で場所がわかっています。
manihar-map.jpg

ほぼ真ん中にマニハールがあるのがわかりますか?
残念ながらマニハールそのものの標高は不明です。また、マニハールと言われてもマニハールの町で採れたのではなく、周囲の山々で採れた可能性もあります。
さて、マニハール、およびその周辺に標高500メートル、もしくは5200メートルの条件に合う場所はあるや否や。

……ない、かも……。

地図は左下ほど低く、右上へ行くほど高くなってる感じになります。色の変化は大雑把な高さの感じを表しています。
マニハールそのものの高さはわからなくても、マニハールより低い、さらに大きな川……つまり谷の底にあるであろうクルの標高が1219メートルです。標高500メートルだったら、谷底より何百メートルも低いことになってしまうので、違うでしょう。
では、5200メートルは?
これもなさそう。
ピンクのⅡみたいな印は道の峠です。マニハール近くの峠の高さは3440メートル。
位置からして、マニハールはそれより低くなるはずです。

マニハールの近くに5000メートル峰があるなら、参考にした地図にその山が記されていないはずがありません
マニカランのずっと北に6000メートル級の山が二つ記されています。その山麓の5000メートル付近という意味なら、マニハールよりマニカランの方が近いので、マニカラン産と言われるはずです。

ということで、採れた標高についての説明ははっきりとです。
マニハールという産地にも「?」をつけておいたほうがいいかも。

長くなるので分割します。

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Author:KURO@虚空座標
水晶好き、ものづくり好き、石の写真好き。
石好きのきっかけはパワーストーンですが、現在は鉱物としても興味を持っている中間派。
石に関するあれこれいろいろ、気の向くままに書いてみます。

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